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ダリルとの死闘の中、アーマーをパージする「フルアーマー・ガンダム」をMAX渡辺が製作【機動戦士ガンダム サンダーボルト】

2022.10.14

FA-78 フルアーマー・ガンダム Ver.Ka(GUNDAM THUNDERBOLT Ver.)【BANDAI SPIRITS 1/100】 月刊ホビージャパン2022年11月号(9月24日発売)

ダリルとの死闘の中、アーマーをパージする「フルアーマー・ガンダム」をMAX渡辺が製作【機動戦士ガンダム サンダーボルト】

10th Anniversary!! THUNDERBOLT

月刊ホビージャパン11月号『機動戦士ガンダム サンダーボルト』連載10周年記念特集。豪華ライター陣によるとっておきの作品群から、表紙を飾ったMAX渡辺氏によるフルアーマー・ガンダムをご覧いただこう。
 本作は表紙モデルということもあり、ギミックよりもフォルムを優先し、各部のディテールやバランスをコミックのイメージに改修。ベテランモデラーの適格で無駄の無い工作が冴える逸品である。実際の表紙では背景の追加等の加工を行っているが、ここでは作品そのもののプレーンな状態をじっくりとお楽しみいただきたい。

▲単行本第3巻、ダリルのサイコ・ザクとの死闘で描かれたアーマーをパージするフルアーマー・ガンダムの姿をモチーフに製作された今回の作品。塗装はすべて筆塗りで仕上げられており、筆を面に対して垂直に押し付けるような「スタンピング塗装」による独特の質感も味わい深い
▲ディスプレイ状態ではほとんど確認できないが、背面ももちろん仕上げられている

▲コトブキヤのブロックベース01をコロニーの壁に見立てて設置。表面のジョイント穴に金属線に接続したガンダム本体とアーマー類を配置していった


 フルアーマー・ガンダムをメリハリボディに改修する!

▲胸のダクトはプラ板で内側を高くし、ハの字になるように整形

▲シールドもコミックの描写を参考にダメージ状態を再現した
▲コックピットハッチの開閉用ヒンジは取り除き、プラ板でカバーを製作。首周りの切り欠きもつながった状態に改修している

▲胸のフィンは削り込んでエッジをシャープに。それぞれ左が加工前、右が加工後

▲肩パーツはパネルラインで切り離して表面に段差をつけてより立体的に。また、裏側にプラ板を貼り付けて厚みも増している(それぞれ写真の左が加工前、右が加工後)

▲腰アーマーもそれぞれプラ板でボリュームアップ(それぞれ左が加工前、右が加工後)

▲脚部は前後にボリュームを持たせるため、スネパーツとスネの接続面にプラ板を挟んでヒザが前に出るように加工。足の甲とつま先にもプラ板を接着し厚みをつけたことでより力強い印象に

■10th Anniversary!! Congratulations♪
 なんとめでたいサンダーボルト10周年!! 作家生命に関わる難事を乗り越え、ココまで辿り着かれた太田垣康男先生、ホント凄い!! おめでとうございます♪ 物語の完結までどうぞご無事に走り切られますよう心から応援しています♪ このようにめでたい節目に表紙作例のお声がけをくださったホビージャパン編集部木村サン、そして舟戸さんありがとうございました♪
 丸沼スイムラン(2022/8/27)、佐渡国際トライアスロン(2022/9/4)と2週連続で人生最難関クラスのレースに出場していた模型芸人MAX渡辺です!! この間、トレーニングしながら作例4つを平行で進めていたわけですが、よくぞこんなスケジュール、なんとかこなせたモノだと我ながら呆れていますwww親愛なる協力スタッフの皆さんのサポートあってのこと。ホントありがとうございました♪

■時間が無くたって
 さて、担当編集舟戸さん曰く「MAXさん、フルアーマーの作例は既出作例があるので、なんか違う絵、アプローチが欲しいんですよ。アーマーをパージしているとかどうです?固定ポーズで」
 無茶振りだwけれど悪くない。
 この時点でネタの大枠は決まったのでひたすら構想を練る。作業にはなかなか入れないので練り続ける。当初は角材ベースに切り離した装甲や装備を真鍮線で差して浮かせてセンターにガンダム、という構成を考えていたのね。ディスプレイとしては悪くないけれど表紙撮影にはイマイチ向かないなぁと煩悶。背中のMAX最古参楡木さんが「壁から生やすのが良いんぢゃない? 固定軸も隠しやすいし」とナイスなアドバイス。いよいよ〆切間近に迫って来たのでベースになる部材を求めて秋葉原を徘徊、見つけたのがコトブキヤ製ヘキサギア「ブロックベース01」だ。パネルをヘキサグラム対応アタッチメントで繋いで壁を作り、そこにパージされたパーツをディスプレイする構成。六角形のジョイント孔が多数並んだ壁に同外径のジョイントを差せばレイアウトも変更、調整出来るという、まさに本作例にうってつけの性能だ。スペースコロニー外壁とも言い張れちゃうメカメカしい外観と相まって実に好都合かつ時間短縮に一役買ってくれた♪ これを機にヘキサギア集めちゃおうかな♪

Nakedガンダムを作る。
 さてベースやら構成が見えて来たら本体たるサンダーボルト世界のガンダムの煮詰め。今回使ったVer.Ka 1/100フルアーマー・ガンダムはフル装備状態でカッコよいベストバランス、プロポーションに設計されているガンプラだ。そのアウトラインから逆算的に装甲部位を剥がしていくと素のガンダムが出てくる。組み立てをしたことがある方々ならその過程でこのコアのガンダムに触れているだろう。ソレは前記の制約(というかコンセプト)により前後に薄く、フィギュアとしてはメリハリに欠けるフォルムになっているのだ。この剥かれたガンダムのカタチを、限られた時間の中でベターに持っていくのが今回のミッションだ。
①胸のルーバーフィンが正面を向いているため、パース感に乏しく硬い印象。されど理想的なカタチを追い求めるとかなり工作時間を取られてしまうので開口部の角度を上から見てハの字に。ソレに伴ってルーバーの向きを外向きにしてそれっぽくしてみた。コレに伴って胸センターおよび首周りも調整を入れている。ウエストも正面を向いているので切断し角度をつけて再構成。
 腰のキャラメルはプラ板で前後方向にボリュームアップしている。股間ブロックは前に迫り出すようにプラ板でカサ増ししつつ形状変更している。
②肩ブロック正面が板でメリハリに欠けるので、コミックのコマでソレっぽく見える段差ある形状を採用。パネルラインで切り離して整形、厚みを増して再接着している。
③スネは前後のボリュームが乏しいのですヒザブロックを切り離し、プラ板を挟んで再接合、前に張り出させてメリハリを付けた。靴部も甲が薄く全体にボリューム不足なので、コミックシーンを参考に最小限の工作でソレらしく。
④シールドおよび頭部には深いダメージを施す。モーターツールとナイフでソレらしく抉り、溶きパテでテクスチャをつけ、あとは彩色のチカラでねじ伏せるwww

■塗装彩色
 サーフェイサーを吹いたらアラが凄い(滝汗)。表面処理に行く手前の工作途中段階の様相。だけど作例の性格からしてコレでNo problemと踏み、シルバー→黒吹きで下地を構成。ここ最近、食傷気味で虹色下地は封印中だ。さぁ、そして怒涛の筆塗り。面に対して垂直に押しつけ叩きつけるような筆遣いで進める。例えるなら「スタンピング」的な動き。もちろんカタチ次第で上下左右に走らせることもあるけれど、筆目は場所に応じ、感覚、気分で消したり残したり。一度に仕上げようとは全くせず、乾燥状態、面の様子を見ながら絵の具を置いていく要領だ。コトバにすると難しいなぁ。動画で見てもらいたい♪ と、デカールを貼り、剥がれ防止のセミフラットクリアーを吹いて、Mr.ウェザリングカラー「グランドブラウン」全面塗布→拭き取りで完成。かつてないほどラフな仕上がりだけど、悪くない絵が作れたので良しとしよう。何より10周年という節目のお祝いが出来たことが嬉しいな。ではまた♪

BANDAI SPIRITS 1/100スケール プラスチックキット “マスターグレード”

フルアーマー・ガンダム Ver.Ka(GUNDAM THUNDERBOLT Ver.)

製作・文/MAX渡辺
協力/鈴木孝・仁平哲也・堤啓介・楡木一之

MG 1/100 フルアーマー・ガンダム Ver.Ka(GUNDAM THUNDERBOLT版)
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●7560円、発売中●1/100●プラキット

©Yasuo Ohtagaki 2022 ©創通・サンライズ

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MAX渡辺(マックスワタナベ)

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