イギリス巡航戦車 クルセーダーMk.III【小澤京介】
2021.12.14北アフリカを疾駆した英国快速戦車
1/35スケールAFVの新進メーカー、ボーダーモデルより初のイギリス戦車となる巡航戦車Mk.VIクルセーダーがリリースされた。主砲を57mm 6ポンド砲に増強、北アフリカ戦線で活動したMk.IIIをモデル化し、シャープな成型のプラパーツと最小限度のエッチングパーツを中心に、履帯は連結可動式、金属製砲身やエッチングパーツなども同梱。ハイディテールと組み立てやすさが両立したキットとなっている。ソ連のT-34戦車と同じクリスティー式サスペンションと大馬力エンジンにより快速を誇った“砂漠のクルーザー・タンク”を作ろう!
■キットについて
今回製作させていただいたのは、ボーダーモデルから発売されたイギリス軍戦車クルセーダーMk.IIIです。私自身ボーダーモデルのキットは今回初めて組みますが、説明書が読みやすく、キット自体もパーツの合いもよいのでオススメです。またエッチングパーツが必要最小限に収められているのも好感です。なお初回特典には、オリジナルプリントが入った特製A4カッティングマットが付属しています。
■組み立てについて
普通に説明書通りに組んでいけると思いますが、塗装工程を考え、サイドスカートなど足周りの塗装などがやりにくくなると想定されるパーツは後で付けるようにしていきましょう。
エッチングパーツは軽く耐水ペーパーをかけてパーツを接着しやすいようにしておくとよいです。さらにメタルプライマーを塗っておくとなお良しです。
このキットの一番の問題は履帯です。連結可動式ですが、ピンを無理やり入れると割れてしまうので一度0.4mmのピンバイスで穴をさらっておくとよいです。同じような手間をかけるなら、思い切ってフリウルの金属製履帯に交換してもよいでしょう。
金属砲身もキットの特典として付属していますが、プラパーツのほうが塗装もしやすいので、そちらのほうが個人的にはオススメではあります。
■塗装について
車両本体は黒立ち上げで、全体をデザートイエローで塗装。ハイライトにはセールカラーを塗装します。茶色の迷彩部分は、説明書にも記載されているアモのA.MIG-0110 SCC 1A イギリス 1941年-42年 ブリティッシュブラウンを筆塗りで塗装していきます。このアクリル塗料は発色・隠蔽力ともによいのでオススメです。
迷彩の塗装は、まず輪郭を描いてから中を塗りつぶしていきます。できるだけ筆ムラのないように塗ることが上手く迷彩を塗装するコツです。はみ出しなどで失敗した場合は、乾燥後に爪楊枝でカリカリ削ればOK。下手に溶剤を使って修正しないほうがよいです。筆ムラや段差ができた場合は、800番~1000番くらいの耐水ペーパーを当てて平滑にしてから再塗装しましょう。
■ウェザリングについて
車体のウェザリングは、Mr.ウェザリングカラーを中心にシンプルに仕上げてあります。
履帯は黒立ち上げで、マホガニーを塗り、ハイライトとしてタミヤアクリルのフラットアースを塗装。エナメル系のウェザリングカラーは連結して組み立てる方式のプラ製履帯には使えないので、グリーンスタッフワールドのデザートアース2292、ミディアムアース2295を使用しています。水性なので履帯が破損する心配もなく安心して使えます。
ボーダーモデル 1/35スケール プラスチックキット
イギリス巡航戦車
クルセーダーMk.III
製作・文/小澤京介
イギリス巡航戦車 クルセーダーMk.III
●発売元/ボーダーモデル、販売元/ハセガワ●7040円、発売中●1/35、全長約17.1cm●プラキット
小澤京介(オザワキョウスケ)
ステイホームが長くなったおかげで、罪プラをまた量産(笑)。2021年も後わずかですが、メガミデバイスなど今までやらなかったジャンルにも挑戦!