再販キットを4Kリマスター版公開に合わせて製作！

　4Kリマスター版公開に合わせて、長らく入手困難だったオネアミス王国 空軍戦闘機 第3スチラドゥのプラキットがこの度再販。単座型と複座型の2種が同時に再販されたが、ここではそのうち、主人公シロツグ・ラーダットが訓練のために乗り込んだ複座型を製作。キットはクリアーパーツを含む5色成型のフルカラー仕様。一部接着は必要なものの、スナップフィットモデルとなっている。作例は劇中の光沢感より、模型としての存在感を優先し、ツヤ消し仕上げで製作。各部のシャープ化やディテールアップで、秀作キットをさらに引き立てている。

■祝！　35周年！
　今回、このお仕事を頂いた時に「なぜ今このアイテム？」と思ったのですが、2022年は『王立宇宙軍 オネアミスの翼』が公開されて35周年。この秋に4Kリマスター版として劇場公開され、それに合わせてプラキットも再販されました。作例製作にあたり改めて作品を視聴しました。複座型の登場シーンは戦闘シーンではなく、BGMと相まってとても幻想的なシーン。もちろん描写のリアリティや作画は凄いことになっているのですが…。
　さてこのキット、接着推奨のスナップフィットで飛行状態と駐機状態の選択式なのですが、せっかくなので差し替えでどちらも再現できるようにしました。欲張りさんですね。では解説に参りましょう！

■工作
　キットはスナップフィットなのですが、ピンの勘合がきつい所がありますので、ピンバイスで穴を広げて組みました。ほとんどは接着して合わせ目消すのですけどね。工作といってもほぼプラの厚みの調整とパネルラインの彫り直しです。特にインテークのカウルは目立つので薄く削り込んでいます。前脚のタイヤ周りはプラが埋まっているのでタガネで彫り込んで開口しています。マフラーの縁も薄く深く彫り込んでいます。機銃は切り取って真鍮パイプに置き換え。後輪のシリンダーの先に接続ピンがあり、差し替えの妨げになるのでカットしています。カバーのヒンジ部の勘合が若干弱そうだったのでプラ材を貼り付け調整しています。

■塗装
　下地はいつもより薄くサフを吹いた後パネルラインを黒でシャドー吹き。自作のテンプレートを使って白で面に斑を付けつつシャドーの幅を調整。上塗りは基本色を薄めにし下地が透けるように全体を塗装。で、いい感じになると思ったのですが、隠蔽力の強い塗料のおかげでほぼ消えてしまったので、少し明るい色でパネルラインを気にしつつテンプレートを使って斑を付けました。フラットブラックでウォッシングとスミ入れ。一度フラットクリアーでコートしシェイドブラウンでウォッシングしています。エンジンの黄色の帯は赤味が少し足りない気がしたので、Mr.ウェザリングカラー フィルタ・リキッドでフィルターをかけました。仕上げに再度フラットクリアーをかけ、各灯火類を貼り付け。脚庫カバーの灯火はシルバーを塗ってから透明のUVレジンを流し塗装をしています。

ⒸBANDAI VISUAL／GAINAX