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ちゃんと知っておきたい模型用ニッパーの基礎【工具・マテリアル 2022】

2022.04.05

模型工作で一番使う「ニッパー」の選び方 月刊ホビージャパン2022年5月号(3月25日発売)

ちゃんと知っておきたい模型用ニッパーの基礎【工具・マテリアル 2022】

ニッパーのよく切れるポジションについて

真ん中で切るべし

ニッパーのスイートスポット
ゲート切断

▲ ニッパーは刃の「真ん中」がスイートスポットと言われています。なので、パーツを切り離す時は先端より中腹を使いましょう!

ただし例外もあります

ゲート切断例外
切れ味の良いニッパーの先端で切断したパーツの画像

▲ 切るべきゲートがほぼないタッチゲートに関しては、切れ味の良いニッパーの先端を使うとかなりキレイに切れる…という経験則を紹介しておきます。どちらのテクもあくまで自己責任ですが、ゲートによっては基本とそれをズラした使い方もできます

二度切りってなんのためにやるの?

ゲートを残してランナーからパーツを切り出している画像
残したゲートをニッパーで切断している画像

▲ 一度目はゲートを残してパーツをランナーから切り取り、ニ度目でゲートの残りを切る「ニ度切り」。模型誌などでは基本的にこのやり方が推奨されていますが、理由としては一番断面がキレイで白化を防げるから、です

パーツにニッパーを寄せて切り出している画像
▲ ではいきなりパーツにニッパーを寄せて切ってみると何が起きるか…という例も見ておきましょう。まずランナーが入り組んでいてニッパーが入れにくい! なおかつしっかりパーツに刃が寄せられているかも確認しづらくなります

こうならないために…

パーツにニッパーを寄せて切り出したパーツの画像
▲ かろうじてパーツに寄せることができて、ゲートの余分が発生しない状態で切ることができましたが、ナナメに刃を扱ったのでゲートを切った部分の断面もナナメになっています。また、変な力の入り方でパーツを白化させてしまうリスクも伴います。ミスしてパーツがえぐれたりうまく切れなかったりしたら却ってリカバーに時間がかかってしまうので、一発切りはオススメできないわけです

やはり例外はあります

太いクサビ状のゲートの画像
ニッパーで太いクサビ状のゲートを切断している画像
太いクサビ状のゲートから切り出したパーツの画像

▲ ただし、やはり例外は存在します。たとえばこうした太いクサビ状のゲートがある場合。切れ味にもよりますが、ゲートを切ろうとしたときにニッパーの刃が滑ったりしてゲートがえぐれることもままあるので、一回で切ってしまっても良いでしょう


「二度切りしない」という選択肢

 ニッパーでパーツを切り出すとき、現在は二度切りが標準技法として推奨されていますが、表面処理して全塗装するのであれば「直切り」が時短テクニックとして効果的な場合もあります。今回私が直切りを活用しているポイントについて解説します。

●解説/林 哲平

薄刃ニッパーでパーツを切り出している画像
▲ ニッパーの直切りに向いているのはタミヤ薄刃ニッパーのような模型用両刃タイプのニッパーです。刃の薄さと強度にバランスが取れているので、直切りしてもニッパーの刃が欠けることはまずありません
直切りしたパーツの画像
▲ 直切りした状態。ゲート跡が多少えぐれて白くなり、二度切りしたときよりも目立っている状態ですが……
ゲート跡ヤスリ掛け
▲ ゲート跡を400~600 番紙ヤスリで削り込みます。表面処理で面出しするついでに、荒れ気味の直切りゲート跡も一緒に平らにならしてしまいましょう
表面処理を施したパーツの画像
▲ 表面処理が終わった状態。直切りしたゲート跡は完全に消え、上から塗装してしまえばまったくわからなくなります

 作業量が多い全塗装前提で作業を進めているとき、いちいち二度切りしているとどうしても時間が余計にかかってしまいます。ゲート跡はヒケやパーティングライン、合わせ目など処理するとき、一緒に消せばOKです。成型色を活かす簡単フィニッシュや素組みで楽しむなら二度切り、全塗装して表面処理するパーツならば直切り、と使い分けるとより時間を有効活用できますよ。


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