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ウェーブ1/20「メルジーネ」発売記念!シュトラール軍最強スーツの魅力に迫る!MAX渡辺と横山宏の新規作例も

2022.10.08

Ma.K. in SF3D 月刊ホビージャパン2022年11月号(9月24日発売)

“シュトラール軍最強スーツ”メルジーネ

 今回はウェーブの1/20メルジーネ特集! 2010年6月号の「Ma.K. in SF3D」連載第4回で3Qモデル製メルジーネ、2020年3月号ではウェーブ製ニーゼとカウツを組み合わせたメルジーネを掲載しているが、完全新規金型による「メルジーネ」のプラキット特集は連載13年目にして初となる。
 MAX渡辺は横山宏による完成見本と同じ斑点迷彩機とオキサイドレッドベースの3色迷彩機を製作。横山宏は既存の完成見本作例に加え、スモークディスチャージャーや内部構造を追加した新規作例2機も公開。“シュトラール軍最強の地上スーツ”メルジーネを多彩な角度から楽しんでほしい。


シュトラール軍 装甲戦闘服 M型 メルジーネ 製作/MAX渡辺

▲第54装甲戦闘団第2中隊“ヴァルトガイスト”3番機に仕上げた
▲右腕にはキットに付属するD4の追加装甲パーツを取り付けた
▲サイトウヒール氏原型の女性パイロットフィギュアが付属。パッケージ同様、マスクを少しずらしている
▲背部には冷却ファンやエグゾーストが。夜戦型ではないグスタフやコンラートと同型のものだ
▲今回、関節パーツやパワーパイプは軟質素材にも食いつく斎藤塗料の「ウレヒーロー」で塗装。「関節、パイプにバッチリです!!」(MAX渡辺)
▲編集部に来ていたイラストレーターのあきまん氏と記念撮影
▲『Ma.K.』では珍しい色の組み合わせでパッチワークふうに塗装された9番機
▲オキサイドレッドを基調に絶妙な色合いのグレーとグリーンが調和。足首の関節を縮めている
▲9番機のパイロットはマスクをしっかり装着させた。表情も精悍な印象だ
▲パネルラインにまたがる9のコードレター。貼ったあとにラインの部分を凹ませている
▲正面の9のコードレターはパネルラインと数字のフチが重なるように貼った

▲足首のすき間が目立たないよう軟質素材の関節パーツをいったん切断。短縮した関節を接着したあと、真鍮線を挿し込んで補強した

▲サイドアーマーの取付部にコの字型の金属線を貫通させて補強
▲G4のパーツが付けにくいので丸い棒ヤスリで穴をわずかに広げた
▲横山氏のメルジーネ(写真左)との比較。一見すると同じ迷彩パターンに見えるが、薄いほうのグレーの色合い、斑点の大きさやタッチなど違いが見て取れる

■完全燃焼?
 野山を駈け、湖を泳ぎ、崖を登り、沼で凍えるサバイバルレース「丸沼スイムラン」に出場しました!! なんて過酷かつ苛烈そして楽しいレースだったことか♪♪(詳しくは月刊ホビージャパン2022年11月号の「HOW TO BUILD MAX WATANABE」読んでね♪)
 そして翌週は佐渡国際トライアスロンの灼熱地獄から生還しましたよ。自業自得の散々なトラブルに塗れながらも佐渡の雄大無比な大自然を満喫♪ 未だアドレナリン出まくりでこの原稿打ってますw 2022年のトライアスロンはコレで終了、来年に向けてカラダ作りですな。

■祝メルジーネ発売!!
『Ma.K.』ファン垂涎、待望のシュトラール最強スーツ・メルジーネがついに発売となりました♪ ニーゼ、カウツが出てから幾星霜、「まだかなぁ〜いつかなぁ」と毎夜枕を濡らしていたコトでしょう。心置きなく積み給え、組み給え、そして塗り給え同志たちよ!!

■気になるポイントはひとつだけ
 抜群にカッケー“ウェーブ新生”シュトラールスーツ。足首のスキマがチョットだけ気になるのです。可動範囲確保のためやむなく出来てしまうわけですが、固定派の御仁は好きな位置、角度でキメ、エポパテなどでシーリング作るが良かろう。「こんなに動かなくてもいいんぢゃね?」っていう可動派のヒトはマネしてね。って言っても足首の軟質樹脂パーツを水平に切って詰める、だけなんだけどね(苦笑)。接着がイマイチ弱い樹脂なので金属線で繋ぐと未来永劫安心です♪

■パッケージシーン再現、そしてマイブーム
 パッケージイラストとパッケージ横の写真を見ながら「3」番機塗りました。色味合わせたつもりだったけど、並べてみたらセンセのほうが黄色強めでした。このカラーリングカッケーですよね。
 もう一機は「月刊アーマーモデリング」(大日本絵画刊)の巻頭特集「赤よりきれいな色はない」のオキサイドレッドに感銘、触発されて塗りました。3色を重ねてパッチワークみたいに。柔らかい色に塗れたのでなかなかのお気に入りです。『Ma.K.』定番的なレシピはサイコーのご馳走だけど時々こういう変化球も楽しいでしょ♪♪
 さぁ、分厚いまとめ本出ますヨォ!!

ウェーブ 1/20スケール プラスチックキット

シュトラール軍 装甲戦闘服 M型 メルジーネ

製作・文/MAX渡辺
協力/鈴木孝、堤啓介

Panzer Kampf Anzug Ausf M メルジーネ
●発売元/ウェーブ●4400円、発売中●1/20、約12cm●プラキット

〈40周年記念バッジ入り!〉

▲『Ma.K.』40周年記念バッジ1個(金色or銀色)が同封されている


シュトラール軍 装甲戦闘服 M型 メルジーネ 製作/横山宏

▲パッケージにも描かれた第54装甲戦闘団第2中隊7番機
▲12番機はスモークディスチャージャーを増設
▲グリーングレー×グレーの斑点迷彩で塗られたパッケージモデル。筆塗りによる斑点のタッチが味わい深い
▲鮮烈なオレンジイエローの識別帯が全体を引き締める
▲13番機は内部構造をジャンクパーツで新造
▲12番機はスモークディスチャージャーを増設。アンテナの軸を切り長めの0.5mmピアノ線に換装している
▲ストッパーを立てて溝に挿すとメインハッチが大きく開いた状態で保持できる
▲ハッチを開けたままにするストッパーをプラ板で自作。挿し込み方で角度を変えられる
▲ストッパーを寝かして挿すとハッチがほんの少しだけ開いた状態になり、パイロットがわずかなすき間から直接視認している状況が再現可能
▲はめ込みがきつい箇所はダボ穴をピンより少し大きい径のドリルで広げておく
▲ジャンクパーツを組み合わせ、ビニールコードは細く切った鉛板で留めている
▲グレー2色迷彩の2機には目を惹く大きなサークルが。丸穴のテンプレートで下描きしてから筆塗りした
▲3Qモデル製旧メルジーネの小さめのフィギュアを使用することでメルジーネの大きさを演出
▲内部に重力波を使ったアクティブソナーがある設定。ダボ穴に挿すピンもディテールに見立てた

■寅年には新メルジーネ!
 3Qモデルのメルジーネが2010年発売だったので実に12年ぶりに完全新金型によるメルジーネの登場です。グリーングレーにグレーの斑点迷彩を施してこれをパッケージに描きました。そして今回は40周年記念バッジを入れてもらいました。完成見本用のメルジーネはすでに組み上げてもらったものを塗ったけど、今回の特集用にはキットを組み立てるところから始めました。最初の工程のボディを組む時のピンがキツいので受け側の穴をドリルで少し広げてから組むこと。この工作だけで全く別物のように上手く作れます。MAXさんが教えてくれたけど、実は成型色が変わると顔料の関係でプラの成型後の体積も変わるそうです。まずはプラパイプやプラ板で作ったスモークディスチャージャーを付けて1体作りました。
 自分で工作していて気がついたのはメインハッチのI2パーツの裏側が『ウルトラマン』のシーボーズや東宝のメカニコングみたいでかなりカッコいいということ。これもMAXさんに教わったんだけど、パーツで完成後も見える側は「キャビティ」、見えなくなる裏側は「コア」と呼ぶそうです(キャビティはキャビテーションの語源になっている「空洞」を意味する言葉で金型の凹モールド側を指します)。隠れてしまうコア側のモールドも見せたくてもう1体作ることにしました。手元のジャンクパーツの組み合わせで1時間余りで工作した内部構造は「重力波」を使ったアクティブソナーという設定です。今SFオタクの中では小説「三体」に出てくる重力波がブームだったりします。
 新作2体はグレー系の迷彩にサークルカモフラージュ。大きめの円をテンプレートで下描きしておいて筆でくるっと描きます。1/35のシュトゥルムケーファーで描いたサークルの大きさを1/20に置き換えてみるとこんな大きさかなって。実際の部隊なら、大型の4足兵器と装甲スーツは同じマスクを使ってサークルを描くことでしょう。そうそう、メインハッチのダボ穴を少し広げておくと右手の親指がちょうど入るんで右手に持たせることができますよ。

ウェーブ 1/20スケール プラスチックキット

シュトラール軍 装甲戦闘服 M型 メルジーネ

製作・文/横山宏


[Ma.K.in SF3D]EXPLANATIONS Vol.111

シュトラール軍 装甲戦闘服 M型 メルジーネ

文/KATOOO(レインボウエッグ)

 メルジーネは間接視認システムを搭載した宇宙用カウツの陸戦転用機で、シュトラール軍地上スーツの最上位機種です。初出はホビージャパン1985年10月号。S.A.F.S.のライバル機であるグスタフより強いメルジーネの登場は衝撃的でした(約15年後、『Ma.K.』になってラプターが登場します)。
 メルジーネといえば人魚のマークが有名です。モデルカステン製レジンキットや日東製1/6ソフビキットには人魚の部隊マークが入っていて、2021年のハセガワ製ナッツロッカー“ヴァルトガイスト”では人魚マークが横山先生のイラストを基にリニューアルされワッペンになりました。横山先生によると、「宇宙用のカウツを陸戦転用したメルジーネを“宇宙という海”から陸に上がった人魚に見立てた」とのこと。今回のMAXさんと横山先生のメルジーネのマークはすべて人魚。なんとも粋な偶然ですね。
 2018年にウェーブから1/20ニーゼ、2019年には1/20カウツが発売。両者をニコイチしてウェーブ版“ほぼメルジーネ”を作るブームが起きたのも記憶に新しいところです。2022年発売されたメルジーネではメルジーネのボディに完全にフィットする冷却ファンとエグゾーストの付いたFランナーが初お目見え。思わずニヤリとしてしまいました。
 そして今回でメインハッチの内部構造が判明! 円形の部位はアクティブソナーとのことで、横山先生は「MAXさんが『グローサーフントなどの単眼系のモンスター感が出てる』って言ってくれたけど、確かに同じ設計者のレイアウトに見えるね。もちろん、わしが設計者なんだけど(笑)。マシーネンは40周年になるけどやってることは基本的に変わらないね。40年前と同じ感覚で、短時間で仕上げてみました」と教えてくれました。スピード感あふれる臨機応変なモデリングは40年前から変わらず私たち『Ma.K.』ファンを楽しませてくれます。


Ma.K. in SF3D ARCHIVE Special 2013.7-2015.12 vol.4

●発行元/ホビージャパン●7700円、発売中●A4判

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© Kow Yokoyama 2022

MAX渡辺/横山宏/KATOOO(レインボウエッグ)

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