HOME記事スケールモデルシュトゥルムティーガー突撃臼砲初期生産車  「ティーガーII重戦車/ヤークトティーガー駆逐戦車/シュトゥルムティーガー突撃臼砲 写真集」より

シュトゥルムティーガー突撃臼砲初期生産車  
「ティーガーII重戦車/ヤークトティーガー駆逐戦車/シュトゥルムティーガー突撃臼砲 写真集」より

2021.12.15

ティーガーII重戦車/ヤークトティーガー駆逐戦車/シュトゥルムティーガー突撃臼砲 写真集


 33B突撃歩兵砲、Ⅳ号突撃車ブルムベアの成功を受け、ティーガーⅠ重戦車をベースに38cmロケット臼砲を搭載した重自走砲が製造された。1943年10月に製造された試作車から初期仕様の生産車を本記事では「初期生産車」として扱う。

解説/竹内規矩夫
図面/遠藤慧

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▲ ロシアのクピンカにある「パトリッオト・パーク」で展示される初期生産車。 以前はクピンカ戦車博物館で展示されていた車両である。車体番号は250043で、シュトゥルムティーガーとしてアルケット社で1943年8~9月頃に製造されているが、ヘンシェル社で1942年12月にティーガー1重戦車初期生産車として製造された車体をベースとしている。

 Ⅲ号 15cm s.lG 33 自走砲、IV号突撃戦車ブルムベアなどの重装甲自走椙弾砲に続き、さらに強力な火力を持った車両として、1943年8月に38cmロケットランチャーをティーガーI戦車に搭載した設計を採用、アルケット社によりティーガーI中期生産車をベースとした「ティーガーI38cm臼砲戦車」が1943年10月に製造された。しかしこの直後にアルケット社は大規模な空襲を受けたため量産開始は延期され、1944年6月から生産を開始、8月に3両を引き渡した。折から勃発したワルシャワ蜂起にさっそく実戦投入され、ますますの成功を収めている。
 本記事では、1943年10月の試作車および1944年8月に製造された初期の車両を「初期生産車」として解説する。ただし総生産数が18両のみ、車体も新車ではなく戦場から回収しリビルドされた車両ゆえ個体差が存在しており、この分類は解説のための便宜的なものに過ぎないことをお断りしておく。

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▲ 本車両は1945年5月、ブランデンブルク製鉄所の工場でソヴィエト軍によって歯獲されたものだが、第1000突撃臼砲中隊の車両として1944年8月のワルシャワ蜂起にも参加している。保存状態は良好だが、インテリアはエンジンなどを含めて失われている。
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▲ 1945年春、ドイツのドロルスハーゲンでアメリカ軍によって歯獲された初期生産車。第1002突撃臼砲中隊所属、ティーガ―I初期~中期生産車がベースで、車体前面に増加装甲を装着しているが、パトリオット・パーク車よりも小型の尖頭ボルトで固定されている。 防盾は後期生産車の形状だが、砲身先端のカウンターウェイトや砲口のガス抜き穴は初期生産車の特徴を持っている。
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▲ 正面から見たクピンカ車。車体前面装甲板にボルト止めされた50mm厚の増加装甲、初期生産車の特徴である砲口のカウンターウェイトの形状、防盾の形状、中央に縦の仕切りが入った操縦手ペリスコープ、開口部の広い車体機銃ボールマウントなどがよくわかる。
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▲ 右側から見た車体前面。 防盾は下部が水平になっている。その下にある戦闘室前面装甲板に溶接されたツメの様な突起物は用途不明。
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▲ 左側から見た車体前面。車体上部左脇の三角の薄板は前照灯の取り付け台座。前部フェンダーはティーガーIのものと似ているが、車体側のヒンジ数が多く長さも異なる。


 まだまだこれからというところですが、WEBではここまで!
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