HOME記事工具・マテリアル誰でも手軽にできる水性ミニチュア塗装!水性塗料「ファレホ」&サポートアイテムで筆塗りをしてみよう【月刊工具】

誰でも手軽にできる水性ミニチュア塗装!水性塗料「ファレホ」&サポートアイテムで筆塗りをしてみよう【月刊工具】

2022.04.13

月刊工具 模型の入り口はいつの時代も工具から。 月刊ホビージャパン2022年5月号(3月25日発売)

水性塗料「ファレホ」&筆塗り用アイテムでミニチュアを製作してみよう

ファレホを使用したミニチュア塗装のメイン画像

 水性塗料でおなじみ「ファレホ」をピックアップし今回は「ミニチュア塗装」に焦点を当てて役立つアイテムをご紹介&実践していきます。

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解説/けんたろう、月刊工具スタッフ


▼実際に使用している動画もチェック!



ミニチュア塗装に使用するアイテム&役立つアイテムをそれぞれチェック!

水性塗料「ファレホ」は濃度別に見分けて色を揃えよう

ファレホの濃度は主に3種類

モデルカラーとメカカラーとモデルエアーゲームカラーの比較 塗料を紙に出した画像
塗料を出した紙を傾けて流れ具合を比較している画像

 多くのシリーズがある水性塗料「ファレホ」ですが、塗装用の色は大きく3種類で筆塗り用、エアブラシ用、そして両方に対応した中間の「メカカラー」と濃度別に区別できます。3種を同量出して傾けると2枚目の画像の通りに一番流れるのがエアブラシ用、まとまりつつもゆっくりと流れるメカカラー、そしてしっかりと粘度があって動かないのが筆塗り用となっています。塗装したい方法にあった種類の塗料から使用したい色をそろえましょう

モデルカラーとゲームカラーとパンツァーエースの商品画像
モデルカラー
ゲームカラー
パンツァーエース

 筆塗りに適した塗料。ベーシックなモデルカラー、ファンタジーミニチュアに適した色をそろえたゲームカラー、ミリタリーモデルに向いたパンツァーエースの3種類

メカカラーの商品画像
メカカラー

 筆塗り、エアブラシ両方で使用できる中間の濃度の塗料。キャラクターキットなどに最適な色調が厳選されているので、ファレホに最初に触れるなら、このカラーがオススメです

モデルエアーとゲームエアーの商品画像
モデルエアーゲームエアー

 エアブラシ塗装用に希釈済みの塗料。エアブラシのカップに直接注いで使用できます。筆塗り用にも同色がラインナップされているので用途で使い分けることができます

ファレホ

●発売元/ファレホ●販売元/ボークス●発売中●319円~●各17ml

筆は塗料を含みやすい中細~太がオススメ!

造形村スペシャルブラシの青05中細と青07太の商品画像
青05中細と青07太の穂先の比較画像

 細かな塗り分けの多いミニチュア塗装ではより細い筆が良いのではと思うかもしれませんが、そのぶん塗料の含みが少なくなるため乾燥が早く、筆先のコントロールが難しかったりします。まずは塗料の含みも良く広い面積も塗れる中細~太の筆がオススメ。含みが良いぶん筆先のまとまりも安定し、細かな部分まで1本でオールラウンドに使用することができます

造形村スペシャルブラシ 青05(中細)青07(太)

●発売元/ボークス●990円(05)、1210円(07)

下地スプレーで筆塗りを快適に

ホビーペイントスプレーの商品画像
黒色のホビーペイントスプレーをミニチュアにふいている画像

 レジンキャスト製のキットに限りませんが、下地を塗っておくと筆塗りの塗料のノリがとてもよくなります。ホビーペイントは下地用として9種類の色があり、上に塗りたい色に合わせて使うとよりキレイに発色させることができます。最初は黒か白の汎用性の高い色から揃え始めるとよいでしょう

ホビーペイントスプレー

●発売元/ファレホ●販売元/ボークス●発売中●各1430円●400ml

ウォーターパレットで塗料を長く使用

ウォーターパレットの商品画像
スポンジに紙コップで水を含ませている画像
水を含ませたスポンジの上にパレットを置いた画像

 塗料を使う時は皿やパレットに出しますが、こと水性塗料に関してはウォーターパレットがオススメ。紙パレットの下にスポンジがあり、そこに水を含ませることで紙を通してパレット上の塗料へ常に水分が供給され乾燥を防いでくれます。塗料が長時間使えるようになる革命的アイテムなのでぜひ用意しておきましょう

ウォーターパレット

●発売元/造形村●販売元/ボークス●発売中●550円

ミニチュア塗装に特化した持ち手アイテム

ミニチュアグリップver.3の商品画像
ミニチュアグリップを左手で握っている画像
コルクの切れ目部分の画像

 模型を塗装するときは塗っている部分を触らないようにするために持ち手をつけたほうが何かと安全です。ミニチュア塗装でも、持ち手を使うことでより扱いやすく、塗りやすくなります。ボークスではドイツ「PK-PRO」社製のミニチュアグリップを販売していて、このグリップは指を添えるサポートバーや固定用に切れ目の入ったコルクが付いているのが特徴です

ミニチュアグリップver.3

●発売元/PK-PRO社●販売元/ボークス●発売中●各4972円

「ゲームカラー」を使用してミニチュア塗装に挑戦!

 今回は「塗るガレ」シリーズの「ドラゴネッツズメイ」(3850円)と「ワールドミニズ」シリーズのゼロテ社製「忍者蛙レン」(4180円)を塗装実践。どちらもレジンキャスト製のキットです。立体感が抜群で筆塗りにもってこいのキットになっています。ミニチュアキットとのことで「ゲームカラー」を使用し、それぞれ面相筆1本でミニチュア塗装ニ本勝負、いってみましょう。

ドラゴネッツ ズメイ 編

How to use

ズメイの画像
ズメイにホビーペイントで下地塗装した画像

▲ ズメイはレジンキットではおなじみのアイボリーの成型色です。下地はホビーペイントスプレーでブラック→ホワイトの順に吹き軽いグラデーションをかけて、先に明暗を作っておきます
(ホビーペイントスプレーブラック)(ホビーペイントスプレー ホワイト)

ズメイの土台に真鍮線を刺している画像
ズメイをミニチュアグリップに固定させた画像

▲ 裏に穴をあけて真鍮線を刺し、ミニチュアグリップで保持する部分をつくっておきます。グリップのコルク中央に切れ目があるので、そこに真鍮線をはさむことでミニチュアを保持できます

ウォーターパレット上にゲームカラーのゴールドイエローを出した画像
筆にとったゴールドイエローをズメイの首元に塗布している画像

▲ ウォーターパレットを準備したら塗装開始です。まずは黄色で本体の頭、体などを塗っていきます。先にグラデーションを施してあるので、単一色で塗ってもある程度陰影がつきます

ウォーターパレット上でゴールドイエローとホットオレンジを筆で混ぜている様子の画像
ゴールとイエローとホットオレンジの中間色をズメイに筆で塗布している画像

▲ ウォーターパレット上でオレンジと黄色を混ぜて中間色をつくり黄色部分のスミ入れ色を作ります。少量混ぜた部分でもしっかり保湿してくれるのでウェットパレットはこうした混色した塗装時にも便利です

ホットオレンジを鱗に筆で塗布している画像
▲ そのままオレンジに色を変えてウロコの部分や背中などを塗ります
ゴーリーレッドを翼の内側に筆で塗布している画像
▲ 翼の内側の赤などは塗りづらい位置ですが、ここで筆の先端のまとまりの良さが輝きます。こんな奥まったところでもしっかり筆が入り込み塗装できます
筆で瞳にハイライトをいれている画像
▲ 最後は筆先を細く整えて、目のフチや瞳、ハイライトを塗っていきます。パレット上に出した色は乾燥しにくく何度も塗り直しできるので、失敗を恐れず何度かリタッチしながら、良いと思うまで塗装してみましょう
塗装を終えたズメイの全体画像
▲ ズメイ完成です。ドラゴンの幼体というコンセプトで小さくてかわいい仕上がりです。筆塗り向きの立体感あふれる造形、これが1日でできるのですから大満足です。黄色に限らず好きな色で塗ってみるのも楽しいでしょう

忍者蛙レン

How to use

忍者蛙レンの画像
忍者蛙レンにホビーペイントで下地を塗布した画像

▲ 「忍者蛙レン」はグレーの成型色です。こちらは本体と屋根のふたつに分けて下地塗装。本体はホビーペイントでブラック→ホワイトで屋根はブラックのみにしました
(ホビーペイントスプレーブラック)(ホビーペイントスプレー ホワイト)

忍者蛙レンの口布を筆で塗布している画像
▲ ベースとなる暗めの緑(ヘビーグレー)や紫(ダークブルー)、灰色などを全体に塗ったあと、影になる部分を黒を少量混ぜた色を各色で作って塗っていきます。「忍者蛙レン」のほうは色分けがシンプルなぶん、色の中での明暗に挑戦してみます
忍者蛙レンの目元や口布にハイライトを筆でいれている画像
▲ 本体色と影色が塗れたら一段明るい色(緑:カモフラージュグリーン、紫:ヘックスドライケン)を造形の出っ張っている部分を狙ってハイライトとして塗ります。他にも光があたる上面など形を強調したい場所に塗りましょう
塗装を終えた忍者蛙レンの全体画像
▲ 最後に土台は黒下地が少し残る程度に茶色、灰色をサッと重ねて塗り、上にレンを乗せて完成です。瞳の表現はパッケージのイラストを参考に描いて仕上げてみました。ファレホの鮮やかな色のポテンシャルを楽しみつつ、ベース色と影色、ハイライトの表現が決まると達成感があります

まとめ

使用したしたアイテムとズメイをならべた画像

 水性塗料による筆塗りは、匂いも気にせず手軽に挑めるところが魅力です。ウォーターパレットがあれば長時間の作業でも塗料を出したまま、混ぜた色も保湿してくれるのでマイペースで塗装できます。その他にもグリップや下地塗料など筆塗りを快適にするアイテムが豊富にあるので、ひとつふたつと揃えてみましょう。どんどん塗装が楽しく、またやるほど上達します。立体感あふれるミニチュアも塗るのにちょうどいいサイズで、まずはシンプルに塗り分けて仕上げるもよし、そこからこだわってさらに塗りこんでもよしと、2度も3度も楽しむことができるでしょう。


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