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【セイラマスオの気まぐれガンプラ製作記 】これまでのおさらい![前編]

2022.02.20

気まぐれガンプラ製作記 月刊ホビージャパン2022年3月号(1月25日発売)

【セイラマスオの気まぐれガンプラ製作記 】これまでのおさらい![前編]

 個性的なテクニックで月刊ホビージャパンモデラーの中でも一線を画する存在のセイラマスオ。その代名詞である“マスオディテール”やオリジナルアレンジ、淡い塗装表現がどのような考えで行われているか気になりませんか? そんな知られざる“マスオ理論”に迫るのが本連載「セイラマスオの気まぐれガンプラ製作記」です。お題だけ決めて、あとは自由にいつも通り製作していく様子をゆるくお届け。第7回は、これまでのおさらいとして大物キットHGナイチンゲールを製作していきます。

製作・解説/セイラマスオ

セイラマスオ作例

ウマく作るためのHow toじゃありません

 これから紹介していく私の製作法は、自分なりに上手い人のやり方を参考にしつつ、そこから手を抜いたり道具的な問題から妥協した結果たどり着いたものです。この方法が正解とかオススメとか言うつもりは毛頭なく、いい意味での“これくらい力を抜いてもいいんだ”と思ってもらえる機会になれば、くらいに考えています。


themeこれまでのおさらい![前編]
use kitHG ナイチンゲール


ディテールアップ、水性塗料筆塗り、プロポーション変更を駆使して大型キットに挑戦してみる!

 今回はHGナイチンゲールというHGUC随一の造り応えのあるキットを使って、これまでのお気楽製作法がちゃんと機能するのかを検証していきたいと思います。普通に作るだけでもなかなか手強いこのキットに私の手抜きのやり方が通用してお気軽に製作できるのでしょうか?

HGナイチンゲール
▲リアルスケールではRE/100から7年ぶりのプラキット化。ファンネルバインダーを含めた左右幅は40cmにもおよぶビッグサイズモデルになっており、形状やギミック面もさらに突き詰められている

HG ナイチンゲール

●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●7700円、2021年7月発売●1/144、約21.1cm●プラキット


1. まずはプロポーションを調整

HGナイチンゲール 正面
▲ナイチンゲールは人型から外れているのでプロポーション改修に正解はないのですが(笑)、好みのバランスに近づけていく努力は惜しんではいけません
首を短縮
首を短縮 2

▲まずはやっぱりここから(苦笑)。頭部をもっと胴体に密着させたいので、いつものように首を短縮。切断して再接着するだけの簡単工作です

頭部の下の部分を切り取り
▲位置が下がったことで干渉するようになった頭部の下の部分を切り取ります
加工後頭部
▲この工作で頭部の位置はこのくらい下がりました。やっぱりこのくらいが好み♪
切断
▲お次は胴体。まずは短縮を兼ねて写真の位置で切断します
切断面を接着するときに前後に大きくずらす
▲切断面を整えたぶん短縮となりますが本題はここから。切断面を接着するときに前後に大きくずらします。つまり上半身を後方に移動させるのです
バランス変更優先
▲腰との接続軸はそのままなので、上半身をひねるときは変な動きになりますが、バランス変更優先でお手軽に済ませます
干渉するダクト部を切り取り
▲胴体を後方に移動するためのスペースを下半身を加工して捻出します。まずは干渉するダクト部を切り取ります
リアスカート天面の干渉しそうなところを切り取り
▲続いてリアスカート天面の干渉しそうなところを切り取ります
上半身を調整しながら切り取り
▲上半身を調整しながら最終的にはここまで大きく切り取りました
胴体部のみ乗せてみる
▲短縮した胴体部のみ乗せてみるとこのような感じです
上半身が後方に移動
▲このくらい上半身が後方に移動しました
ダクトパーツは後方に再接着
▲切り取っていたダクトパーツは後方に再接着。切り欠いて空いたスペースにはジャンクパーツをそれらしく詰め込みました
バインダー部短縮
▲両肩の大迫力のバインダー部は短縮します。外装だけでなく、内部パーツも一緒に切断します
接着した面はあえてそのままにしてディテール的に処理
▲真ん中の部分を除いて短くして再接着。接着した面はあえてそのままにしてディテール的に処理することで手間を軽減しますw
バインダー部加工後比較
▲かなり大胆に短縮したつもりですが、比べてみるとそう変わりないように見えますねw
余ったパーツは、曲面を活かして肩アーマー内側の大きく空いたスペースに
▲バインダー短縮の際に余ったパーツは、曲面を活かして肩アーマー内側の大きく空いたスペースに入れ込みました。ピッタリ〜♪
全体のバランスを確認
▲ここまでで首と胴体、バインダーに手を入れてみたので全体のバランスを確認します。大胆に手を入れたつもりでしたが、全体の印象はそんなに変化していませんね
腰のフロント中央パーツを短縮
▲腰のフロント中央パーツを短縮します。形状に影響が少なそうなところを狙ってカット
短縮して再接着
▲短縮して再接着しました。狙い通り継ぎ目の修正も少なくて済みそうです(地道な省力化は大事)
別の位置でもカットして短縮
▲もう少し短くしようと別の位置でもカットして短縮。こちらはさらに省力化して一部接着ラインをモールドとして活かしてみます
腰フロントスカートを上方へ移動
▲さらに見え過ぎる胴体の目隠しも兼ねて腰フロントスカートを上方へ移動させたいと思います
ボールジョイントを移設のため切り取り
▲腰フロント中央パーツにあるボールジョイントを移設のため切り取り、それをより後方かつ上方に移動できるようにランナープラ板で土台を作ります
作った土台にボールジョイントを接着
ボールジョイント加工後比較

▲作った土台にボールジョイントを接着。強度的にはやや不安ですが、脚の構造上フロントスカートをそんなに動かすことはないので大丈夫でしょう

ボディの凝縮感が出た
▲これでフロントスカート上端で腹部が隠れるようになり、ボディの凝縮感が出ました
プロポーション修正は終了
▲腰フロント周辺の加工ですべてのプロポーション修正は終了です。腰フロントスカートが上がったことで脚がやや長く見えるようになりました

2. 次はディテールを追加します

広大な装甲面
腕のディテール追加

▲広大な装甲面はまさにディテール追加のためのスペースのようw。おさらいとして腕へのディテール追加を順を追って説明します。まずは鉛筆でアタリを付けてカッターや彫刻刀でスジ彫りを入れていきます

凹面を製作
▲次に凹面を製作。まずは枠となるところをカッターでV字に彫ります
彫刻刀でその内側を彫り込む
▲彫刻刀でその内側を彫り込めば凹ディテールが完成
スジ彫りと凹ディテール
▲まずはスジ彫りと凹ディテールができました。この段階からさらにディテールを追加していきます
スジ彫りのラインの一部を彫刻刀で彫り込み
▲スジ彫りを入れたところに変化を付けてみます。スジ彫りのラインの一部を彫刻刀で彫り込みます
段差のでき上がり
▲彫り込んだところをカッターでならせば、ちょっとした段差のでき上がりです
モールドに説得力が出る
▲スジ彫りのみの状態よりラインに情報量が増えてモールドに説得力が出ました
別のところもスジ彫り
▲さらに別のところもスジ彫り(フリーハンドのカッターV字彫り)を入れます
凸面を追加
▲今度は凸面を追加。ランナープラ板の小片を貼り付けていくだけです
前面のみプラ板を貼り付けて大型化
▲ついでに肩アーマーは前面のみプラ板を貼り付けて大型化しました

今回はここまで!

HG ナイチンゲール 後ろ 改修後
HG ナイチンゲール 前 改修後
▲冒頭の素組み写真と比較すると、頭部から腹部にかけて上下方向の長さがぐっと詰まったことで上半身が凝縮されているのが確認できる。また、ファンネルバインダーや腰部リアスカートなど、各面にディテールが追加されて元の曲面主体のラインにメリハリが加えられている

 一部ディテールの追加の様子は次回でご紹介しますが、とりあえず全身に同じようなディテールを入れ終わった状態がコチラ。キットはファンネルやバーニアはハイディテールですが、わりと装甲面はスッキリしているのでディテール追加の効果は高いと思います。この状態ですでにランナータグなどを利用したキッチリ成型色仕上げになっているので、このまま部分塗装で完成! でもよいのですが、今回は塗装による効果も検証に入れているので塗るしかありません!(泣) このデカさ、この広い面構成、果たして筆塗りで対応できるのでしょうか?

文字

©創通・サンライズ

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