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フジミ模型1/700「航空巡洋艦 最上」をハードにディテールアップして昭和19(1944)年仕様に製作!

2022.05.04

日本海軍航空巡洋艦 最上 昭和18年〜19年【フジミ模型 1/700】 月刊ホビージャパン2022年6月号(4月25日発売)

最上 左斜め

二度の変転で航空巡洋艦に進化した条約型巡洋艦

 月刊ホビージャパンではこれまで空母「ヨークタウン」、「レキシントン」、戦艦「サウスダコタ」などのWWIIアメリカ海軍艦艇を手がけてきた中国人モデラー・劉陽氏が、ついに日本海軍艦艇にチャレンジ! セレクトしたテーマは、条約下に軽巡洋艦として生を受け、戦争直前に重巡洋艦へ、さらに改修により航空巡洋艦へと変転の艦歴をたどった「最上」だ。約10年前に発売されたフジミ模型の1/700スケール傑作キットをベースに、エッチングパーツなどを駆使しハードにディテールアップ。さらに後部に対空機銃などが増設された昭和19(1944)年仕様として製作!

最上 右斜め
最上 砲台 アップ
最上 飛行機台 アップ
最上 右側面
▲「最上」は15.5cm三連装砲塔5基の「軽巡洋艦」として竣工したが、太平洋戦争前に20.3cm連装砲塔5基に換装し「重巡洋艦」へと変貌。さらにミッドウェー海戦後の修理時に後部の砲塔2基を撤去、飛行甲板を設置し「航空巡洋艦」となった。
最上 左側面
▲フジミ模型の1/700「最上」は、2012年に航空巡洋艦のキットを発売後、2019年に船体をはじめほとんどのパーツを新金型に変えて重巡洋艦時を再現した「日本海軍重巡洋艦 最上(昭和17年)」がリリースされている
最上 見張り台 アップ
▲前方の20.3cm連装砲塔と艦橋。エッチングパーツを中心としたディテールアップパーツを使用し、クローズアップでも破綻のない再現度を実現している
▲左舷から見た艦首付近。舷側や甲板、砲塔の細部表現に、ロープや搭載物などのランダムな要素を加えることで見た目にアクセントを付ける
▲艦尾の飛行甲板は1944年時の状態に改造。裏側の補強材もエッチングで再現。艦載機の零式水偵と零観はいずれも3Dプリント技術を駆使した特注品
▲甲板のモールドは完全に削り落とし、前部の錨鎖甲板をAKAモデルのディテールアップパーツに置き換え。アンカーチェーン、ボラードなどは金属パーツを使用
▲飛行甲板は対空機銃座を増備した1944年時とするため、AKAモデルのエッチングパーツを基にプラ板などで作り直し。下面の補強材は適宜流用する
▲飛行甲板の下にある甲板にも、機銃座、ラッタル、支柱などのディテールを加える。完成後は見えづらくなるので、多少省略しても問題ないだろう
▲艦橋、前マスト、煙突など艦中央部のディテールアップ。艦橋トップの測距議、両側面の射撃装置、12.7cm高角砲などはレジンパーツを使用している
▲艦橋の各階層は、プラパーツを整形し水平・垂直を取り、エッチングパーツのフロアを仮止めしてゆがみや傾きをチェック。必要に応じて修正しておく
▲飛行甲板の取り付け。滑り止めモールドの上に飛行機移動用の軌条、ターンテーブル、吸排気口などを追加。この時点で下部甲板の塗装は完了している
▲船体の塗装。リノリウム甲板と船体を塗り分けた後、リノリウム甲板にはエッチングパーツの押さえを貼り付け。別途塗装した上部構造物や艦載艇なども取り付けていく
▲艦載機や各種搭載物などを加えつつ、ウェザリングを施したら、ツヤ消しクリアーをかけて全体のトーンを統一させる。この後は張り線を取り付けていけば完成だ

■実艦について
 海軍大国による大型艦の建造を制限するため1922年に締結されたワシントン海軍条約はいわゆる「海軍の休日」をもたらし、列強間の海軍軍拡競争の勢いをある程度抑えたが、今度は「条約型重巡洋艦」をめぐって8年間にわたり激しい競争が生じることになった。この抜け道を塞ぐために1930年4月、日米英の3国はロンドン海軍条約を締結し、巡洋艦以下の艦船の総トン数、個艦トン数、主砲口径を規定した。日本海軍は「高雄」型の竣工により重巡洋艦の総トン数と隻数の限界に達していたため、1931年、「昭和6年度第1次艦艇補充計画」(①計画)により8,500トン級4隻の軽巡洋艦(二等巡洋艦)の建造を開始、軽巡の命名規則によりそれぞれ「最上」、「三隈」、「鈴谷」、「熊野」と命名された。
 1936年に竣工した1番艦「最上」は、1940年に主砲を20cm連装砲塔5基に換装、重巡洋艦として太平洋戦争に参加。1942年6月のミッドウェー海戦では僚艦「三隈」との衝突や航空攻撃により損傷を受けたが、その修理と同時に、機動部隊の偵察能力不足を補うため4・5番砲塔を撤去し水上機11機を搭載可能な飛行甲板を新設、1943年4月に航空巡洋艦に改装された。「最上」は1944年昭10月25日比島沖海戦で、スリガオ海峡の米水上部隊との戦闘で損傷、ミンダナオ島付近で自沈処分となった。

■キットについて
 航空巡洋艦時の「最上」を製作するにあたり、キットはフジミ模型「日本海軍航空巡洋艦 最上 昭和18年~昭和19年」を選択しました。2012年発売のキットですが全体的にはよい出来で、特にパーツのはめ合わせが非常に良好です。
 ディテールアップパーツはAKAモデル「航空巡洋艦 最上 エッチングパーツセット」(品番DX7002)を使用、さらに細部については汎用エッチングパーツも併用しています。水上機は3Dプリントされたパーツを修正、レジンで再注型した特注品です。

■製作
 まず船体を接着後、甲板と舷側のモールドを完全に削り落とし、AKAモデルのディテールアップパーツに置き換えます。前部の錨鎖甲板はエッチングパーツ、金属パーツ、金属製のアンカーチェーン、レジンパーツなどを使って細部まで作り直しています。AKAモデルのパーツは1943年時の設定ですが、作例では1944年時の状態とするため、エッチングの飛行甲板は使用せず、全面的に作り直しました。船尾に0.3mmプラ板で機銃台を追加しています。
 飛行甲板の下面にもディテールを追加しています。ただこの部分は最終的にはほとんど見えなくなってしまうので、多少シンプルにしてもかまわないと思います。
 飛行甲板を仮置きして、実際の高さに対応して側面のすべての支柱を作ります。また舷側の溶接継ぎ目などを付けた後、消磁電路、舷窓、閉塞カバー、排水管などを接着します。
 前方の20.3cm連装砲塔は、AKAモデルのエッチングパーツと金属砲身を取り付けます。艦橋もキットのプラパーツとAKAモデルのエッチングパーツを組み合わせます。事前に主要パーツを整形して仮組みし、ディテールを追加する前に水平と垂直を確認しておきましょう。
 煙突は接着跡を残さないように注意。中央部の高角砲や機銃台も仕上げます。12.7cm連装高角砲はレジンパーツ、25mm機銃類はエッチングパーツを使用しました。後部艦橋やマスト類などもモジュールごとに組み立ててから船体に仮置きし水平・垂直方向のアライメントを確認。微調整を行います。

■塗装と仕上げ
 まず船体後部の飛行甲板の下になる部分を塗装しておきます。仮止めしていた飛行甲板を取り外して塗装とウェザリングを行い、雑然とした雰囲気を出すためロープ、水上機の予備フロート、主翼なども配置しました。
 飛行甲板は裏側を塗装した後で船体に取り付け。リノリウム甲板部分をマスキング後に船体色で塗装。リノリウム甲板にはエッチングパーツのリノリウム押さえを貼り付け、各モジュールも船体色で塗り分け後に船体に取り付けます。
 船体各部をウェザリングし、全体的に古びた感じに。飛行甲板に零式水偵と零式観測機を搭載し、他にも艦載艇やロープなどを搭載します。甲板上の装備品など細部に手を加え、全体をツヤ消しに仕上げたら、航空巡洋艦「最上」の完成です。

フジミ模型 1/700スケール プラスチックキット

日本海軍航空巡洋艦 最上 昭和18年~昭和19年

製作・文/劉陽

日本海軍航空巡洋艦 最上 昭和18年~昭和19年
●発売元/フジミ模型●3850円、発売中●1/700、約20.7cm●プラキット

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劉陽(リュウヤン)

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