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ノモ研 「ちょっと推したい整形アイテム&Tips」【野本憲一モデリング研究所】

2022.05.03

野本憲一モデリング研究所 月刊ホビージャパン2022年6月号(4月25日発売)

ノモ研 「ちょっと推したい整形アイテム&Tips」【野本憲一モデリング研究所】

 今回は整形、加工にまつわる用品をいくつかピックアップし、各々の特徴やそれを活かした使い方について取り上げる。以前からお馴染みなアイテムではあっても、こんな使い方もアリ、といったところも含めて、利用のヒントにしてもらえればというものを選んでみた。

製作・解説/野本憲一


目詰まりにしくい、ヤスリ使い

 研磨力を保つのにペーパー掛けで“水研ぎ”をするのはお馴染みだが、他のヤスリでもモノによってはそれが行え、効果がある。

ダイヤモンドヤスリ

▲まず取り上げるのはダイヤモンドヤスリ。例はアルゴファイルの「ダイヤモンドテーパーヤスリDTファイル」(各2200〜3300円)。細い板状で先端側に薄くなるクサビ形状。平ヤスリとして面出しのほか、隙間にも使いやすい。幅は2、5、10mm。番手は#240、#400、#600、#800、#1000
▲金ヤスリ、紙ヤスリとの比較。金ヤスリは表面に立てられた“目”で削ぐように削るもの。ダイヤモンドヤスリは表面にコーティングされた“砥粒”で削る。そのため削るのに方向性がないなど、使い勝手や削り跡は紙ヤスリに近い
▲空研ぎでプラ材やパテ類を削ると砥粒の間に残りやすい。これはブラシや布で拭き取って回復できるが、細かい番手では難しいことも
▲こちらは水研ぎ。削る際の熱が逃げるので樹脂がこびりつきにくく、切削性が良い状態が続く。その点は紙ヤスリの水研ぎと同じ。基材がステンレスなので使用後は乾かしておけばサビの心配もない
▲合わせ目消しでの実践。瞬間接着剤(黒)をラフに盛った場合で、紙ヤスリなら当て木が必要なところ。それを平のダイヤモンドヤスリ#240を使い水研ぎすることで、手早く、安定した切削が行える
▲凹んだ狭い面での整形も角やフチを使えば、ある程度対応できる。そこは削るのに方向性がない点や、安定した切削力が活きる
▲#240での切削面。パーツ表面へのキズを深くしたくないので、瞬間接着剤の盛り上がりをならせたところで止めている。このあとのならしは細かい番手で
▲#600でほぼならし終えたところ。合わせ目付近が滑らかなこと、また浅く角度が変わる面も歪みなく整えられている。段差部分はヤスリの側面を使って対応できた

ガラスヤスリ

▲100円ショップ(Seria)で購入したネイル用ガラスヤスリでも、上の例に近い切削が行える。ヤスリ面は磨りガラスのような粒でザラ付いた状態。ハードが#320、ソフトは#600程度の切削感
▲合わせ目埋めの整形に使ってみる。粒で削る点での使用感は同様。空研ぎよりも水研ぎのほうがスムーズに切削が続けられる。ユニークなのは切削している面が透けて見えること
▲ハードでの切削跡。用途としては凹凸をならす段階に向いている。このヤスリ自体の幅は約12mm。側面はラウンドしており、そこでも削ることができる
▲ソフトでの整形後。細かな切削跡が見える程度で、塗装前提なら充分な滑らかさといえるだろう

ステンレスヤスリ

▲シモムラアレックのステンレス製ヤスリ「シャインブレード」(3740円)。一本で複目(#400相当)と単目(#1000相当)の二面が使える樹脂専用ヤスリ。ヤスリ目はU字溝に切削加工され、一般的な金属ヤスリよりも目詰まりしにくいものになっている(シャインブレード)
▲複目での切削例。素材は3Dプリントの積層跡が残るABS部品。段差が切削されつつも、切削キズは深くない様子がわかる
▲さらに、単目側で仕上げたモノ。ならされた面は光沢感が出るほどになっている。一般に単目は目詰まりしやすい傾向があるが、このヤスリでは指で払うだけでも削りカスが取れるほどでもある
▲ステンレス製ということで、水洗いで削りカスを洗い落とすこともでき、このような状態に戻る。ちなみに“水研ぎ”も試してみたところ、一段とスムーズな切削が行えた

目詰まりの対処

▲金ヤスリに削りカスがこびり付いてしまった場合の対処法。例は小型の金ヤスリ。細かい溝に固まってしまうとブラッシングでは取れず、ナイフなどで溝を擦るのも難しい
▲こんな場合はツールクリーナーにつけ置き。数日以上、そのまま放置しておくだけで、樹脂分がふやけるなどしていずれ剥がれ落ちていく。グリップのラバーゴムは浸らなくても軟化するので、それは外しておく(Mr.ツールクリーナー 改)
▲こびりつきがなくなった状態。半透明な付着物は瞬間接着剤が剥がれたもの
▲キレイになった表面は防さび油や切削油などを塗って、表面を保護しておくといい。ベタつかない程度に拭き取っておく

カップ型ビットで整形

 棒材の先は少し角を落としてやると刺すにも露出させるにもいいが、そんな加工に便利なビット。

▲お椀型の内側に刃がついたビット。右の2本は「プラ棒面取り用カップカッターセット」(Φ2.3、Φ3.5)アルゴファイル/1320円。大きいほうはΦ6.0の単品。径の表記はカップの外径なのに注意。内径はそこから-1mmほどが目安になる
▲軸の先端が真っ平らだと、ピッタリの径には入れづらいことがある。こういった軸の角をナイフやヤスリで削るのもちょっと手間だが、ビットならこんな場所も楽に作業できる
▲軸先が収まるカップ型ビットをピンバイスに装着し、先端に当てがい手回し。ぐるぐると数回ひねる程度で加工できる
▲軸先が削られ、テーパーが付いた先端になった。ちょっとした加工でも、繰り返し行う場合にはこうしたモノがあると便利
▲切削面は球状カップなので、太めの軸なら切削部は立った角度に、細ければ浅い角度に削られる。モールド部品として利用するにはそんな違いも利用できる。カップ内には削りカスが溜まりやすい点にも注意
▲プラ棒の先を整える場合はピンバイス側を机に立てて、棒材を回すほうが向きを揃えやすい
▲先を丸めたい場合はモーターツールに取り付け、棒材も当てる角度を変えつつ指で回す使い方。樹脂が溶けてビットにこびりつかないよう、低回転で行う

金属線の加工

▲真鍮線など金属線の加工も行える。その際はビットに切削油を塗布しておく。刃先を痛めにくく、よく削れる

ポンチ/パンチ

 打ち付けて跡を付けたり、くりぬくための工具。ここでは極小リベット表現に使われるものや、クラフト系パンチを取り上げる。

▲ウェーブの「HGマイクロリベットパンチ」(2838円)。中心部が凹んだ先端を押しつけ、「◎」(枕頭鋲)のリベット跡を付けられる工具。彫金用の“ミルタガネ”の一種。樹脂製のハンドル(グリップ)が付属(HG マイクロリベットパンチ)
▲パンチは23本。先端の直径は0.25〜1.35mmで0.05mm刻みとなっている。この製品ではパンチ部がステンレス製なのも特徴(スチール製はサビがつくこともある)
▲プラパーツに押しつけるとこのようにモールドされる。パンチ先端の凹みは円錐状。穴開けポンチのように鋭く刃になっているわけではない。リベット部は少し角が落ちたようなモールドで、円形のスジ彫りとも違った表現。この例はΦ1.30
▲使い方その1。パンチ軸をハンドルに差し込んで、面に対して垂直に当てがい、押しつける。プラ部品の上では先端が滑ってしまうこともあるので注意
▲使い方その2。パンチのみを使って、軽作業用のハンマー等で打ち付ける。打ち付けるといっても軽く叩く程度。パーツを安定させておくのも大切
▲そのモールドの仕上がり。小さな径(Φ0.50)だがシャープな◎になっている。一定の条件で数多く行うならこちらの方法が楽
▲各サイズをモールドしたサンプルを作っておくと、キットパーツと比較でき、径の選択がしやすくなる。この例では押しつけたままの列と、スミ入れした状態にしている
▲打ちぬき用ではないが、そうした用途も試してみた。マスキングテープに各サイズを押しつけている。台にもある程度硬さがあったほうがいいためプラ板に貼っている
▲やってみると案外抜けてくれた。打ちぬき用ほどの切り口がシャープでないのはやむなし。打ち抜いた円形は0.6〜7mmから上のサイズは使えるが、小径はプラ板面に埋まりがちで扱い難い
▲プラシート(0.1mm)でリベット状の打ちぬきも行えた。薄い山なり形状になるので、そんなリベット表現に使えそう。金属ブロックなど堅いモノを台にすると力が逃げず打ちぬきがうまくいきやすい
▲手動式のパンチは最近ではディオラマ用の葉っぱやモールド部品の打ちぬきでもお馴染み。この例は単純な円形で、電動ポリッシャー用の紙ヤスリをぬくのに使っているもの。14mmはダイソーのクラフトパンチNo.5。15mmはカール事務機のクラフトパンチ
▲裏返して使うと抜かれる位置が分かりやすく、素材を効率良く使える。写真はプラ板をぬいているところ。0.5mm板までぬくことができた

穴あけポンチの利用

▲スタンダードな打ちぬき用ポンチの使用方法も補足。これは0.3mmのプラ板をぬいている例。刃先を垂直に立て、強く押しつけて少し回転させる

▲ポンチの先端に詰まった場合は裏側の穴から棒を差し込んで取り出す。表から突いたり歪ませないよう注意

光硬化パテ、時短な使い方

 短時間での硬化に加え、整形の手間も減らす使い方。

▲タミヤの光硬化パテは直射日光や蛍光灯で1〜2分で硬化するもの。ネイルなどに使うLEDライト(405nm)を組み合わせるとさらに短時間(数十秒)で硬化でき、使い勝手が高まる。LEDライトは100円ショップ(Seria)で入手したモノ(タミヤ光硬化パテ)
▲LEDライトで硬化させたもの。本来の使い方だと厚みは2mm近くまで硬化できるが、この場合は表面側の0.5〜1.0mm程だけの硬化に留まってしまう。それでも余分に盛らない方法をとればヒケなどを埋めるには充分だろう
▲余分も盛らないためには透明な素材でパテ表面を覆ってしまう。曲面ではラップやポリ袋の切れ端、単純な湾曲はクリアファイルやブリスターパック、平面ではPP板やガラス板など
▲覆って硬化させるメリットはもうひとつ。左はそのまま硬化したもので表面にベタ付きが残っている。右はポリ袋で覆ったものでベタ付きがない状態となっている。表面を拭き取ったりしないで済む
▲ヒケのあるパーツで埋めの実践。囲み部分にヒケが見える。パテを塗る面は食い付きを助けるために、ヤスリ(#180〜400)やナイフなどで傷をつけておく(足付け)
▲ヒケ部分に光硬化パテを盛り、ポリ袋の切れ端を巻くように覆った。この状態でLEDライトを当てて硬化させる。これは曲面の例で、平面にしたい面なら透明な板を重ねるだけで済む
▲硬化した表面。ヒケの周囲に薄く盛られているので、整形も僅かで済む。周辺へのハミ出しは足付けしていないところなら簡単に剥がせる
▲紙ヤスリで表面を整え、ヒケのない仕上がりになった。ここの整形はカンナ削りなど刃先を使うとパテを浮かせる危険もあるので、砥粒で削るものがいい

パイプカッター

 パイプ材を扱うなら持っていたい工具。ノコなどで切るよりも切断面を垂直に整えやすい。

▲パイプカッターはダイヤルを回して円形刃の位置を調整。刃と対面のローラーで咥え、切り込んでいく。切断の他、棒材へのスジ彫りにも利用できる。左はウェーブのHGパイプカッター。右はノーブランド品。これは側面が平らなのがポイント(HGパイプカッター)
▲切断中の様子。円形刃とローラーで咥えた状態で、パイプを回転させ外周に細いキズ(ミゾ)を付けるように動作。ダイヤルで刃の位置を少し締め込んではパイプを回転。これを繰り返し、徐々に深く切り込んでいき切断する。なお、透明プラパイプは割れやすくこうした切断には向かない
▲パイプが薄い場合は咥える力で歪んでしまいやすい。その場合は芯材を通して補強して歪みを抑える
▲パイプカッターの側面が平らだと台において、切り出す長さの目安に使える。この例は刃の位置と本体側面までが9.5mmだった。そこで本体の下に0.5mm板を入れ、パイプを台に当てがいつつ切ると長さ10mmに切れる、といった具合
▲切り出す長さのガイドを自作した例。3Dプリントで簡易なスケールとストッパーを製作。これを刃の固定側に取り付けるスタイル
▲その使用中。切り出す長さに合わせてストッパー側を固定。そこにパイプ先を当てがい、あとは通常の使い方。ここまでするのは特殊な例だが、自分にとっては便利な道具となっている
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野本憲一(ノモトケンイチ)

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