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トップコートは超便利! その種類と特徴を解説【お気楽ガンプラテクニック 2022】

2022.03.06

お気楽モデリング基本編 トップコートは超便利! 月刊ホビージャパン2022年4月号(2月25日発売)

トップコートは超便利! その種類と特徴を解説【お気楽ガンプラテクニック 2022】

トップコートはマストアイテム!?

 みなさん、トップコートと聞いて何を連想されますか? 光沢を出すもの? ツヤを消すもの? 簡単に言いますと、コーティングすることにより「保護」をするものなのですよね♪ 何を保護するかと申しますと、「塗膜」「デカール」「汚し」などを保護してくれるアイテムなのです。その保護をする際に「光沢」「半光沢」「ツヤ消し」という種類があると思ってください。私の場合は汚しを施すことが多いので、「ツヤ消し」を多用しています。いったんコーティングすることにより汚しのマテリアルを定着しやすくするという目的ですね。一言でトップコートと言っても実はさまざまなメーカーさんからたくさんの種類が発売されていますので、それぞれの特徴を理解した上でセレクトすると表現方法も広がるのではないかと思います。
 ここでは、私がよく使うトップコートを中心に、その種類と特徴を解説していきます。

Mr.スーパースムースクリアー
つや消し

▲︎ラッカー系のトップコートです。とっても細かい粒子で上品なツヤ消しを表現してくれます。缶スプレー塗装を行った際のトップコートは、ほぼこのスーパースムースクリアーを使っています

Mr.スーパークリアー
UVカット 光沢

▲完成した作品を数年後見直すと、なんだか製作時とイメージが違うってことありませんか?、実は太陽光に含まれているUV(紫外線)で、塗料やデカール、汚しマテリアルなどが「焼けて色褪せて」しまうことがあるのです。Mr.スーパークリアーUVカットはそんなUVを遮断してくれる効果があるので、常にディスプレイケースに出しておきたいような作品にはオススメの一本です

トップコート
(つや消し)

▲︎水性トップコートの定番です。通称「青缶」と呼ばれています。プレミアムトップコートが発売されるまでは、水性のトップコートと言えばこれでした。プレミアムトップコートより粒子が少し粗いので、ガッツリ汚しを行う場合は「青缶」のほうがマテリアルの定着がしやすいという特徴があるので、今でも多用しています

プレミアムトップコート
(つや消し)

▲︎粒子が細かい、発色がいい、白化しにくいと、文句の付け所が無いくらいの優等生です。MGなら一本くらい使ってしまいますので、私は6缶単位で購入しています

プレミアムトップコート
(光沢)

▲水性なのに(?)トュルントュルンのピッカピカにしてくれるトップコート。成型色の上から吹き付けつただけで、エアブラシで塗装したかのような仕上がりにしてくれます

プレミアムトップコート
(半光沢)

▲︎スケールの大きなキットや、革などの表現にピッタリの半光沢。トップコートの種類を使い分けるだけで素材の違いを表現できます。もちろんプレミアムシリーズなので、品質はお墨付きです

注意しよう❶

 ガンダムマーカーEX メタリックシリーズの上からトップコートを吹く際は注意が必要です。水性のトップコートと言えども溶剤が入っています。アルコール系塗料であるガンダムマーカーは、色の種類によってはプレミアムトップコートとの相性が悪い場合があり、写真のように溶けでしまうことがあります。特にメタリック系で発生しやすいので、いきなり本番で吹く前に、余剰パーツ等で試し吹きして確認するほうがいいでしょう。

注意しよう❷

 トップコートで怖いのが「白化現象」です。特にツヤ消しで発生するのですが、湿度が高い日に吹くと表面が白く濁ってしまうことがあります。(写真は熱湯シャワーの側で吹いて強制再現したもの)
 白化の原因は湿度だけではなく、一気に大量に吹いた場合や、缶の中で均一に撹拌されていない場合にも起こります。
 白化した場合は、薄め液を少し染み込ませた綿棒で軽く拭いたり、光沢トップコートを上から吹いてもう一度ツヤ消しを吹くことにより、ある程度の白化ならリカバリーできます。なんと言っても雨の日や湿度の高い日はトップコートを行うのは避けましょう。ただ、こんなトラブルが少ないのがプレミアムトップコートなのです。

らいだ〜Joe式 トップコートの吹き方

▲吹き始める前にまずは缶をこれでもか! というくらいに振って中身を撹拌しましょう! 私は15〜30秒くらい、中の玉(?)を転がすようなイメージで、振るというより回す! 感じで撹拌しています
▲トップコートの吹き方と言っても特別なものではないですよね♪ ボタンを押した最初は吹き出し量が安定しないので、吹きたい場所を外した位置から始めます。できる限り一方通行で吹きましょう! ただ、私の場合ちょっと変わっていて、缶を微妙に左右に振りながら吹いています。写真のような軌道で吹き終われば、今度はランナーを180°回転し同様に。次は90°、270°と四方から全体に軽く吹き付けます
▲写真の都合上、とても近くで吹いているように見えますが、実際はもう少し離した位置から、ほぼ真横(80°くらい)から吹く感じです

比べてみよう、トップコートいろいろ

▲左がGSIクレオス プレミアムトップコート(光沢)、右がGSIクレオス プレミアムトップコート(つや消し)です。黒が黒として表現され見事にツヤが消えているのが分かります
▲左がトップコート(つや消し)(青缶)、右がプレミアムトップコート(つや消し)です。微妙な違いかもしれませんが、「プレミアム」のほうが「つや消し粒子」が細かく、白っぽくなりにくいのが魅力ですね。ツヤ消しでトップコートを行う際は、もう、ほとんどプレミアムトップコートしか使わなくなってしまいました
▲黒い成型色のキットでその違いを比べてみましょう。左から順に、プレミアムトップコート(つや消し)、トップコート(つや消し)(青缶)、プレミアムトップコート(半光沢)、プレミアムトップコート(光沢)です。同じパーツを同じ条件で吹いてみると、その表現の違いがよく分かりますね

 ■やって損は無し、トップコート!

 実はツヤ消しは、表面に超微細な凹凸の層を作り、「光を屈折させ反射しなくなる」ことによりツヤが消えるというものなのです。その超微細な凹凸に、私が行う汚しのマテリアルが入り込み定着するのです。逆を言いますと、光沢面への汚しはマテリアルが定着しづらいので難しいのです。
 元々私は水性ホビーカラーによる筆塗りだったので、トップコートは水性一択でした。実は水性のトップコートにはもうひとつ利点があるのです。それは、デカールを傷めないこというもの。少し古いデカールなどはラッカー系のトップコートを吹くと溶けてしまうことがあるので注意が必要です。プレミアムトップコートが発売されてからは、もう、ほとんどこれしか使わないようになってしまいました。粒子が細かく、白化しにくく、デカールも侵さない。なんと言っても、ツヤ消しトップコートを吹くことによって、多少の筆ムラなんて目立たなくしてくれるスグレモノなのです。はじめは面倒かもしれませんが、その効果は絶大ですので、ぜひ、トップコートにチャレンジしてみてください!

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©創通・サンライズ

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