HOME記事スケールモデル國谷忠伸に聞く「フィギュアってどうやって塗ればいいの?」ストリートライダー編 ホビージャパンエクストラ Vol.22

國谷忠伸に聞く「フィギュアってどうやって塗ればいいの?」
ストリートライダー編
ホビージャパンエクストラ Vol.22

2021.09.29
國谷忠伸

 著者として塗装本を刊行するほどフィギュア塗装に精通している國谷忠伸氏をを講師に迎え、初心者にも参考にしやすいようにHow To講座をお届け! 1日という制限時間を設けてタミヤの「1/12 ストリートライダー」を製作。時短仕上げだからといって侮ることなかれ。キット本来が持つ高いスペックと國谷氏の技術が融合した、時短仕上げとは思えないほどの出来映えに仕上がっている。

色別に組み立て
▲塗装のやりやすさを考えてできるだけ色別に組み立てておこう。パーツの合わせ目は目立たないように工夫されているが、一部目立つ部分もあるのできちんと処理は怠らないように
肌色の下塗り
▲顔は肌色の下塗りとしてタミヤの「ファインサーフェイサー(ピンク)を吹いておく」。あまり厚塗りしないように注意しよう
革ジャン下塗り
▲革ジャンはGSIクレオスの「サーフェイサー(ブラック)」で全体を塗装する。こちらは塗り残しがないようにきっちりと吹こう
顔パーツエアブラシ塗装
▲続いて顔パーツはエアブラシで塗装しよう。今回はラスキウスシリーズのホワイトピーチをチョイス。吹き付ける時、顔パーツの水平より下から吹かないようにすると自然な立体感が出る
肌の質感を加え
▲ 薄めたエナメル塗料を使って顔に肌の質感を加えていこう。まず口やアゴ下などにハルレッドを塗る。乾いたらきれいな溶剤でぼかして馴染ませる。ちなみに目の塗装は難しいので今回サングラス仕様にした
きれいな溶剤でぼかして馴染ませる
▲次にフラットレッドとフラットホワイトでピンクを作り、薄めて頬や鼻の頭、唇などに塗る。乾いたらきれいな溶剤でぼかして馴染ませる。この工程をいい感じの仕上がりと思えるまで繰り返す
サングラスのレンズ部分
▲仕上げにサングラスのレンズ部分だけ、エナメル塗料のクリヤーを筆塗りしてツヤ感を出す。少し厚塗りするとそれらしい雰囲気になる
革ジャンエアブラシ塗装
▲革ジャンにテーアシュバルツRAL9021をエアブラシ塗装する。顔を塗る時と同じように角度を維持して塗ると立体感が出る
ファスナー筆塗り
▲良いアクセントになるので、エナメル塗料のシルバーで革ジャンのファスナーを筆塗りして表現しよう
缶スプレーで質感表現
▲革ジャンの表面の質感を缶スプレーで表現してみよう。水性トップコートのツヤ消しを通常より遠くから吹き付ける。表面にクリアーのデコボコを作るイメージで、塗料のミストがふわっとかかるように作業しよう
ジーンズラッカー系塗料
プリビアスブルー、ディープオーシャンブルー、ダークゴーストグレイ

▲ジーンズは混色ではなくラッカー系塗料の透明感を活かした塗り重ねで風合いを再現してみよう。使用するのはプリビアスブルー、ディープオーシャンブルー、ダークゴーストグレイ。まず下塗りとしてプリビアスブルーを全体にエアブラシで塗装する。パーカーの部分はマスキングしなくてもOK

ジーンズディープオーシャンブルーエアブラシ塗装
▲続いてジーンズ全体にディープオーシャンブルーをエアブラシで吹き付ける。多少ムラになっていても構わないので、厚塗りして下塗りを完全に隠蔽しないように注意しよう
ジーンズダークゴーストグレイ吹き付け
▲ももの正面やヒザ、フクラハギの部分はダークゴーストグレイで、調子を見ながら少しずつ吹き付ける。これで本物のような擦れた質感を再現できる
ジーンズダークゴーストグレイで軽くドライブラシ
▲ジーンズは最後にダークゴーストグレイで軽くドライブラシしてディテールのエッジを強調しよう。やりすぎないように注意に
水性アクリル塗料を使い筆塗り
▲パーカー部分を水性アクリル塗料を使い筆塗りで塗り分ける。ジーンズとの境い目のはみ出しには注意しよう。手元に水を用意しておくとはみ出した時にすぐ拭き取れるぞ
グローブにはラッカーのタン
▲グローブにはラッカーのタンに加え、水性であるファレホのレザーも用意した。まずは革の擦れた感じを出すためにタンで下塗りをする
ファレホのレザーで上塗り
▲グローブはファレホのレザーで上塗りする。少しムラになっているくらいでちょうどいい
薄めたエナメル塗料のフラットブラック
▲グローブに薄めたエナメル塗料のフラットブラックで表情をつける。顔と同じように色を広げてぼかすと使い込んだ感じが出てくる
靴タンで下塗り
▲ブーツ同様、革の擦れた感じを出すためにまずタンで下塗りする
フラットブラックで上塗り
▲ブーツはエナメル塗料のフラットブラックで上塗りする。ムラになって出っ張っている部分がやや透けているくらいでちょうどいい
使い込んだ感じを出す
▲ブーツはフラットブラックが乾いたらウェザリングブラシなどの毛の硬い筆で溶剤類はつけずに表面を擦って使い込んだ感じを出す。皮脂でエナメル塗料が落ちるので、指で擦るのも効果的
ニット帽
▲今回はヘルメットを手に持ったポージングを選択したので、ニット帽を使用する。ディテールが非常に細かいので、サーフェイサーの上からダークグレイをスミ入れするだけでも見映えする
スミ入れ
▲ニット帽にスミ入れしたダークグレイを拭き取るが、少し大雑把なほうが自然に見える。拭き取りすぎたらもう一度繰り返そう
ガンメタに仕上げ
▲手に持つヘルメットはガンメタに仕上げることにした。メタリックはエアブラシで均一に塗装したほうがきれいに仕上げる。内装と縁ゴムは後で筆塗りした
ストリートライダー
ストリートライダー後ろ

タミヤ 1/12スケール プラスチックキット

ストリートライダー

製作・文/國谷忠伸



 こちらのHow To講座は、本日発売「ホビージャパンエクストラ Vol.22」の特集 模型用小物の世界にて掲載されております。Part.2ではJKメイトシリーズ&たまごガールズ編として、女性フィギュアの塗装法How Toもご紹介。肌を無塗装&レジンの成型色活かしで仕上げる方法に加えて、レジンキットの製作法やメイクのやり方ももちろんお届けしております。
 他にも、模型シーンで展開されているスケールごとのオススメアイテム紹介や、ミニチュア写真家・見立て作家田中達也氏の作品紹介やイベントレポートに加え、スペシャルインタビューも掲載されておりますので、気になった方はぜひ「ホビージャパンエクストラ Vol.22」をご覧ください!

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