HOME記事スケールモデル新規パーツを加えて再登場したフジミ模型「1/700飛鷹」! 進化したリニューアルバージョンの素性を活かしたディテールアップ作例!

新規パーツを加えて再登場したフジミ模型「1/700飛鷹」! 進化したリニューアルバージョンの素性を活かしたディテールアップ作例!

2026.01.12

日本海軍航空母艦 飛鷹【フジミ模型 1/700】●田中伸治 月刊ホビージャパン2025年2月号(12月25日発売)

日本海軍航空母艦 飛鷹
特撮1

急造空母の枠を超えた、実戦型キャリア

 太平洋戦争開戦直後の昭和17(1942)年7月に竣工した「飛鷹」は、北米航路向け豪華客船「出雲丸」から改装された空母ながら、速力や防御力以外は正規空母「飛龍」に匹敵し、同型艦「隼鷹」とともに重要な戦力として活躍した。「飛鷹」の1/700キットはフジミ模型から2016年に発売されたものが唯一だったが、二一号電探、艦載艇、対空機銃など細部の新規パーツを加えて再登場したリニューアルバージョンをディテールアップして製作。

日本海軍航空母艦 飛鷹
特撮2
日本海軍航空母艦 飛鷹
島型艦橋
▲傾斜煙突と一体化された大型の島型艦橋。日本空母として「飛鷹」型で初めての形式で、正規空母「大鳳」のテストケースとして採用されたといわれる
日本海軍航空母艦 飛鷹
艦首
▲艦首。幅広の船体と高い乾舷が客船の面影を感じさせる。大型の島型艦橋と一体となった煙突は風洞実験の結果から外側に26度傾斜し、搭載機の発着艦時の排煙の影響を少なくしている
日本海軍航空母艦 飛鷹
艦尾
▲艦尾。客船をベースとしているため、正規空母に比べると一段高くなっている。右舷には舵故障時に使用する応急舵が取り付けられている
日本海軍航空母艦 飛鷹
飛行甲板後端
▲赤白の着艦標識が描かれている飛行甲板後端。キットには天山艦攻をはじめ、マリアナ沖海戦時に搭載された零戦五二型/零戦二一型(爆装)/九九艦爆二二型が各4機ずつ付属している
日本海軍航空母艦 飛鷹
飛行甲板前端
▲鉄張りと木張りの境界が独特の飛行甲板。船体は呉海軍工廠色、甲板はタンとつや消しホワイトで調色。甲板の白線はキットのデカールを参考にマスキング塗装
日本海軍航空母艦 飛鷹
12.7cm高角砲、25mm3連装・単装機銃はファインモールドのナノ・ドレッドのものに交換
▲飛行甲板左右の人員救助網、飛行機救助網をエッチングパーツで追加。12.7cm高角砲、25mm3連装・単装機銃はファインモールドのナノ・ドレッドのものに交換した
日本海軍航空母艦 飛鷹
12.7cm高角砲座 アップ
▲舷窓は庇に加え閉塞済みと未閉塞の状態がモールド再現されている。12.7cm高角砲座は別パーツ化されており、床面も一部板張りの厚みと模様を彫刻で再現している
日本海軍航空母艦 飛鷹
特撮3
▲キットは昭和19(1944)年6月マリアナ沖海戦の最終状態を再現。「飛鷹」は海戦2日目の6月20日に米空母機の激しい雷爆撃を受けて沈没した
日本海軍航空母艦 飛鷹
全体 上
▲飛行甲板の滑走制止装置、遮風索、着標などはエッチングパーツに置き換え。移動式滑走制止装置は切り詰めて使用。着艦制動索は伸ばしランナーで製作
日本海軍航空母艦 飛鷹
全体 横
▲舷窓はキットのモールドを0.5mm径のピンバイスでさらって深くしている。組み立て後に0.5mm厚のプラ板を貼り付けてかさ上げし、舷側の高さを増している
日本海軍航空母艦 飛鷹
飛行甲板 アップ
▲キットの飛行甲板は前後二分割。継ぎ目が前部の滑走制止装置にあるため、エッチングパーツの滑走制止装置を配置すれば継ぎ目処理をカバーできる
日本海軍航空母艦 飛鷹
マリアナ沖海戦の第一次攻撃隊を再現。大量に戦闘機が配置されている
▲マリアナ沖海戦の第一次攻撃隊を再現。零戦五二型と二一型(爆戦)はピットロードの日本海軍機セット(透明)、天山はWL搭載機セット(透明)を使用した
日本海軍航空母艦 飛鷹
艦橋
▲艦橋は密度の高い仕上がり。窓枠や二一号電探をエッチングパーツに置き換え、マスト類も0.3mm 、0.2mmの真鍮線および伸ばしランナーで作り直している

 日本海軍航空母艦飛鷹の前身は1940年開催予定の「東京オリンピック」に対応して計画された日本郵船の貨客船「出雲丸」です。同船は優秀船舶建造助成施設の適用対象であり昭和14年11月に起工されています。昭和16年2月に日本海軍より買収、特設航空母艦として改装され昭和17年7月に竣工しています。同艦の戦歴としては機関の故障、潜水艦の雷撃による損傷等により大きな海戦に参加できず、実質的な初陣のマリアナ沖海戦にて航空攻撃により撃沈され地味な印象がありますが、ミッドウェー海戦後に再建された日本海軍機動部隊の中核として活躍した有力艦でした。
フジミの飛鷹について
 フジミの飛鷹は約8年前に発売され、インジェクションキットとしては初めてのキットであり当時大変喜ばしく思いました。今回のキットは通常の再販キットと思っていたのですが、21号電探、艦載艇、舷灯等の精密部品が用意され製作者の技量にしたがって選択できるようになっており内容が進化していました。
船体について
 左右分割式の船体で補強桁にて補強されており組立てやすく強度も問題ありません。舷側のモールドも1/700としては十分な解像度だと思います。舷窓については0.5mmのピンバイスでさらっています。組み立て後舷側の高さが少し足りないようにおもいましたので0.5mmのプラ板を貼り付けてかさ上げしています。
艦橋部分について
 窓枠はエッチングパーツに置き換え、21号電探もエッチングパーツ(ジョーワールド製)に置き換えしています。マスト類も0.3mm 、0.2mmの真鍮線および伸ばしランナーで作り直しています。実艦と同様に多くの双眼鏡がセットされており精密感ある仕上がりとなります。煙突については従来の空母と異なり大鳳のテストケースとして26度に傾斜した艦橋と一体化したものとなっています。この煙突についても頂部をエッチングパーツに置き換えしています。艦橋の下部の甲板、船体の接着部分については層ができてしまいますが今回の作例では瞬間接着剤で固めて削り込むことにより平滑に仕上げています。
飛行甲板及び航空艤装について
 飛行甲板は2分割により構成されています。この形式の場合、モールドが繊細なキットであればあるほど甲板の接合に苦労することになりますが、本キットの甲板の分割はちょうど前部の滑走制止装置の部分にあり、エッチングパーツ製の滑走制止装置を配置することで接合部分をカバーできるので大変ありがたく思いました。他の滑走制止装置、遮風索、着標等もエッチングパーツに置き換え、着艦制動索は黒色の伸ばしランナーで製作しています。移動式の滑走制止装置は適当なパーツがなかったので手持ちの滑走制止装置のエッチングパーツを切り縮めて製作しています。人員救助網、飛行機救助網もエッチングパーツで追加しています。今回は飛行甲板部の21号電探を取り付けてみました。電探基部はピットロード装備品セット6の21号電探のもの、電探の本体はジョーワールドのエッチングパーツで伸ばしランナーでディテールを追加しています。
武装について
 12.7cm高角砲、25mm3連装・単装機銃、機銃射撃装置はいずれもファインモールドのナノ・ドレッドのものを使用しています。九四式高射装置はピットロードの装備品セットより調達しています。
搭載機について
 マリアナ沖海戦における第一次攻撃隊を再現しています。零戦五二型、二一型(爆戦)ともに数を揃えるためピットロードの日本海軍機セット(透明)を使用しています。キットに統一感を持たせるため両型ともWL搭載機五二型の機首を移植しています。天山はWL搭載機セット(透明)のものです。それぞれファインモールドのエッチングセットにより主脚、増槽、25番爆弾を追加しています。
塗装について
 船体はGSIクレオス Mr.カラーC601の呉海軍工廠色、甲板はMr.カラーC44タンをMr.カラーC62つや消しホワイトで調色したものです。人員救助網・飛行機救助網にはMr.カラーC131赤褐色を使用しています。甲板の白線等はキット付属のデカールを参考にマスキング塗装をしています。

フジミ模型 1/700 スケール プラスチックキット

日本海軍航空母艦 飛鷹

製作・文/田中伸治

日本海軍航空母艦 飛鷹(昭和19年/あ号作戦)
●発売元/フジミ模型●4840円、発売中●1/700、約31.3cm●プラキット


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田中伸治(タナカシンジ)

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