HOME記事工具・マテリアルクリアパーツをお手軽製作!ガイアノーツ「UVジェル」シリーズと模型マテリアルと組みあせた活用術をピックアップ【月刊工具】

クリアパーツをお手軽製作!ガイアノーツ「UVジェル」シリーズと模型マテリアルと組みあせた活用術をピックアップ【月刊工具】

2022.08.10

月刊工具 模型の入り口はいつの時代も工具から。 月刊ホビージャパン2022年9月号(7月25日発売)

UVライトの画像

UV硬化のマテリアルでクリアーパーツを使いこなそう

 毎回工具&マテリアルをピックアップしてお届けする好評連載「月刊工具」。今回はUV(紫外線)で硬化するガイアノーツのクリアー樹脂「UVジェルクリアS」、「UVジェルグルー」をピックアップ。プラ板やパテなどでは自作が難しい“クリアーパーツ”を手軽に作ることができるマテリアルになります。UVによって硬化する樹脂の特性、また模型シーンでの活用方法を解説していきます。

080 Product_name UV gel
解説/けんたろう、月刊工具スタッフ


▼実際に使用している動画もチェック!


塗布した見た目そのままに硬化するクリアー樹脂

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UVジェルクリアSの商品画像

UVジェルクリアS

●発売元/ガイアノーツ●発売中●1650円●15ml

UVライトの商品画像

UVライト

●発売元/ガイアノーツ●発売中●1100円

UVジェルクリアSの中身を出している画像
▲ ボトルの中身は粘度のある透明な液体
UVジェルクリアSをUVライトを使用して硬化させている画像
▲ この液体はUVレジン(紫外線硬化樹脂)で紫外線を当てることで硬化します。UVライトを60秒程度照射することで固めることができます。塗布した状態の見た目から変わらず透明なまま硬化するのでしっかりUVライトを照射して硬化させましょう
硬化したジェルを剥がした画像
▲ 硬化した際はくっついていますが、ジェルクリア自体は接着力を持たないので平面の上などであれば簡単にはがすことができます

「フレームアームズ・ガール バーゼラルド」(6930円)のフェイスパーツを使用

フレームアームズ・ガールのバーゼラルドのフェイスパーツに爪楊枝でジェルを塗布している画像
▲ このUVジェルは塗膜やデカールなどに影響しづらいため、塗装後のパーツのピンポイントな部分にクリアーを盛るといった使い方が可能です。このような場合は爪楊枝など先端が細いものを使用すると良いでしょう
フェイスパーツについた余分なジェルを拭っている画像
▲ 硬化させる前であれば拭うこともできます。自然光(紫外線)でもある程度硬化するので、長時間放置は注意。完全に拭う際はアセトンやアセトン入りの除光液を使用しましょう
フェイスパーツにUVライトを照射している画像
ジェルを硬化させたフェイスパーツの画像

▲ 対象に塗布できたらUVライトを照射して硬化させます。塗布したそのままに厚みのある光沢クリアーの層が出来上がります。女の子キャラクターやロボットの目、センサー部分等にレンズを重ねたような表現を手軽に行うことができます

UV硬化のクリアー接着剤

UVジェルグルーSの商品画像

UVジェルグルーS

●発売元/ガイアノーツ●発売中●1650円●15ml

impression

プラ板にUVジェルグルーSを塗布している画像
▲ こちらはUVジェルクリアSと異なり接着力を持ったクリアー樹脂になります。粘度はUVクリアジェルSと変わらずで同様に塗布することができます。これを使用してプラ板を接着してみます
プラ板を固定した部分にUVライトを照射いている画像
ジェルを硬化させたプラ板の画像

▲塗布した部分をくっつけ、固定した状態でUVライトを照射します。こちらも照射時間は60秒程度。硬化には樹脂にUVライトを当てる必要があるので、奥まった場所や光が通らないモノ同士の場合は接着する箇所を考慮しておきましょう。そのまま透明な見た目で硬化し、硬化することで対象をしっかりと接着します

エアモデルの翼にUVライトを照射している画像
▲ こちらもふき取り可能、また下地への影響がないので、塗装後のパーツを接着する際にも見た目に影響は出ません。特にクリアーパーツは白化するといった心配もなく、UVライトの光が透過して簡単に硬化させることができるのでこういった作業にはもってこいでしょう

UVレジンを取り扱う際は
下記に注意しておこう!

換気を忘れずに
UVレジンは硬化の際にガスが発生するので、作業中は窓を開けるなど換気を行いましょう

完全硬化するまでしっかりとUVを照射
表面に1層塗布したもので60秒が目安。厚めに塗布した際はそれ以上に照射して中まで硬化させるようにしましょう。硬化不良だと表面がべたつき、荒れてしまうので注意。また手に付着した場合はしっかりと水で洗い落としましょう

●硬化時の発熱に注意
UVレジンは硬化時に発熱し、量が多いほど発熱量も大きくなります。多量を一度に硬化させる際はかなり熱くなるため注意しましょう。厚く盛る、深さのある凹部分に充填するといったような作業の場合は複数回に分けて行うと良いでしょう。ジェルクリアは重ねて盛っても同化するため仕上がりに影響はありません。複数回に分けて硬化させることで硬化不良を防ぐこともできます

UVジェルクリアS+αの組み合わせで幅広く活用!

実際のキット製作におけるUVジェルクリアS、UVジェルグルーSと模型マテリアルを組み合わせた活用方法をピックアップ

クリアー層を追加で「シール」を1段階アップグレード

How to use

丸く抜いたホログラムフィニッシュに爪楊枝でジェルを塗布している画像
▲ ワンポイントの色や表情を加えることができるハセガワ「ホログラムフィニッシュ(曲面追従金属シート)」(1540円)を使用。シートをポンチで丸く抜き、丸の表面からはみ出ないようジェルクリアを盛ります(ホログラムフィニッシュ(曲面追従金属シートの商品詳細はこちら)
ジェルを硬化させたホログラムフィニッシュをピンセットでつかんでいる画像
▲ UVライトで硬化させてから剥がせば、レンズ状のパーツが出来上がります。レンズの反射もあって下地のホログラム調がよく出ています

「NOSERU[イエローVer.]」(3300円)を使用

NOSERUの右目にホログラムフィニッシュをつけた画像
▲ こちらをキットに貼ることで稼働状態のセンサーのような表現になりました。シールの上にジェルクリアを重ねることでレンズ状のクリアー層が追加され、見る角度で表情が変わる表現を加えることができます

クリアーレンズ&クリアー接着で「LED電飾」を手軽に追加

How to use

M151A2フォード・マットの画像
▲ タミヤ「1/35 M151A2フォード・マット」(1320円)のフロントライトを光らせてみます
フォード・マットの左ライトを開口している画像
▲ ライト部分をドリルで開口して、ナイフや丸ヤスリで少しずつ穴を広げて整えます
フォード・マットの左ライトにプラ板を装着してジェルで固定した画像
▲ LEDチップを固定するためのガイドとなるプラ材を接着。これで中央にLEDチップを固定しUVジェルグルーで接着しておきます。硬化しても透明なのでLEDチップを埋めるように塗布してしまっても問題ありません
フォード・マットの左ライトにミラーフィニッシュを貼り付けた画像
▲ 中央を四角くくりぬいたハセガワ「ミラーフィニッシュ」(1100円)を貼り、ライト内の反射部分を作ります(ミラーフィニッシュの商品詳細はこちら)
フォード・マットの左ライトをUVライトで照射している画像
▲ 最後にUVジェルグルーを塗布してからあらかじめUVジェルクリアで作成しておいたレンズパーツをはめ込んで硬化させます
フォード・マットの左ライトを点灯させた画像
▲ あとはお待ちかね、ライト点灯です。すべてUVジェルグルーで接着しているため、LEDの光を遮ることはなくキレイに発光させることができます

パーツに合わせてクリアーパーツを作成

How to use

 ブイトールの装甲の穴があいている部分の裏にセロハンテープを貼り付けてジェルを充填している画像
照射して硬化させた装甲の画像

▲ コトブキヤ「ヘキサギア ブイトール」(8580円、8月予定)を使用。キットの肩パーツの空間を埋めるクリアー装甲を作ってみます。まずはセロハンテープをパーツの後ろから貼りつけて漏れないようにしてからUVクリアジェルを充填します。透明なセロハンテープなら裏からでもUVライトが通るので、表裏両方からしっかり照射して固めます

セロハンテープを剥がしている画像
硬化させた装甲のジェルを取り外した画像

▲ 硬化したらセロハンテープをはがします。ジェルクリアは接着効果がないので、内側から押すとパチッと外すことができます。表裏と表面がべたついていなければ硬化も問題なしです

ジェルの表面を神ヤスで整えている画像
▲ セロハンテープの粘着面側で硬化した表面は若干透明度が下がっている部分があるので、2000番~10000番のヤスリで形状を整えると同時に磨いて透明度を高めます(神ヤス!の商品詳細はこちら)
ジェルをクリアグリーンで塗装しジェルでパーツに接着した画像
▲ 磨き終えたらクリアーグリーンで塗装して色つきのクリアーパーツにします。出来上がったらはめ込んでジェルグルーでパーツに接着します
腕のパーツのへこみ部分にクリアグリーンを塗布した画像
▲ 合わせてパーツの凹部分にもジェルクリアを充填します。こちらはあらかじめクリアグリーンを内側に塗って色をつけておきます
ジェルクリアを充填している画像
▲ ジェルクリアで凹部分を埋めていきます。一度に盛ると中が硬化しづらいので、2回に分けて充填、硬化作業を行います
▲ 完成。肩から腕にかけてクリアーグリーンのパーツを追加することができました。半透明なのでフレームが見えるキットの良さを活かしたディテールアップにもなっています

まとめ

 UVジェルクリアSは盛る、UVライトを当てるだけで簡単にクリアーパーツを作ることができるのはもちろん、下地に影響がなく、硬化後の加工も可能と幅広い場面で活躍します。そして仕上げの接着にはUVジェルグルーSが相性抜群でジェルクリアと同じくクリアーパーツを見た目に影響なく接着することができます。UVライトを片手に、UVマテリアルをつかったクリアー表現を行ってみましょう。

© KOTOBUKIYA ©MARUTTOYS

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