受賞コメント／アの字A

　いろいろ忙しくて15年ぶりくらいの参加となりましたが、まさかの金賞をいただき、これまで培ったものを結果として残せて本望です。
■本作品作成のざっくりとした流れ
　本作品は、最初はアナログ原型として手作業で作成していましたが、途中からデジタル原型として3Dですべて作成し直しております。そして、2年ほど前のC3AFAオンラインにてガレージキットとし販売させていただき、そこから、より形状を鮮明に見やすくするために、2倍のサイズに拡大し微調整して仕上げ直した物です。オラザクに出すに向けて、表面処理に入ったのが8月連休明頃からだったこともあり細かい調整をしながら塗る時間が無かったので、缶スプレーを駆使して一気に仕上げました。
■本作品を作る上でこだわった点
　最近のSDといえば3頭身くらいでスタイリッシュに仕上げるのがトレンドであり、それも良い物ではありますが、昔からのSDファンである自分は、昔馴染みの2頭身に焦点を置き、これもまだまだやれるというものを見せたく2頭身のまま各部バランスを検討しなおして、格好良くなるように、また、デフォルメの基本ともいえる最低限の線でしっかりとした造形を目指し作成しました。シンプルなラインゆえに難しく、特に命ともいえる顔は何度も作り直しを行い理想に近づけました。
■可動は最低限かつ的確に
　2頭身とした関係で、無理に関節部品を仕込むと、体のラインに違和感あるへこみが出来て見映えが悪くなりやすいため、可動箇所は必要最低限にしぼり、可動部の差し込み角度や位置を工夫したり、腕上げ用に別に肩パーツや、目線変更パーツ、なびき方の違うマントパーツを作成することで、デフォルメキャラとしての見映えを崩さずにポージングできるようにしました。
■最後に
　自分の作風の関係上派手なディテール等を追加するのが苦手なこともあり、作品としてのまとまりの良さだけを武器に、シンプルな造形力のみで勝負させていただきました。高い頭身でスタイリッシュに仕上げるのも良い物ですが、低い頭身のデフォルメとしてのシンプルな良さも本作から知っていただけたら幸いです。

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