MAX渡辺が『Ma.K.』のファルケをスクラッチで製作! ファルケの底なしの魅力に迫る
2022.09.08MAX渡辺、スクラッチ ファルケ完成!!
今回はファルケ特集完結編!! 前回ファルケのスクラッチに挑んだMAX渡辺は、横山宏からオリジナルモデルを借り受け、工作が一気に加速! レベル1/32ライトニングや日東1/24トヨタS800などスクラッチ用に収集したキットとポリパテをメインとする工作でオリジナルモデルの雰囲気を色濃くまとったファルケを完成させた。
オリジナルモデルで使用したキットは入手困難なものが多数存在するため、一部はハセガワ製ファルケのパーツを流用しているものの、連載13年目に突入した「Ma.K. in SF3D」の中でも非常に意義のある作例となったと言えるだろう。製作途中の写真も掲載するのでファルケをスクラッチする醍醐味を体感してほしい。
また、借り受けたオリジナルモデルをじっくり研究し新たな境地にたどり着いて塗装したMAX渡辺のハセガワ製ファルケ最新作例も紹介! ファルケの底なしの魅力に浸っていただきたい。
傭兵軍 反重力装甲戦闘機 ファルケ(スクラッチビルド) 製作/MAX渡辺
■この月刊ホビージャパン2022年10月号が出る頃、僕は…
野尻湖トライアスロンを終え、2022年8月末の丸沼スイムラン、そして1週間後(!!)の佐渡トライアスロンに向けてトレーニングを重ねているトライアスリート模型芸人MAX渡辺です! 丸沼スイムランは湖を泳ぎ、山を駆け、を繰り返して総計8kmスイム、20kmトレイルランするサバイバルレース。コレだけでも相応のダメージを喰らいそうなのにその次週、国内レース最難関とウワサされる佐渡トライアスロンストロングマンレースに出るんですよ。このスケジュールはマヂ過酷……。不安な面が多過ぎてむしろ感覚が麻痺、ただただ黙々と泳力、持久力を高めるべく汗を流しております。フィジカル的には60年の全人生で最高に高いハードル、どうか無事を祈っててくださいね。
■やっぱりファルケは凄かった。
双胴船のように2本の腕が前方に伸び、センターにコクピット、後方に補助動力のエンジンを積む構成。ココに『Ma.K.』をSFたらしめる「反重力装置」が3基ユニットされた他に類を見ない異様(威容)の戦闘機ファルケ。そしてコレらの構成要素がヌメッと滑らかな3次曲面で繋がれたフォルム。何から何まで40年前に産み出されたとはとても思えないオーパーツだと再認識しました。造形作家横山宏の造形行為を追体験すべく企画した今回のスクラッチビルドでその想いをより強くした次第です。「ブレードランナーのポリススピナーから着想したのよぉ~」と先生は言うとりましたが、イヤイヤイヤイヤ、ふたつのバルジが前に伸びてるとこは確かにそうだけど、そこからファルケを作れちゃったのは宇宙にただひとりアナタだけですから。
■オリジナルモデルを見ながらコピー工作出来る幸せったら
ソリャもう役得というかスペシャル過ぎてゴメンなさいとしか言えないです。今回実際に再現造形を試みて驚いたのは、元となったキットパーツをそのまま十全と活かす部位は、全体の4割ほどと想像していたより少なかったという事実。各ブロックを繋ぐ曲面はポリパテで造形されていますし、コクピットに至ってはほぼフルスクラッチ造形なのです。しかもココは外形の造形に留まらずコクピットハッチをバキュームフォームして操縦席まで……恐るべき熱量ですよ。オリジナルの表面に幾度となく指を這わさせていただき、氏の「こういうカタチにしたい、こうじゃなきゃダメ!」という思いがヒシヒシ伝わってきてホント得難い経験でした。出来上がったそのカタチは無骨とも流麗とも断言、形容できない複雑な魅力を醸していますね。何処か可愛らしい、そしてエロティックなんです。その柔らかさと硬さに近似したモノは何だろうとしばし思案しましたが、ソレは男性器かなと。「そうですそうです、チ○コですよぉ」と横山センセは言い切りそうですが、コレを掲載するかどうかは検討の余地アリ、ですよね。
KATOOOさんの全面的かつ献身的協力のもと進めて来ましたが、入手困難なパーツも多数ありましたので、そこはハセガワ製ファルケから流用補填しました。完全再現とまではいけませんでしたが大満足です♪♪ パーツ構成を見せるためにも敢えてサーフェィサーも吹かずにこの状態で完成とさせていただきます。
1/20スケール スクラッチビルド
傭兵軍 反重力装甲戦闘機 ファルケ
製作・文/MAX渡辺
協力/鈴木孝、仁平哲也
反重力装甲戦闘機 Pkf.85 ファルケ “Ma.K.40周年記念”
●発売元/ハセガワ●7040円、発売中●1/20、約28cm●プラキット●限定生産版のため、現在店頭在庫のみ
傭兵軍 反重力装甲戦闘機 ファルケ(プラスチックキット) 製作/MAX渡辺
■そしていまさらのように噛み締める「プラモデルが在るシアワセ」
コピースクラッチビルドと併行し、原点に触れるべくオリジナルモデルのカラーリングをやってみようと。せっかく現物をお借りしているし、もうソックリのレプリカに塗ってやろうと意気込んで臨んだのですが……ある意味失敗しました。ともに歩んだ13年の連載経験を経て、僕MAX渡辺なりの横山宏的色感覚を手にした今、40年前のモデル再現に留まることはできなかったのです。調色して塗り始め、絵の具を微調整して塗り進めるうちに、「この色、オリジナルとはかなり違うけど凄くイイ!!️ きっと横山さんもコッチが良いって言うに違いない!!️」と強く思ったのでした。言い訳めいて聞こえてしまうかもしれませんが事実です。そしてコレだけ塗り続けたから出せた色だよなぁとしみじみ思うのでした。継続はチカラ、そして与えられた場と与えてくれた方々(もちろん読者の方々含む)に感謝しかありません。
スクラッチビルドは想像したより数倍大変でした。キットがなかったらコレを作れる人はホント少ないだろうと思います。ハセガワさんに改めて大感謝です。
横山宏体験、面白過ぎました。『Ma.K.』原理主義者たちの気持ちが少し分かりましたよww
ハセガワ 1/20スケール プラスチックキット
傭兵軍 反重力装甲戦闘機 ファルケ
製作・文/MAX渡辺
協力/鈴木孝、仁平哲也
これまでのファルケスクラッチ
文/KATOOO(レインボウエッグ)
初掲載の月刊ホビージャパン1983年3月号の詳細な製作記事を読み、多くのモデラーが挑んだ1/20ファルケのスクラッチ。月刊モデルグラフィックス2000年1月号の誌上コンテストには完成度の高いサイトウヒールさんの1/20ファルケが掲載されます。ファルケをはじめとするヒールさんの掲載作品は横山先生の目にとまり、ヒールさんと横山先生の交流がスタートします。
ワンダーフェスティバルでは国内外からさまざまな1/20ファルケのレジンキットが発売されました。レインボウエッグが2003年にワンフェスで販売したファルケを2008年に横山先生がリペイントし、ハセガワ製プラキット発売前にドイツ・ニュルンベルクで展示されました。
アーカイブ本第4弾鋭意進行中!!
収録回数が従来の2冊分となる「Ma.K. in SF3D ARCHIVE」第4弾は現在再編集作業中。誌面の都合で小さいスペースとなっていた写真はなるべく大きく、未公開写真も掲載した内容となる。MAX渡辺×横山宏スペシャル対談も収録。両氏のコメントも紹介しよう。
『Ma.K.』ファンにぜひとも2冊買ってもらって1冊はボロボロになるまで読んでほしいです!(MAX渡辺)
『Ma.K.』40周年の2022年に連載のまとめ本が2倍のボリュームで出ます。30回分で内容も濃いよ(横山宏)
Ma.K. in SF3D ARCHIVE Special 2013.7-2015.12 vol.4
●発行元/ホビージャパン●7700円、9月22日予定●A4判
WF2022[夏]『Ma.K.』アイテムレポート
2022年7月24日に千葉・幕張メッセで「ワンダーフェスティバル2022[夏]が開催された。ここでは一般企業ディーラーや当日版権ディーラーの中から『Ma.K.』アイテムの一部を紹介しよう。
「キチジョージ・モケイ展」レポート
2022年7月30、31日に東京・吉祥寺の「ギャラリー永谷」で「キチジョージ・モケイ展3」が開催された。横山氏の作品をはじめバラエティ豊かな展示品に会場は賑わった。
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