【コードギアス 新潔のアルマリア】ep20「私は……」
2026.08.07『コードギアス 奪還のロゼ』へと続く物語
『コードギアス 復活のルルーシュ』と『奪還のロゼ』をつなぐ『コードギアス』の新たなるストーリー『新潔のアルマリア』。黒の騎士団の追っ手を逃れたマシューが、完全武装した兵士たちとともに神楽耶邸を占拠する。神楽耶の報せを受け、ナイトメアフレームとともに神楽耶のもとに駆け付けるハクバたち。しかし、そこに現れたのは空中でエナジー・ウイングを広げる紅蓮聖天八極式の複製機、グロウエレメンツGだった……。
STAFF
シナリオ 長月文弥
キャラクターデザイン 岩村あおい(サンライズ作画塾)
ナイトメアフレームデザイン アストレイズ
モデル製作 おれんぢえびす、コジマ大隊長
撮影協力 BANDAI SPIRITS コレクター事業部
ep.20|『私は……』
鎌倉にある神楽耶邸。リビングで報告書に目を通している神楽耶のもとへ通話を終えた双葉がやってくる。
「ハクバさんたちは先ほど無事に空港に到着。真っ直ぐこちらに向かっている、とのことです」
「わかりました。Mの素性もわかり、あとは指名手配されたマシュー・ブラキストンが捕まれば……」
その時、屋外から何台もの車両が近付いてくる音が聞こえる。
「これは……」
警戒する双葉に対し、神楽耶は予想していたかのように、テーブルに置いていたカップを持ち上げ、ゆっくりと口を付けた。
「向こうから来たようですね」
生垣を押し倒しながら数台の車両が敷地内に乗り込んでくると、車両から降りてきた完全武装の兵士たちによって瞬く間に邸宅が取り囲まれる。
「な、何者だ?」
神楽耶のSP数人が庭先に出るも、圧倒的な兵士の数を前に為す術はない。せめて神楽耶の盾になるべく、銃を向ける兵士たちの前に立つしかない。そんな状況でも冷静な神楽耶は、腰かけていた安楽椅子から立ち上がって静かに縁側に出、兵士たちの奥に向かって言葉をかける。
「マシュー・ブラキストンですね? 私と話がしたのなら、普通にアポイントを取ってくれればいいだけのことですのに」
「それは失礼」
その言葉を受け、兵士たちの後ろからスーツ姿のマシューが姿を見せた。
「皇神楽耶さまの子飼いに獰猛な狼がいるようなので警戒してしまいました」
「そのためにこれだけ物騒な準備をしてくるとは、あなたはずいぶんと臆病な方なのですね」
「慎重と言っていただきたいものですね」
意図的な挑発に対する返答で、マシューが何某かの切り札を用意していると感じ取る神楽耶。脳裏にフレイヤのことがよぎる。その切り札の情報を聞き出すために一計を講じる。
「ふふっ、どうやらそのようですね。ですが、ご心配なく。その狼さんは留守にしておりますので」
「そうですか」
「はい。とはいえ、せっかくお越しいただいたのです。立ち話もなんでしょうから、お上がりください」
「では、遠慮なく。ただし、おかしなことは考えないように」
「何を異なことを。ただお話しするだけでしょう?」
「ご承知であればよいのです」
神楽耶に促され、縁側から邸宅内に入るマシュー。その際、神楽耶は、控えていた双葉に声をかける。
「双葉、お茶を淹れてください。白茶がいいですね」
「かしこまりました」
頭を下げ、双葉は奥へと下がる。
「白茶とは?」
「茶葉を発酵させずにそのまま乾燥させたもっとも自然に近い製法で作られる茶の一種です。華やかな香りがしますので、楽しみにしていてください」
そう言って笑顔を見せる。
空港から鎌倉を目指して高速道路を走るハクバたちを乗せたワゴンタクシー。その車中で、ハクバ、サトリ、ドクの携帯電話に一斉に着信が入る。
「これは……」
「何かあったの?」
一瞬で強張ったハクバたちの表情を見て、レディ・レディがサトリの携帯を覗き込む。そのディスプレイには、「白毫銀針」とだけ表示されている。
「はく……、何て読むのかしら?」
「白毫銀針、姫様から緊急事態を報せる暗号だ」
「かぐやさまの?」
「うん。白毫銀針は緊急事態でもトップクラスを示す暗号なの」
サトリがMに説明する。
「これだけしか送られて来ないってことは、姫様の邸宅を占拠されたか……」
「もしかしてマシューかな?」
「他の可能性も考えられるが、その可能性がもっとも高いだろうな」
送られてきたメールの内容から、ハクバもドクと同じ考え。
「よし、行き先変更だ」
新宿で高速を降りたワゴンタクシーが路肩に停車する。車から降りたのはハクバとサトリのみ。ハクバは車内に残ったドクに指示を出す。
「ドクはMとレディ・レディを連れて黒の騎士団の日本支部へ」
「えっ? ですが……」
神楽耶を襲ったのがマシューなら、狙いは自分であると理解しているM。同行を申し出ようとするが、ハクバはそんなMを制する。
「マシューのことは大人に委ねると決めただろう? マシューの目的は君だ。黒の騎士団に保護してもらうのが一番安全だろう」
「しかし、かぐやさまが……」
「姫様を助けるのは俺やサトリの役目だ。君じゃない」
そう諭すハクバは優しい。
「ドク、ふたりを頼むぞ」
「わかった。運転手さん、黒の騎士団の日本支部に向かってください」
ドクが運転手に行き先を告げ、タクシーが発車する。名残惜しそうに見るMを笑顔で見送るハクバとサトリ。
「サトリ、わかっているよな?」
「もち! 事務所に急ごう!」
ハクバとサトリも駆け出す。
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