タミヤ1/48トムキャットは最強の筆塗りキャンバス!『トップガン』の名機「F-14A」を製作【筆塗りTribe】
2022.08.13エンジンノズルの筆塗り
大型ジェット戦闘機の特徴とも言えるエンジンノズル内の表現。ここは塗料をうまく使い分けて、リアルな表現としました。
ノズルの先は色味を変えます
プラスチックの塊だったものが、筆を動かすことでシームレスに「スケールモデル」になる瞬間がたまらないんです!
スケールモデルとゾイド
──記詩さんは両親も芸術系の方なんですよね
記詩:はい。そのおかげもあって小さいころから物を作るのが大好きで、プラモやおもちゃを楽しんでいました。父もプラモが好きでしたし、母もお仕事の関係で時には模型を作ったり、デザインの良いプラモの箱を収集したりしていました。
──記詩さんはどんな模型が好きだったんですか?
記詩:ゾイドとスケールモデルです。まずはゾイドなんですが、それこそ自分の人生を決定づけさせてくれたほど遊びました。プラスチックの色でほとんど完結していて、組み立てるだけでかっこいい模型が完成する。「色を塗らないで思いっきり楽しめるプラモ」があるという幸せ。組み立ても超楽しいですし、完成後ガシャガシャと遊ぶことがもできる……物作りの楽しさのすべてが詰まっていますよね!! この感覚で「ガンプラ」も楽しんできたので、ガンプラに関しても色を塗らずにあの「きれいな成型色」を楽しみながら遊んでいました。
それとは対照的にスケールモデルは、どうしても塗りたくなるプラモだったんです。僕は戦車模型をよく作っていたのですが、作った後に公園の砂場とか、家の床に置いたりして遊んでいたんです。その時にプラスチックの単色だとなんか寂しい……景色が繋がらない……と思って、遊びに行く場所に合わせて缶スプレーで好きな色で塗っていたんです。この時に「塗装する楽しみ」というのが芽生えたんだと思います。
筆塗りは、「絵」の雰囲気を模型に投影できる楽しさ
──筆塗りに目覚めたきっかけは何ですか?
記詩:僕はプラモの箱絵が大好きなんです。特に筆のタッチが残っているようなイラストは大好きでした。それを見て「こんな風にプラモを塗るのはどうすればいいんだろう?」と思っていたんです。そんな時に横山宏さんの『マシーネンクリーガー』に出会いました。横山さんが塗ったプラモには、横山さんが筆で描いている絵の雰囲気がそのまま投影されていたんです。缶スプレーでよく塗っていた自分は、そこから筆塗りにのめり込むようになりました。
実機ではなく目指すは「ボックスアート」
記詩:実機も大好きなのですが、それ以上にボックスアートが大好き! だからかっこいい箱絵のプラモはついつい買ってしまいます。そしてそのイラストの影や線をよく見て、プラモを塗って行くのが本当に好きなんです。今回のタミヤのトムキャットの箱絵もまるでキャラクターメカのように「青」が鮮やかでかっこよかったので、「この青をかっこよく塗りたいぞ!」と思いながら筆を進めました。
また、筆を通して何度も模型に触れると「筆が自分の体の一部」になっているような感じがします。そんな時に目の前の模型を塗っていると、プラスチックの塊だったものが筆のタッチで「スケールモデル」になってくる瞬間を体感できます。この瞬間がとても幸せで、「プラモの筆塗りって本当に楽しい」と思わせてくれるんです。
タミヤ 1/48スケール プラスチックキット