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お手軽に電飾をしてみよう! 懐かしの1/100ズゴックで実践!【週末でつくる ガンプラ凄技テクニック 懐かしのキット編】

2022.10.14

週末でつくる ガンプラ凄技テクニック 懐かしのキット編 月刊ホビージャパン2022年11月号(9月24日発売)

お手軽に電飾をしてみよう! 懐かしの1/100ズゴックで実践!【週末でつくる ガンプラ凄技テクニック 懐かしのキット編】

 休日の空いた時間、誰でもできる簡単なテクニックで、お手軽にカッコいいガンプラを楽しんで作ってみよう! がモットーの連載企画「ガンプラ凄技テクニック」。懐かしのキット編第8回は「電飾の基本」をお届け。当時ものキットには欠かせない電飾工作を1/100のズゴックで学んでみましょう。

講師/林哲平


LEDを仕込もう

▲コードつきLED、スイッチ、単5電池ボックス、赤黒2色のコードを用意します。こちらはすべて「ELPA」の商品で、模型店やホームセンター、Amazonなどで購入可能です。電飾初心者であれば、失敗を前提に念のため2セットくらい買っておくと安心です
▲電飾するときは、まず電池ボックスを入れてスペースを確認しておきましょう。1/100のズゴックの胴体には大きな空間があり、頭頂部が別パーツなので電飾には持って来いの構造。この通り、2連式単5電池ボックスもすっぽりと収まります

▲電池ボックスに電池を入れます。超基本的なことですが、電池は+とーがあり、位置が逆だと電気が流れません。ですが、意外と「あれ? 点灯しないな?」と思ったときは電池が逆に入っていることが多いです。電飾工作をするときは電気の流れる方向が大切なので、常に意識しながら作業してください

▲いきなり配線を組むのではなく、最初はLEDの配線を電池ボックスに仮止めして点灯チェックしましょう。必ず光る向きを確認してください。ELPAのLEDは+が赤、ーが黒とコードが色分けされているのでわかりやすく、最初からコードつきなので面倒なハンダづけ工作も必要ありません。ズゴックのモノアイは劇中だと白っぽいので、今回はそのイメージを尊重し白色LEDを使用しています

▲電飾作業では欠かせない、銅線を露出する作業をやってみましょう。まず、周りのゴム部分をペンチの奥で軽く、甘噛みするように優しくグイグイッと押さえつけます。切るというより、ゴムにペンチの刃で凹をつけていくイメージです
▲ゴムに凹みをつけたら、そのまま刃でゴム部分を引っ張って、銅線を露出させます。慣れないうちは内部の銅線までカットしてしまいがちなので、最初は余分なコードで何回か練習しておくとより安心です
▲剥き出しになった銅線。余裕を持って、ある程度長めに露出させておきましょう。ただ、ホウキのようにバラけてしまい、電池ボックスやスイッチの金具に上手く巻きつけることができません
▲バラけた銅線を捻じり、まとめていきます。こよりや綱を巻くイメージで作業してください。バラけた銅線が一本にまとまり、ずっと工作しやすくなるのです
▲銅線を金具の穴に差し込み、このように折り曲げます。長すぎてはみ出した銅線は後でカットすれば問題ないので、最初からギリギリの長さではなく、ある程度余裕を持って長さをとっておきましょう
▲金具に指した銅線を捻って金具にしっかり巻きつけましょう。ある程度銅線の長さがあるほうが捻じりやすいです。この要領で他の金具にも銅線を接続していきます
▲電飾に欠かせないのがスイッチです。簡単とはいえ、電池の出し入れで発光/消灯を切り替えるとガンプラの破損やコードを引っ掛けて配線が千切れて光らなくなるリスクが高まってしまいます。小さいものならスペースも取らないので、ぜひとも導入してくださいね
▲電飾の完成状態。電池ボックスの+極からLEDの+極へ。LEDのー極からスイッチへ。スイッチから電池ボックスのー極へ。スイッチで点灯/消灯をチェックし、電気が繋がっているかのチェックをしておきましょう
▲銅線はむき出しになっていると千切れたり、他の金具と接触して電気の流れが止まってしまうことも。ここは絶縁テープを巻いて銅線を保護しておきましょう。今回は自己融着型のテープである、古川電工のエフコテープ2号を使用しています
▲配線が終わったら、実際にガンプラに組み込めるかどうかをチェックしておきましょう。コードが長すぎたりすると内部に収まらないことがあるのです。そんなときはコードを短くするなどして調整してください
▲LEDの光を通すためにモノアイをくりぬきます。キットのディテールに合わせて、デザインナイフで少しずつカットしましょう
▲くりぬいた部分はそのままだと内部が丸見えなのでレンズを入れましょう。ウェーブのH・アイズ2の8mmサイズのものがピッタリと合います

▲レンズは裏側から透明のセロハンテープで貼りつけましょう。接着剤で汚すリスクもなく、簡単に固定できます。ただ、そのままでは上が干渉してしまうので、この段階で削る部分をガンダムマーカーで描き込んでおき、一度レンズを取り外してデザインナイフで削ります

▲レンズを合わせ、頭部パーツがちゃんと合うか確認したら、電飾装置を組み込んで最終の発光チェックをします。ギラギラ白く輝く、ズゴックらしい電飾が完成しました。光ると嬉しくなってつい作業が止まりがちなので、心を鬼にして分解し、次の作業に移りましょう。私はこの段階で光らせて遊びまくり、作業が1日ぐらいストップしていました(笑)


塗装をしよう

▲今回は「HOW TO BUILD GUNDAM2」掲載の、小田雅弘氏が製作したズゴックをモチーフにして缶スプレーで潜水艦風に仕上げてみましょう。本体は色味が近い、タミヤスプレーのダークブルーで塗装します
▲蛇腹の関節部はMr.カラースプレーの黒鉄色で塗装します。1980年代のガンプラ作例では特によく使われている色なので、これを使うだけでグ~ンと当時の雰囲気に近づきますよ
▲アイアン・ネイルはMr.カラースプレーのシルバーで塗装します。金属粒子の比重が多く、当時の作例風の生っぽく重量感ある銀色になります

▲小田氏の作例で特徴的な白ラインはハセガワのホワイトフィニッシュを貼って再現します。曲げる部分はゆっくりと引っ張りながら馴染ませていくと上手くいきます。詳しい方法は月刊ホビージャパン2022年9月号掲載の「1/100ドム ジェットストリームアタック仕上げ」を参考にしてください

▲小田氏の作例では頭頂部にジオンマークが手描きされており、これはぜひとも再現したい部分です。今回はガンダムデカールNo.17 ジオン軍MS用1を使用しています。ジオンマークを入れるだけで、当時ものキットはグッと引き立ちます。常備しておくと便利ですよ
▲デカール貼りとマーキングが終わった状態。これぐらいのブロックに分けて塗装すると組み立ての際も楽です。当時ものキットは部品数が少なく、面も広いのであっという間に塗り上がりますよ
▲全体のツヤをMr.スーパースムースクリアー<つや消し>で整えます。スムースクリアーのうっすらとツヤが残る質感が、当時の作品の雰囲気をより強調してくれます

▲電飾でLEDを仕込むとき、注意しないといけないのがパーツの透けです。光が外装を透過し、不自然になってしまうので、裏に光を遮断する塗料を塗りましょう。黒と銀が遮光性が高いのですが、オススメは水性ホビーカラーの焼鉄色です。黒と銀の混じったガンメタルなので、適当に筆塗りするだけで遮光性も隠蔽力も抜群です。頭頂部のパーツの裏側も焼鉄色で塗っておきましょう

▲胴体のダクトも水性ホビーカラーの焼鉄色で塗り分けます。下地はラッカー系塗料で塗装しているので、はみ出しても台所用中性洗剤でリカバリー可能です。モノアイガードも同様につや消しブラックで塗装しましょう。筆による塗り分けはここだけなので、作業も一瞬です
▲海水が乾燥してこびりついた塩を表現するため、全体にMr.ウェザリングカラーのマルチグレーをごく薄く溶いてウォッシングします。下地が濃い色なので、少しだけでも充分使い込まれた表現になります。ウォッシングが強すぎると感じたときはメラミンスポンジでこすると表面の塗料だけ落としてリカバリーできますよ
▲タミヤエナメルカラーのクロームシルバーを面相筆で描き込んで当時風のハゲチョロ塗装を施します。自分の感覚でやるとついついやりすぎてしまいがちなので、最高のお手本である小田氏の作例を参考に描き込んでいきます

▲海水汚れに欠かせないサビ垂れはリアルタッチマーカーで表現します。サビが流れそうな部分を意識しながら描き込み、神ペンでボカせばあっという間に出来上がります。なお、神ペンの製作法は「週末で作るガンプラ凄技テクニック」のREハンマ・ハンマやHG編、らいだ〜Joe氏の著書「ビギナーでもうまくいく! ガンプラお気楽製作ガイド」に詳しく掲載されているのでぜひそちらを参考にしてください


電飾の最終仕上げ

▲塗装が終わったら電飾装置を組み込みましょう。電池ボックスの裏側に両面テープを貼り、固定します。両面テープでの固定であれば、電池を取り替えるとき簡単に取り外し可能ですし、位置の微調整や電飾失敗のやり直しも簡単です
▲LEDはモノアイの裏側にセットして、セロハンテープで電池ボックスに貼りつけて固定します。これもテープなので位置の調整が楽で、接着して外せなくなるリスクがありません。スイッチも同様にセロハンテープで固定しましょう
▲頭頂部も両面テープで固定します。このように折り重ね、電池ボックスやスイッチ部分にちょっと触れて固定されるぐらいがちょうどいいポイント。電飾パーツは破損や電池の交換で取り出すことが多いもの。テープ固定で整備性を上げておくといつまでも作品を楽しむことができますよ
▲電池ボックスを組み込むと、キットそのままだと肩軸の内側が干渉してしまうので先端を切り飛ばします。電飾していると最後の最後でパーツが合わなかったり、スペースが足りなくなることもありますが、ちょっと工夫するだけで対処できるので最後まで諦めないでくださいね

 数ある当時ものキットの定番工作の中でも、特別効果が高いのが電飾工作です。アニメのシーンさながらにボワッと発光するモノアイを見て、小学生の頃大興奮したという話をよく聞きます。ただ、電飾というとどうしてもハンダづけや電気工作知識などが必要で「難しい」と感じている人も多いのではないでしょうか? 電飾、実は全然難しくありません! 基本は電池とLEDを繋ぐだけです。小学生の豆電球の実験と同じで、それをガンプラの中に入れるだけ。ぜひ、モノアイだけと言わず、コクピット、メガ粒子砲などいろいろな部分を光らせてみてくださいね♪

BANDAI SPIRITS 1/100スケール プラスチックキット

MSM-07 量産型ズゴック

製作・文/林哲平

© 創通・サンライズ

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林哲平(ハヤシテッペイ)

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