ノモ研 「ソフビキットの製作(後編)」【野本憲一モデリング研究所】
2022.03.03前回は組み立て前の洗浄や切り出し、接着や展示を見据えた工夫などを紹介した。後編では組み立てた後の合わせ目の整え、そして本格塗装を施す。具体的な工程に入るとソフビキットに限らない“怪獣”というモチーフでの加工、塗装方法になっていく。これも一例として、段階を踏んで仕上げていく様子をご覧いただこう。
製作・解説/野本憲一
ノモ研 「ソフビキットの製作(前編)」【野本憲一モデリング研究所】
題材と今回のポイント
使用するキットは海洋堂「Sci-Fi MONSTER soft vinyl model kit collection ゴジラ1994」7590円。映画『ゴジラvs スペースゴジラ』に登場したゴジラだ。
合わせ目を整える
組み立ての前に行っておくこと。箱から出したパーツが曲がっていても心配なく、簡単に修正できる。
なだらかに繋ぐ場合
合わせ目をスムーズに繋ぎたい場合の例と、その注意点。
塗料について
ソフビキットに適した塗料の特性と、サーフェイサーについても確認しておこう。
細部の塗装
再び題材に戻って、塗装の開始。先に細部を塗装し、マスキング〜ボディ色塗装という流れ。そのための下塗りから開始!
凹凸部のマスク
歯の周辺のマスキングには練り消しなど粘土状の素材を使うと密着させやすく、範囲も整えやすい。この例では仮固定でも使った粘着ラバー「ブル・タック」を使っている
ボディ色の塗装
ここでは力強い造形や細かなヒダ模様が強調されるように、塗り重ねて濃淡をつけていく。塗りにくい箇所ではソフビならではの対処も。
塗りにくい箇所は…
背面のヒレが重なって塗りにくい箇所は、ドライヤーで温めて軟らかくしてから、ヒレを傾けながら塗装した。ヒレの接着部も剥がれるようなことはなかった
最終仕上げ
塗装後のパーツ接着、そして気になる箇所を整えて完成度を高める。
完成
各工程の効果とその仕上がりを確認しよう。
完成後の取り外し
間着を活かして尻尾は外せるようにしておいた。取り付け、取り外しはドライヤーなどで温めて行う。塗装への影響がでないよう、変形は最小限にとどめたい
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野本憲一(ノモトケンイチ)
小社にて「NOMOKEN」シリーズを多数執筆。キャラクター、スケールモデルなどジャンルを問わず数多くの作例とHow toを発表している。