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“隙間を埋める” “形を変える” プラ板の様々な活用法をご紹介!

2022.04.21

パテとプラ板でできること 月刊ホビージャパン2022年5月号(3月25日発売)

“隙間を埋める” “形を変える” プラ板の様々な活用法をご紹介!

 私が主に使用しているプラ板は0.3、0.5、1.0mm厚です。加工のしやすい厚さを使っています。タミヤのプラ板はB4サイズ(364×257mm)の大きさなのですが、作業スペースに合うよう5cmの幅で切り出したものを使って作業をしています。このくらいの幅だとT定規が使いやすいのです。ガンプラでは首やハンドパーツの目隠し、腰可動部の隙間を目立たなくするための工作に使用しています。あまり厚みを見せたくないときにはプラペーパー(0.1mm厚、0.2mm厚)を使いパーツに貼り付けてディテールアップすることもあります。いろんな厚みを組み合わせることで立体感が増して見えるのです。


プラバンセット

●発売元/タミヤ●462円●30cm×12cm(0.3mm厚2枚、0.5mm厚2枚、1.2mm厚1枚)※写真は5枚セットのものです

プラ=プレート【グレー】
0.3mm厚、0.5mm厚、0.8mm厚、1.0mm厚

●発売元/ウェーブ●各418円●18.2cm×25.7cm(B5サイズ2枚)

実践 肉抜き穴を埋める

 今度はプラ板を使って、同じくガードロボ脚部の肉抜き穴を埋めてみましょう。パテよりも精密な作業が必要になりますが、プラどうしなので接着の相性もよく、最終的な表面処理はパテよりも楽なので、プラ板やプラ材(プラ棒など)を穴埋めに使うプロモデラーも多くいます。

▲肉抜き穴のサイズを測り、同じ幅にプラ板を切り出します。先端は穴に詰め込みやすいように斜めにカットしておくと便利です
▲まず縦にプラ板を詰め込み瞬間接着剤で固定。空いた隙間には、幅に合う厚のプラ板をクサビ形にカットし押し込んで、接着して埋めてしまいます
▲はみ出したプラ板をニッパーで大まかにカットした後、デザインナイフで整形→紙ヤスリで表面を整えれば穴埋め完了です

実践 幅増しをする

 次にプラ板ならではのテクニック「幅増し」を実践していきましょう。幅増しが簡単なモナカ構造の1/144ガンダムの太モモパーツを使用します。

▲1/144ガンダムの太モモパーツは、単純な左右パーツの竹割構造になっています。幅増し作業にはもっとも適したパーツ構造といえるでしょう
▲太モモに合う幅にプラ板をカットし、パーツを置いて鉛筆でアタリを付けます。今回は2mm幅増ししたいので、1mmプラ板から2枚切り出します
▲プラ板の切り出しにはプラ板専用のカッターを使います。ハサミタイプだと定規がなくても正確にカットできます
▲切り出したプラ板パーツに貼り合わせる前に下のほうの接続軸を切り飛ばしておきましょう。こちらは刃が丈夫なニッパーなどで切り飛ばせば問題ありません
▲上の軸は股間軸の接続用なので、そのまま残します。こちらはプラ板に穴を開けて通すことで対応します
▲準備が整ったら接着ですが、その前にプラ板の表面を400番程度の紙ヤスリでならしておきます。これは表面を荒れさせ接着剤を食いつきやすくするためと、めくれあがった切り口をならすためです
▲プラ板を2枚重ねて接着し、それを片方のパーツに接着します。ここでは瞬間接着剤を流し込み接着・固定しました
▲もう一方のパーツの位置をしっかり確認して接着・貼り合わせます
▲大まかにニッパーで余分なはみ出しを切り取ります
▲あとは金属ヤスリで表面をならし、400番程度のヤスリスティックで整形すれば完成です

プラ板カットの強い味方

 プラ板の切り出しと言えば昔はスチール定規にカッターナイフが定番でしたが、最近はユニバーサルカッターのような、グリップ付きのカッターが主流になりつつあります。刃の長さまでなら定規がなくてもまっすぐ正確にカットできるので、1本持っておくことをオススメします。

実践 延長する

 幅増ししたパーツを使って、今度は延長工作を施してみましょう。延長の場合は、いったん延長したい部分でパーツをカットする必要があるので、少し難易度は高めになります。

▲延長する際のパーツカットはなるべく真っすぐに、正確に行ったほうが後々楽です。写真のようなカッティングガイドボックス(ウェーブ)をひとつ用意しておくと重宝します(レザーのこ&カッティングガイドボックス)
▲カッティングガイドボックスを使って延長したい部分をレーザーノコでカットします。刃を手前に引いてカットするとキレイな切り口で仕上がります
▲カットできたら先ほどの幅増し工作と同じ要領でプラ板を切り出し接着します
▲余分なはみ出しをカットしヤスリで整形したら完成です。キット素組み(写真左)と比べると、ずいぶん逞しい太モモになりました

プラ板ならこんなこともできちゃいます!

 薄いプラ板を使えば風になびくマントも自在に作れてしまいます。ここでは、月刊ホビージャパン2019年7月号で紹介したurahana3のマントの作り方をご紹介しましょう。

▲0.25mm厚のプラ板とエンボスヒーターを用意します。プラ板は0.25~0.3mm厚がもっとも作業がしやすいとのこと
▲マント状にカットしたプラ板にエンボスヒーターを当てて熱を加えていきます
▲熱で柔らかくなったプラ板を、時に指で曲げてシワを作れば、風になびくマントの完成です。パテで作るよりも薄くできます

プラ板加工にこんな便利グッズも!

 最近発売され話題となっているのが、ウェーブのHGディテールパンチ。穴あけパンチと原理は同じですが、ギザギザの刃が備わっており、0.3mm厚以内のプラ板を連続的な形状にワンタッチで打ちぬけるスグレモノ。装甲や外装内側のディテールに活用してみては?

HGディテールパンチ四角

●発売元/ウェーブ●1980円●刃の形状により各種あり

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