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模型の“塗料事情”って今どうなっている?これからどうなる?メーカーに直接インタビュー!その2【ガイアノーツ】

2022.09.15

塗料メーカーインタビューその2 自宅時間増加で塗料ってどうなってるの?どうなるの?ガイアノーツに訊いてみた 月刊ホビージャパン2022年10月号(8月25日発売)

模型の“塗料事情”って今どうなっている?これからどうなる?メーカーに直接インタビュー!その2【ガイアノーツ】

「ガイアカラー」をはじめ、高性能の塗料を多く製造販売する塗料メーカー、ガイアノーツに最近の塗料事情について伺いました。インタビューその1「GSIクレオス編」と同じ質問を投げかけてみましたが、メーカーの特徴の違いを感じる回答が返ってきました。

鈴木憲氏とマスクド13氏の画像
▲ ガイアノーツ代表取締役を務める鈴木憲氏(左)とマスクド13(右)

―自宅時間増加に伴う昨今の模型ブームの塗料への影響はいかがですか。

 おかげさまで塗料の出荷は順調に伸びています。急激な塗料需要の拡大に供給が間に合わず、お客様にはご迷惑おかけした時期もありました。生産体制の見直しなどでやっと落ち着いてきまして、現在は以前に比べて品切れも少なくなってきています。
 巣ごもり需要の影響はもちろんですが、私たちは近年の「SNS」の活性化も模型ブームの一因だと思っています。

―需要増、出戻り、新規参入層増加による御社への質問などは増えていますか?

 そうですね。ご質問は常にございますが、特に最近だと「失敗したくない」という前提の質問が多いように感じます。もちろん失敗したくないというのは充分理解できますが、失敗して覚えることの大切さも理解してほしいですね。模型製作というのは一体、また一体と完成させることの積み重ねで上達するものですから、最初から上手くいったらそこで満足してしまいます。そんなことはないと思いますが、失敗を恐れず挑戦する気持ちも持ってほしいと感じます。
 あとSNSでは「猫ちゃん今日出社していますか?」と質問をもらいますね(笑)。

―それ以外に昨今の模型ブームで気づいたことなどがありましたら教えてください

 嬉しいことですが、女性モデラーが増えていると実感しています。静岡ホビーショーに出展した際も、多くの女性モデラーの方が挨拶に来てくれて幅広い層に模型が浸透していると感じています。
 塗装関係ですと、本格的に塗装環境を整える方が増えていると思います。筆塗りは基本なのですが、極めるには時間とテクニックが必要です。そうなると均一に塗装できるスプレーやガイアノーツから出しているイージーペインター、そしてエアブラシへと塗装手段は選択肢が増えていきます。それらの塗装手段に共通して必要になるのが塗装ブースです。そしてこの模型ブームで、ここ数年で出てきた「ネロブース」という本格的な塗装ブースの普及が一気に進んだように感じます。

ネロブースの画像
▲ ネロブース ガットワークスから発売

5万円前後もする高価な塗装ブースで、プロのモデラーさんが使うものだというイメージが強かったと思いますが、塗装を本気でやりたいということと、圧倒的な排気能力によって家族に迷惑をかけないという利点から、思い切って購入しようという方が増えたと思います。スプレー塗装はエアブラシより塗布量が 多く、塗料の飛沫も多いですが、ネロブースならそれらも心配なく一気に室外に排気してくれます。溶剤臭も強力に排気してくれるので、塗料メーカーとしてもありがたいアイテムです。

―今後、力を入れていきたい塗料(ラッカー、水性、エマルション系など)、ツールは?

世の中の流れ的には水性塗料にシフトしていくのかと思いますが、ラッカーの塗料としての能力の高さ(乾燥時間、塗膜の強さ、光沢感)を考えると、まだまだ主流だと思いますので、ガイアノーツとしてはもう少し頑張っていこうと思っています。偏光カラーもそうですが、面白い顔料がたくさんあるので、皆さんにご提供したいです。こんな色を作ったので皆さん何に塗りますか? という提案型塗料をどんどん作っていく予定です。キャラクターカラーはある程度「ここの色」という固定概念がつきまといますが、それらにしても想像力を膨らましてカーモデルやミリタリーモデルにも使ってみようという挑戦をしてほしいと思っています。
 それでいうと、「月刊ホビージャパン9月号」掲載の赤いアストレアは「鉄道カラー」を使っていただいて、まさにそういう使い方をしてほしいと思いました。鉄道の色って本物の色だから、塗ってみるとすごく重みが出るんですよね。

ガンダムアストレア(フルウェポンセット)の画像
▲ 月刊ホビージャパン9月号掲載、ガンダムアストレア(フルウェポンセット)、製作nikh(月刊ホビージャパン9月号の書籍詳細はこちら)

逆に、今回新しく出したミリタリーのシリーズ3色では、実物の色を再現しすぎてしまうと、重くて暗くて使いづらくなってしまうので、プロのモデラーさんに協力していただき、ストレーキング(汚し)など塗料を足し算していく工程を経ても見映えのするNATOカラーを作りました。模型用塗料というのは子供の頃使った水性絵の具と違って、狙った色が作りにくい性質があります。青と黄色を混ぜても思ったような緑色にならなかった、という経験があると思います。これは模型用塗料はほとんどがひとつの顔料から作られていないのが理由です。青や黄色といっても数種類の顔料を混ぜて作っていることが多く、それらを混ぜていくと濁ってグレーになっていくことが多いです。そのため塗料メーカーは、調色しにくい色を提供するという責任もあります。最近出したNAOKIさんプロデュースのNAZCAカラーでは、調色が特に難しい中間色を扱いました。今後もそういった調色が難しいけど、あると便利というような色味を出していきたいですね。

NATOカラーとNAZCAカラーの画像
▲ NATOカラー(左)、NAZCAカラー(右)

―今後10年で塗装環境はどう変わっていくと思いますか?

 日本がどんどん熱帯みたいな気候になってきているので、環境の変化に対応していかないといけないとは思います。いわゆるかぶり(白化現象)といったような湿気が多いことによって起こる現象が増えてくる可能性があるので、それに合わせて溶剤なども変化させていく必要があるのかと考えています。先程も述べた通り、排気の環境が整うことでエアブラシが多用される方向へいくのかとも思いますが、筆塗り、エアブラシ塗装どちらでもきれいに仕上がるような塗料を開発していきたいですね。YouTubeによって塗装方法がわかりやすく多くの方に広まっているので、短時間で塗装の技術が伸びる時代になると思います。

―これから本格的に塗装をはじめてみようと思っている読者へメッセージをお願いします。

 まずはご自分の塗装環境を把握して、筆塗りから始めてみてください。ラッカー、水性、エナメルと模型用塗料は性質の異なるものが混在しているので、出来れば一通り使ってみて特徴を確認して、適材適所に合った塗料を使って自分の満足する仕上がりを目指してほしいと思います。失敗を恐れずに、何度も繰り返し塗装することで必ず上達します。筆塗りを極めるのも素晴らしいですし、エアブラシに挑戦してみようというのもいいと思います。とにかく完成すれば世界にひとつだけの、あなただけの作品になるということに誇りを持って仕上げてもらえればと思います。

―ありがとうございました。

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Ⓒ創通・サンライズ

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