HOME記事キャラクターモデルフジミ模型の「自由研究シリーズ エヴァンゲリオン編」 水棲ザリガニ型決戦兵器劇場 『田園の戦い』【山田卓司】

フジミ模型の「自由研究シリーズ エヴァンゲリオン編」 水棲ザリガニ型決戦兵器劇場 『田園の戦い』【山田卓司】

2021.10.19

『田園の戦い』【フジミ模型】 月刊ホビージャパン2021年11月号(9月25日発売)

『田園の戦い』

数多く存在するエヴァコラボアイテムのなかでも、あまりの意外性でひときわ異彩を放つ、フジミ模型の「自由研究シリーズ エヴァンゲリオン編」。今回はこちらのキットを使用したまさかの劇中再現(?)ディオラマを山田卓司の製作でお届けしよう。

ディオラマ全景
▲『ヱヴァンゲリオヲン新劇場版:破』で描かれた初号機と使徒に乗っ取られた3号機の戦いをモチーフにディオラマ化。ザリガニだけに田園風景との相性も抜群!? ベースサイズは縦約25cm×横約30cm×高さ約33cm(触覚含む)
民家
▲巨大さを演出するゲージにもなっている民家はプラ板で自作したもの。電柱はプラ棒を熱して細く延ばしたものを利用している
小高い山
▲ベース後方に小高い山を配置することで、平面になりがちな田園風景に立体感を与えている
水田
▲水田は透明プラ板を裏側から塗装することで、水が張られた様子を表現している
初号機仕様のザリガニ
▲初号機仕様のザリガニは、配色はキットと同じながら、メタリックパープルと蛍光グリーンで塗装することで、重厚感をアップさせた
初号機ザリガニ腕部
▲ 胴体は針金を通し、瞬間接着剤で固定。脚部も熱で曲げて表情をつけている
3号機二本目の腕
▲3号機の肩から新たに生える二本の腕をザリガニでも再現。こちらは劇中のイメージに合わせて2号機カラーで塗装している
両目は透明エポキシ接着剤で複製
▲初号機、3号機の両目はともに、キットのパーツを型取り、透明エポキシ接着剤で複製したものに交換した

 フジミ模型の自由研究シリーズのアメリカザリガニは気になるキットで、いつか何か作ってみたいなと考えていました。自分も子供時代、近所の川に行ってアメリカザリガニを採った思い出がありますし、このキットはディテールも良く可動するし、無塗装で楽しめるように成型色にも気が配られており、スナップフィットで接着剤要らず。と広く多くの人がプラモデルを楽しめる内容になっていて好感が持てます。

■まさかのエヴァカラー!
 1/1スケールなので水槽の中にアクアリウムみたいにするのが良いかも? なんて考えてはいたのですが、製品の魅力をスポイルすることなく面白い作品に出来るのか、今ひとつ自信が持てずにおりました。
 しかし、ここに来てエヴァカラー! 水棲ザリガニ型決戦兵器! 「自由研究241 エヴァンゲリオン編 アメリカザリガニ 初号機仕様」および「自由研究242 エヴァンゲリオン編 アメリカザリガニ 2号機仕様」。カラーリングだけで充分に『エヴァ』になっています。これはやられました。
 せっかくなので、このアメリカザリガニたちに『エヴァ』の劇中を再現してもらうことにしました。
 別の生き物を使徒に見立てるのも良いかな? と思ったのですが、その生き物のチョイスやサイズ感、良い造形物が見付けられず、ここは手堅くエヴァ同士の戦いということで『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』より「3号機VS初号機」の場面としました。
 ここは使徒に乗っ取られたエヴァ3号機に対して、戦闘を望まない碇シンジに替わってダミープラグによるコントロールで初号機が倒す。3号機に搭乗したパイロットの違いはあれどテレビ版にもあったエピソードです。ここで流れる『今日の日はさようなら』が切ないです。

■ザリガニの製作
 エヴァ2号機仕様のザリガニから類推してエヴァ3号機のカラーリングにします。黒っぽいグレーはガンメタルとし、各部のアクセントカラーはフラットホワイト(ホワイトサーフェイサー)を使いました。
 劇中では使徒に乗っ取られているため、肩の装甲板が腕に変化してアスカのイメージカラーの紅い腕が一対生えてきます。そこでもう1セットぶんキットを用意してこちらも4本腕にしました。対する初号機はキットの指定通りですが、メタリックパープルと、蛍光グリーンで塗り分けました。
 キットの眼はエヴァカラーに合わせてアクセントとして初号機はオレンジイエロー、2号機に蛍光グリーンなのですが、今回は両者ともにイレギュラーな状態で紅く光っていますので、パーツを型取りして透明エポキシ接着剤を流し込んで複製。紅い眼にしました。
 二体ともディオラマにするため、尾のパーツは2mm径アルミ線で繋ぎ、腕はポリキャップを用いず接着剤を流して固定しています。脚は関節部分を熱で曲げて表情を付けました。劇中では互いに相手のエヴァの首を絞めるのですが、ザリガニでその芝居は難しいため、腕を掴むことに変更しました。ここは掴んでいる部分にドリルで貫通孔を開けてから、真鍮線を差し込んで固定しています。

■ベースについて
 背景の田園風景はほとんど発泡材料を使いました。山裾はスタイロフォームで造形し、タミヤのテクスチャーペイントで下地を作りました。樹木はウッドランドシーニック社のフォーリッジ・クラスター。法面の擁壁はスチレンボードを短冊状に切り出して両面テープに貼り付けて造形。アクリル絵の具の下地材、ジェッソで仕上げました。水田は透明プラ板を裏側から塗装。スチレンボードに貼り付けました。畦道はタミヤの情景シートの芝生を切り出して貼り付けて表現。民家はプラ板の工作。電柱はグレー色のランナーを熱で伸ばして作りました。


話題のエヴァカラーザリガニいよいよ2021年10月発売!!

「自由研究 241 エヴァンゲリオン編 アメリカザリガニ 初号機仕様」&「自由研究 242 エヴァンゲリオン編 アメリカザリガニ 2号機仕様」

 今回山田氏の製作したディオラマにも使用されている、フジミ模型の「自由研究 241 エヴァンゲリオン編 アメリカザリガニ 初号機仕様」「自由研究 242 エヴァンゲリオン編 アメリカザリガニ 2号機仕様」。製品化発表時からその意外な組み合わせが話題となったが、いよいよこのキットが店頭に並ぶ日も目前ということで、ここで改めてキットの見どころをご紹介していきたい。

ボディカラーは成型色
▲初号機仕様、2号機仕様ともにボディカラーは成型色で再現されており、キットを組み立てるだけで、この鮮やかな姿を楽しむことができる
「自由研究 241 エヴァンゲリオン編 アメリカザリガニ 初号機仕様」
「自由研究 242 エヴァンゲリオン編 アメリカザリガニ 2号機仕様」

▲両腕の巨大なハサミの開閉や、体節ごとに設けられたジョイントで滑らかに動く腹部も再現。ザリガニ模型としても一級品のアイテムなのだ!

『田園の戦い』

フジミ模型 ノンスケール プラスチックキット
アメリカザリガニ 初号機仕様、アメリカザリガニ 2号機仕様 使用

『田園の戦い』

ディオラマ製作・文/山田卓司

自由研究 241 エヴァンゲリオン編 アメリカザリガニ 初号機仕様
自由研究 242 エヴァンゲリオン編 アメリカザリガニ 2号機仕様

●発売元/フジミ模型●各5280円、10月予定●約23cm●プラキット

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ⓒカラー

山田卓司(ヤマダタクジ)

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