強襲、地球連邦軍の巨神、パーフェクト・ジオング!![GUNDAM THUNDERBOLT Ver.]【HJ Web人気記事Pick up】
2022.11.28MSN-02 パーフェクト・ジオング [GUNDAM THUNDERBOLT Ver.]【1/144】 月刊ホビージャパン2022年3月号(1月25日発売)
全長約42cmもの巨体を誇る、文字通りの大作である。まさに今回の特集の目玉といえる本作。その全貌をじっくりお楽しみいただきたい。
パーフェクト・ジオング
ア・バオア・クー攻防戦で地球連邦軍が接収し、改修した機体。こちらもパーフェクト・ガンダムと同様、ジオング本来のデザインを踏襲しつつも、機動力強化のためのプロペラント・タンク兼大型ブースターやスカート内部に多数搭載された武装コンテナ等が追加され、さらに巨大で禍々しい姿に変貌している。
コンセプト/太田垣康男
メカデザイン/桜 水樹
■サンダーボルト版
従来のデザインを元に、大きくアレンジされたサンダーボルトシリーズのメカは、一定の共通解釈を踏まえつつ独自色の強いデザインになっています。
作例のジオングもまた、ジオングであることを踏襲しつつも、まったくの別物と言っていいほど、入念に考慮されたアレンジとなっています。従ってキットパーツの流用はほとんど不可能で、作例ではHGUCのキットより、頭部やバーニア類を使用した他は、ほぼすべてを自作しました。本来のイメージを損なわないように製作する場合は、とにかく全体のバランスが重要で、細やかなディテールは後回しにしてでも、全体のシルエットを優先して製作を進めます。特に本作例のような大型モデルではこのポイントが大切で、ブロックごとに構築を進めつつバランスが破綻しない様に注意が必要ですね。
■製作
計画的に製作を進めるのは、なかなか困難でした。まずはHG(UC)のジオングを参考に、おおよその大きさを把握します。前出のように、キットパーツが流用できるのは頭部のみ。まずはその頭部に合わせるカタチで胸部や肩の製作を進めます。サンダーボルトのメカデザインはプラ板等でカタチを出すのには適しているのですが、その反面、歪み等は一目瞭然となるので、精度の高い工作が必要となります。水平垂直を常に意識しつつ、パーツの中心線をキープして左右の歪みを極力小さく抑えてやるのが基本となりますね。そのようにして上から順番に建造する方法で進めます。本来のスカート部分に加え、ミサイル・ポッドや隠し腕等が装備された、二段目のスカートがあり、さらに三本のブースターが設置される三段構成。多くのパネルで構成される下半身ですが、過度に広がり過ぎると立体として破綻してしまうため、各パネルの角度は吟味しつつ設置して進めます。キャラクターモデルに限らず、基本的に複数必要なパーツは複製して使用します。作業効率の向上に加え、微妙な差異の解消にも繋がるので、腕や脚、その他多数必要なパーツは複製を繰り返すことで必要数を確保します。前面に設置されるミサイル・コンテナは、取り扱いも考慮して開閉状態を二種類製作し、差し替えることでオープン状態を再現しました。ミサイル・コンテナ本体や開閉ハッチは複製したパーツを使用しています。最下段となるブースターは直径45mmの塩ビパイプを使用して製作。ブースターや、その他各パーツは5mmプラ棒を軸としてポリキャップに接続できるように調整しています。
■塗装
基本的にMr.カラーを使用。単行本等にあるカラーイラストを参照しつつ、ジオングらしい色合いを吟味しながら、調色して本体色を決定します。何度も塗っては調整を繰り返すため、正確なカラーレシピはありませんのであしからず。今回の作例では大型のパーツが多いため、塗装時には持ち手の工夫が必要でした。各パーツそれぞれに、塗装しやすく固定して、じっくり作業できる環境の構築も大切ですね。塗装後にアクセントとして各所にデカールを貼り付けてクリアコートし、その後にツヤ消しクリアーでツヤを調整します。そしてエナメル系塗料で軽くウェザリングして仕上げています。
■あとがき
とにかく大型な作例であり、序盤に用意したHGジオングからは想像つかないサイズとなりました。唯一キットパーツを使用した頭部も、形状はかなり変更しておりますが、左右の赤いアンテナは手を入れずに使用しています。もし手元にキットがありましたら、アンテナを中心に大きさ比較を想像していただけたら幸いであります。
1/144スケール スクラッチビルド
MSN-02 パーフェクト・ジオング[GUNDAM THUNDERBOLT Ver.]
製作・文/竹内陽亮
ⓒ太田垣康男/小学館 ⓒ創通・サンライズ
竹内陽亮(タケウチヨウスケ)
模型製作のお供。部屋カフェが進化して、最近はコーヒー豆から厳選をはじめました(笑)。