HOME記事ガンダム新生「MGドム」を大河原邦男の『哀・戦士編』ポスター風にディテールアップ!

新生「MGドム」を大河原邦男の『哀・戦士編』ポスター風にディテールアップ!

2022.04.17

MS-09 ドム【BANDAI SPIRITS 1/100】●只野☆慶 月刊ホビージャパン2022年5月号(3月25日発売)

MS-09 ドム MS-09R リック・ドム

『哀・戦士編』ポスターをイメージソースに往年のドムを作り上げる

 MGドワッジでアップデートされたパーツを盛り込み、新たに誕生したMGドム。元々傑作として名高いキットに、可動域拡大と組みやすさを重点に置き、関節周りを新規パーツにて改修。絶品のプロポーションに、2022年スタンダードの可動域を備えた極上のドムが完成した。作例は、キットの素性をそのままに細かな部分のディテールアップを敢行。カラーリングやマーキングは、大河原邦男氏が当時描いた劇場版第2作『哀・戦士編』のポスターをイメージにして仕上げている。

▲武装は新規で追加されたエモーションマニピュレーターに合わせて、グリップが新規のものに改修されている。肩のスイング機構によりバズーカの両手持ちなどが、より自然に決まるようになった

▲肩アーマーの黒いパーツは左右分割から一体成型にアップデート。ハンドはエモーションマニピュレーターでさらに組みやすく、しかも表情豊かに。作例では親指付け根をパテでボリュームアップさせ、より往年の力強いドムのハンドらしくしている
▲キットには新たに肩のスイング機構が追加。腕は前後に加え、上にもスイングできるようになった
▲肩アーマーは内側に1mmプラ棒を貼り付け厚みを追加。赤いインナーはボディ側の平面をいったん切り離してプラ材で補強、再接着して角度を付け「いかり肩」にし、同時にホールド感も向上させた

▲腕を振り上げると脇下から空洞が見えるのでBANDAI SPIRITS 1/72 バルキリーのランディングギアを加工して挿入しディテールアップした

▲背部バーニアは市販パーツを組み合わせて大型化しつつディテールアップ。脚部やスカート内部のバーニアも内部にジャンクや市販パーツを入れて二重化している

▲股関節はスイング機構に加え、太モモに回転軸が追加され、脚部の可動域拡大に大いに貢献している

▲リア・スカートは、まずリブを付けアウトラインを確定させてから追加分のプラ板を切り出し、貼り付けて延長した

▲足首ボールジョイントを3mm外側に移動させて素立ちの際の接地性を高め、雌側のパーツもギリギリまで削り可動範囲をさらに向上させた

▲靴裏はテープのりのギア部を活用。円形パーツの余計な部分を切り取り、開口した靴裏パーツの裏側から貼り付け、中央にHGUCクシャトリア・リペアードの余剰パーツを組み合わせた。周囲の小さい噴射孔は開口して極小ハトメを接着した
▲モノアイ、拡散ビーム砲、ヒート・サーベルには蓄光および蛍光塗料で塗装し、ブラックライト照射で発光するようにした
▲同スケールのパイロットフィギュアはTVシリーズの色指定準拠で丁寧に塗り分けている
▲足首にはもうひと軸ぶん可動ギミックが追加された。これによりさらに接地性が高まっている
▲ラケーテン・バズの照準器には、レーザーカットされた円形のアクリル板をはめ込み、レンズ外装を追加。ジャイアント・バズの照準器には、レンズ状のアクリルストーンを奥に配して奥行き感を出している。また、本物の携帯火器の資料画像を参考に塗装を施し、本体に合わせてハードウェザリングで仕上げている

▲キット素組み(写真左)とのツーショット。リア・スカートの延長工作以外はほぼキットのままであることが確認できるだろう

▲黒い三連星仕様として完成させたドム。イメージソースとなった『哀・戦士編』ポスターに倣い、マーキングを施し、ハードウェザリングで仕上げている

■新生MGドム!
 桜の開花時期に楽しもう! 新生MGドムを託されました、只野です。
 さてこのキット、元々バランスの良い造形だった従来のMGドムにアップデートパーツを加え、2022年最初の店頭販売MGとなりました。胸部、腹部、腕、エモーションマニピュレーター、股関節ロール軸やスイング機構、くるぶし可動部など新規設計箇所が素晴らしくグリグリ動きますよ。ファースト世代の只野としては放映当時のテイストでガッツリ仕上げたい! ので、『哀・戦士編』のポスターをモチーフに選びました。

■基本工作
 塗装に備え装甲端の赤いライン部にスジ彫りを施したのですが、脚部外装に関してはディテールをいったん埋めて上部に移動させてからの作業となりました。

■塗装イメージ
 マーキングは『哀・戦士編』のポスターを基準とし、塗装イメージは『MS IGLOO 重力戦線』のCGを参考にしました。オデッサの陸戦で過酷な運用をされている状態を表現してみましょう。
 グレー下地⇒C159スーパーシルバー⇒基本色の順に吹き付けますが、サンディングで下地の銀やグレーを露出させることを前提としているので、意図的に抑揚を付けます。つまり均一に塗膜を形成せず、あえてムラを意図して付けます。
 カラーレシピは以下の通り。
紫部=UG08MSパープル+C67パープル+GX109クリアブラウン
黒部=GX101クリアブラック
 基本塗装後にデカールを貼り、ツヤ消しでオーバーコート。スポンジペーパーをランダムに当て(番手は適材適所で使い分ける)ダメージを加えます。タミヤアクリルXF-59 デザートイエローをランダムに吹き付け砂埃で汚れた表現を加え、調子を見ながら汚れ具合を調整。影を強調したい箇所のみに、Mr.ウェザリングカラーシェイドブラウンをメインに置く感じで加えました(スジ彫りにスミを流す感覚ではなくランダムに置く)。

■まとめ
 ほどよいパーツ構成で進化し、プレイバリューが広がった本キットだった。童心に帰り思いっきり遊び倒すのに最適です。「俺ならこう仕上げる」を投影したらきっと楽しいよ! と、おススメしておこう。

BANDAI SPIRITS 1/100スケール プラスチックキット “マスターグレード”

MS-09 ドム

製作・文/只野☆慶

MG ドム
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●5500円、発売中●1/100、約18.6cm●プラキット

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©創通・サンライズ

只野☆慶(タダノケイ)/GAA(ガア)

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