HOME記事スケールモデルイタリア生まれの傑作自走砲「セモベンテ M42 da75/34 ドイツ軍仕様」【青木周太郎】

イタリア生まれの傑作自走砲「セモベンテ M42 da75/34 ドイツ軍仕様」【青木周太郎】

2022.01.11

セモベンテ M42 da75/34 ドイツ軍仕様【タミヤ 1/35】 月刊ホビージャパン2022年2月号(12月25日発売)

セモベンテ M42 da75/34 ドイツ軍仕様 特写

 長砲身の34口径75mm砲を装備し、さらに戦闘力の増したイタリア生まれの傑作自走砲、セモベンテ M42 da75/34がタミヤイタレリシリーズに登場。イタレリ製のM42はフォルムだけでなく、インテリアの再現もされた好キットに、今回はドイツ軍仕様ということで、タミヤ製フィギュアとイタリアで戦ったドイツ陸軍 第71歩兵師団所属車のマーキング2種もセット。イタリア戦車ファンならずとも注目の仕様となっている。今回はこちらのキットを青木周太郎が製作。付属のキットやアクセサリーを活かして、ヴィネット仕立てで仕上げた。

「アメーバ迷彩」のドイツ陸軍 第71歩兵師団 “Heidi3”を選択
フィギュアは操縦手を除く、指揮官、砲手、装填手の3体を使用

▲2種類用意されているキット付属のマーキングから、今回はパッケージでもフィーチャーされているイタリア戦車独特のカラーリングである「アメーバ迷彩」のドイツ陸軍 第71歩兵師団 “Heidi3”を選択。また、フィギュアは操縦手を除く、指揮官、砲手、装填手の3体を使用した

セモベンテ M42 da75/34 ドイツ軍仕様
小さな聖堂
砲弾はキット付属のもの
▲路肩の小さな聖堂はバーリンデンの石膏製モデル。砲弾はキット付属のものを使用し、砲弾箱はキット付属のものを複製して数を増やした
セモベンテ M42 da75/34 ドイツ軍仕様 全景
▲ミニアートの石畳をベースにヴィネットを製作。付属のアクセサリーパーツや車両に乗せることができない装填手もうまく活用してまとめている
セモベンテ M42 da75/34 ドイツ軍仕様
上部のハッチは大きく開閉
▲上部のハッチは大きく開閉するが、インテリアもしっかり再現されているので安心。特にディテールアップしなくても充分な密度感が得られるのがうれしい
トランスミッション点検用ハッチ
▲開閉が選択できるトランスミッション点検用ハッチは開状態で製作した
キットはベルト式の履帯が付属
▲キットはベルト式の履帯が付属するが、今回はタミヤのMMシリーズ「イタリア自走砲 M40 セモベンテ」から転輪と分割式の履帯を流用。ただし取り付けには起動輪の取り付け基部にプラ棒を挟むといった調整が必要になるので注意しよう
セモベンテ M42 da75/34 ドイツ軍仕様 後方

 今回はタミヤから発売されたタミヤイタレリシリーズ No.29の「セモベンテM42 da75/34 ドイツ軍仕様」を製作してみました。
 作例では足周りのみタミヤのパーツで改造していますが、それ以外はストレートに組み、イタリア戦車独特の迷彩塗装を楽しみました。長砲身の75mm砲のタイプは、タミヤ製の短砲身とはまた違ったフォルムを醸し出してくれて面白く感じます。

■製作
 セモベンテは、天井の大型の乗員搭乗ハッチのために戦闘室と運転席が丸見えになりますが、キットはそこそこに内部の再現がなされており好感が持てます。フィギュアもシチュエーションにも合い、雰囲気を向上させてくれるので、製作していて楽しく組むことができました。
 足周りは、キット付属の物で充分とも思いましたが、せっかくタミヤからキットが発売されていますので、MMシリーズのM40から転輪と履帯を流用して取り付けて、履かせてみることとしました。
 起動輪の基部部分をプラ棒にて調節し、履帯のリターンローラー部分の自重のタルみの部分をドライヤー等で少し加熱しつつ調節しながら取り付けてみました。タルみの自然な感じは部分連結キャタピラならではのなかなか良い雰囲気に仕上がったように感じました。

■塗装
 どう仕上げて良いのか独特なので少々困惑気味の迷彩です。逆にモデラーの食指が動くと思いがんばって塗装してみました。
 まず、タミヤアクリルのフラットグリーン、フラットホワイト、フラットイエロー、オリーブドラブで調色して全体を塗装し、上記の色にぞれぞれフラットホワイトを加えた色でグラデーションをかけて基本塗装としました。
 次にレッドブラウン、フラットイエローの混色で部分的に細くエアブラシで吹き大まかな2色迷彩としたら、いよいよ問題のデザートイエローの境界線のような迷彩です。ホビージャパンのモデラーはすべて素晴らしい技術の方々ばかりと思われがちですが、筆者みたいな不器用なライターもいるのでエアブラシで細吹きすることがなかなか上手にできず、実際にはかなり困惑させられた感があります。
 細吹きの境界がどうしても均一にならず繰り返し修正しつつ塗り直しました。気が短い筆者はかなりイラつきながらどうにか塗装しました。が…。
 タミヤのスミ入れ塗料、ダークブラウンでウェザリング、ここで痛恨のミス、せっかくの細吹きで仕上げたデザートイエローが今ひとつ明度が薄くなってしまいました。オー、マイ、ゴッド! そんなわけで仕上げにエナメル塗料の、デザートイエロー、フラットイエロー、フラットホワイトの混色をシンナーで希釈しつつ細筆でぼやけさせつつ、リタッチして描き込んでみました。エナメルなので失敗しても溶剤で修正できるので最初からエアブラシで苦労して塗装するより、楽に塗装できたかもしれません。
そんなわけでどうにか完成させることができました。

■ディオラマ
 ディオラマはいたってシンプル、ミニアートの石畳をベースにバーリンデンの石膏の「Countryside Shrine」を使用して、簡単なヴィネットに仕上げてみました。75mmの弾薬箱はキットのものを、シリコーンゴムで型取りし、レジンで複製して使用しています。

セモベンテ M42 da75/34 ドイツ軍仕様

タミヤ 1/35スケール プラスチックキット

セモベンテ M42 da75/34 ドイツ軍仕様

製作・文/青木周太郎

セモベンテ M42 da75/34 ドイツ軍仕様
●発売元/タミヤ●4290円、発売中●1/35、約16cm●プラキット

この記事が気に入ったらシェアしてください!

青木周太郎(アオキシュウタロウ)

オススメの書籍

月刊ホビージャパン2022年2月号

ご購入はこちら

ホセ・ルイスの戦車模型の作り方 Part.2:冷戦時代の戦車

ご購入はこちら

ティーガーII重戦車/ヤークトティーガー駆逐戦車/シュトゥルムティーガー突撃臼砲 写真集

ご購入はこちら
PAGE TOP
メニュー