『トップをねらえ!』 「ガンバスター」 ディオラマ
SMP ALTERNATIVE DESTINY 始動【山田卓司】
2021.10.28
「合体したガンバスターを、ただのマシンと思わないでよ!!」【バンダイキャンディ事業部】 月刊ホビージャパン2021年12月号(10月25日発売)
SMP新ブランドついに発売! ビジュアル重視のディオラマ仕上げ
SMPの派生ブランドとして始動するSMP ALTERNATIVE DESTINY。その第1弾となるガンバスターが2021年11月にいよいよリリースとなる。ハイディテールかつヒロイックなアレンジの造形、部分塗装の多用により、組み立てるだけで圧巻の立体物が完成するブランドだ。それゆえ普通に組んで塗装するだけでは、作例としては弱い…。ということで、大型のディオラマとして製作した。担当は情景王・山田卓司。良好な造形を引き立てる手法のひとつとして(容易ではないものの)、参考としてみてほしい。
今回はバンダイキャンディ事業部の「SMP ALTERNATIVE DESTINY 『トップをねらえ!』 ガンバスター」作例を作らせていただきました。
精度の高いスナップフィット、アレンジされたシャープなディテールとモールド、良好なプロポーション、可動部も豊富でよく動く。令和の時代に相応しい内容だと思います。さらにガンバスターならではの腕組みパーツも差し替えで用意され、文句の付けようがありません。
さて作例ですが、当初はスーパーイナズマキックで宇宙怪獣をベースに、とも考えたのですが、せっかくの腕組みパーツを活用したい、ということでエクセリヲン艦上に立つ姿を製作しました。劇中カットは艦後方まで見える真正面からの絵。作例は模型としてのバランスを考えて、ヱクセリヲン先端部にズームした形にしました。
■工作
ヱクセリヲン船体はすべてプラ板工作。劇中ではカットごとで見え方が違うので、先端角度の調節は悩ませられました。最終的には作画よりも設定画形状を優先しています。全体は偏平な四角錐なので、まず水平部分の二等辺三角形を切り出してから直交する峰に当たる直角三角形を接着。そこに梁となる三角形を接着してから、左右船体表面パーツを貼り付けるという手順で作りました。
破損部分は船体表面パーツを貼り付ける前に板厚の違うプラ板を積層して仕込んでおきます。
ガンバスターは目にアクリルストーンを貼りディテールアップした以外はストレート組みです。可動の軸にアルミ線を通して固定しました。
■塗装
ヱクセリヲンはサーフェイサーで下地塗装の後、まず全体をシルバーで塗装します。シリコーンバリアーを筆塗りしてからブルーの船体色で全体塗装し、ダメージ部分を引っ掻いて塗装剥げを表現。部分的にツヤ消しブラックで変化を付けて仕上げました。
ガンバスターはキャラクターブルーをベースに数色混色してブルーパープルを自作して塗装。カラーモジュレーションによるグラデーション仕上げです。
指定色が黄色の部分はガイアカラーのスターブライトゴールドを使いました。
バンダイ ノンスケール プラスチックキット SMPオルタナティブデスティニー 『トップをねらえ!』ガンバスター 使用
「合体したガンバスターを、ただのマシンと思わないでよ!!」
ディオラマ製作・文/山田卓司
SMP ALTERNATIVE DESTINY 『トップをねらえ!』ガンバスター
●販売元/バンダイキャンディ事業部●8250円、11月予定●約24cm●プラキット●ガム1個付属
ⓒBANDAIVISUAL・FlyingDog・GAINAX
山田卓司(ヤマダタクジ)
月刊ホビージャパンライター歴43年のご存じ“情景王”。メインモデラーを務めた「ガールズ&パンツァー マスターモデリングガイド」が好評発売中。