約40年ぶりに『マクロス』のリガードがキット化! 早速キットレビュー&作例をご紹介
2022.04.1940年の時空を超えて甦ったマクロスの“もうひとつの顔”
これまで可変戦闘機を中心に展開していたハセガワからまさかのリリースとなったゼントラーディ軍ワンマン戦闘ポッド「リガード(標準量産型)」。アニメ放送当時にイマイから発売されたもの以来となり、約40年ぶりのプラキット化となる(イマイのキットは現在BANDAI SPIRITSが金型を引き取って生産)。この時空を超えて復活したキットをベテランモデラー、渡辺圭介がレビュー。キット形状は活かしつつ、さらに完成度を高める製作法を解説していくのでぜひ参考にしていただきたい。
アーマード バルキリーに続いて、ハセガワより1/72スケールのリガードが発売。周辺メカがキット化されるのは非常に喜ばしいですね。はるか以前に他社から出ていたリガードもなかなかによかったのですが、やはり時代の流れには勝てません。
■製作
アーマード バルキリー同様に、ほとんどのパーツがアンダーゲート仕様でパーツの合いもモールドも文句なくすばらしい出来です。今回はセンターのセンサーアイを光らせるべく、市販のLEDユニットを仕込みました。参考になればどうぞ。
■胴体
目玉のようなセンサーアイにLEDを入れるべく加工していきます。使用するのはBANDAI SPIRITSのLEDユニット。キットのパーツ(A4)にLEDが入るようにセンターの穴を3mmのドリルで大きくします。LEDユニットに干渉するフレーム(R9、V2)は外装パーツの接続部分等を残しながらカットしておきます。A4パーツ自体はスイッチや電池の交換が楽にできるようにマグネットで取り外し可能にしています。
組立説明書には記載されてませんが、外装の赤塗装指定の丸部分はキットに付属するクリアーパーツ(CC4)に置き換えることができます。まずは1mm程度のドリルで目安となる下穴を開けます。途中、2mm程度のドリルも使用しつつ、3mmまで穴開けをします。ここまででしっかりセンターに穴が開くように調整しましょう。最後に3.2mmのドリルを使って仕上げます。軽いバリはヤスっておきます。透明パーツを接着し、裏側にラピー等のメッキテープを貼ると反射が生まれて効果的です。
最後に各外装パーツは合いの調整をして合わせ目を消しました。クリアーの部分はマスキングして塗装に備えます。
■脚部
脚は合わせ目を消したいので、後ハメ加工をしたいところ。裾の赤丸のクリアーパーツは胴体のようにマスクしてもよいのですが、位置的に塗装後にはめられそうなので少し手を加えます。クリアーパーツ自体の奥行きが深いのでカットして短くし、反射板としてメッキシルバーを塗った丸モールドを接着しました。そのクリアーパーツを接着するとして、つま先のストッパーにもなっている板部分が干渉するのでカットして溝を彫り、代わりに自作したプラ板を最後にスライドして接着するようにしました。外側のパーツは上のピンを、内部パーツは上部のふくらみを少し削ってやることで後ハメ可能になります。
足首関節は肉抜きをプラ板でふさぎ、ボールジョイントの段差を埋めました。かかとにあたるサイド部は内側に段差があったので面一にしてスジ彫りを追加。靴裏のバーニアは開口して市販パーツを接着しています。
■塗装
白=MSホワイト
青=ライトブルー(Mr.カラー)+MSホワイト
グレー=ミディアムグレー(ガイアカラー)
白と水色なのでおもちゃっぽく見えないようにしています。エナメル塗料でスミ入れし、全体的に少し汚れた感じにテクスチャ汚し。キット付属のデカールを貼って最後にツヤ消しを吹いて完成です。
ハセガワ 1/72スケール プラスチックキット
リガード(標準量産型)
製作・文/渡辺圭介
リガード(標準量産型)
●発売元/ハセガワ●3300円、発売中●1/72、約22.5cm●プラキット
©1982 BIGWEST
渡辺圭介(ワタナベケイスケ)
渋めの仕上げを得意とするベテランモデラー。豊富なテクニックを持ち、レビューからスクラッチまで幅広く活躍。