【コードギアス 新潔のアルマリア】ep10「なんだかいやな予感がする」
2025.10.05 沿岸部に接舷した揚陸艇から次々にリビングナイツのサザーランドが上陸してくる。その数は6機。
「こちらフェリタ部隊、上陸に成功。信号を発している地点に向かいます」
隊長のフェリタは、司令部である潜水艦ブリッジに報告すると、3機ずつ二手に分かれて、オルフェウスの拠点であるビルへと向かう。
正面道路へと出た3機のサザーランド。発信機が放つ光点を目指して無人の漁村を進む。
「一切人気がないな……。ここにピュアエレメンツGのパイロットが……」
ファクトスフィアを開いてサーチしていたサザーランドのセンサーに反応が出る。
「これは……?」
「あああっ!」
サザーランドの不意を突くかたちでビルの陰から飛び出した新月が、腕のチェーンガンを先頭のサザーランドに向かって放つ。
「て、敵襲! うわあっ!」
何十発もの弾丸を浴びて爆散する先頭のサザーランド。すかさずその陰から出た別のサザーランドが、手にしたアサルトライフルを新月に向けて撃つ。
「う、うわっ!」
咄嗟に展開したブレイズ・ルミナスで防御するサトリ。
「このナイトメア、ホノルルにいた奴か! コーベット、油断するなよ」
「わかってる!」
編隊を組んでいたもう1機のサザーランドが肘に装備したスタントンファーで殴り掛かる。
「くっ! こんなところで!」
片腕のブレイズ・ルミナスを解除した新月、刃を展開しながら、殴り掛かってくるサザーランドへ向けて攻撃を繰り出す。
「負けてられないんだから!」
一方、裏路地側から光点を発するオルフェウスの拠点を目指していたサザーランド部隊が急停止する。
「フェリタ隊長! アイエロとの通信が途絶えました。会敵したようです」
「ピュアエレメンツGか?」
「わかりません」
「仕方ない。先にそちらを叩く」
「イエス、マイロード!」
隊長のフェリタの指示で再び動き始めるサザーランドたち。その様子をビルの上から静かにハクバが見守っている。
「う、嘘だろ」
新月の統合兵装の刃によって深々と貫かれたサザーランドが爆散する。
「やった!」
喜んだのもつかの間、その隙を突かれ、残ったサザーランドの銃撃を受ける新月。右腕を破壊されてしまう。
「きゃあっ! だけど、これぐらい!」
残った左腕で試作型熱斬刀を取り出し、反撃に転じるサトリ。袈裟斬りにしてサザーランドを行動不能に追い込む。
「や、やった……」
肩で息をするサトリ。敵部隊を制圧し安堵するも、コックピット内に敵機の接近を知らせる警告音が響く。モニターを確認すると、もう一方のサザーランドが3機向かってくるのが見える。
「まだいる……、でも!」
残った左腕で熱斬刀を構える新月。
「隊長! アイエロたちが!」
「あの白い奴がやったのか。いくぞ」
「悪いな」
「なに?」
新月を敵と見定めたフェリタのサザーランドを味方であるはずのサザーランドが背後から銃撃する。
「隊長!」
「えっ?」
突然の同士打ちに驚くサトリ。隊長機を撃墜したサザーランドが残るもう1機にアサルトライフルの銃撃を浴びせる。
「大丈夫か、サトリ!」
新月のコックピット内にハクバの声が響く。味方を攻撃していたかに見えたサザーランドにはハクバが乗っていた。最後尾を走っていたサザーランドを奪取していたのだ。
「ハクバ……」
ハクバの声に安堵するサトリ。
「ここはいったん引くぞ。その状態じゃあ……、っ!」
「これは!?」
ふたりのコックピットに警告音が鳴り響く。一斉に避ける2機。着弾したバズーカの砲弾がさっきまで2機がいた地面に穴を開ける。
「何だ、あの機体は?」
ハクバが砲撃された射線を追うと、両腕にバズーカを抱えた重装備のナイトメアが向かってくる。グラナードが搭乗するナイトメアフレーム“プロブディフ”、イワンがLDM計画によって複製したモルドレッドをグラナード用に改修した機体だ。
「ふむ。またあの白い機体か。ピュアエレメンツGと何か関わりがあるのか?」
グラナードもモニターに映る新月をまじまじと見る。
「形状から見るにモルドレッドの系列機のようだが……。航空戦力相手じゃあ分が悪い。サトリ、先に逃げろ! ポイントC3P448に向かえ!」
「でも!」
「話はあとだ」
「……」
「あとでちゃんと話をしよう。さっきは悪かったな」
「ハクバ……。わかった。ちゃんと戻ってきてね」
そう言うと、苦渋の表情を浮かべたサトリは、新月を転進させて街のほうへと向かう。
「わかってるよ」
逆にハクバのサザーランドは向かってくるプロブディフのほうへ走り出す。
「白いのが逃げる? そうはさせん」
「新月に向かうと思ったよ」
ハクバは、近くのビルの上層部にスラッシュハーケンを突きさし、大きくスィングバイすることで空中に飛び上がる。そして、プロブディフよりも高く上がったところで、もう一方のスラッシュハーケンをプロブディフの足に巻き付けた。
「ぐっ! サザーランドであの動き、何者だ?」
プロブディフが空中でサザーランドに向けてバズーカを撃つがあたらない。その間にもハクバはワイヤーを巻き取ってプロブディフ本体に取りつこうとする。
「ええい。バズーカは不向きか。ならば、押し潰してくれる!」
サザーランドに取りつかれたプロブディフは新月を追うのを諦め、サザーランドを地面に押し付けるように降下する。
「ぐううっ!」
激しい衝撃がハクバを襲う。地面に押し付けられた左腕が砕けるなか、ハクバはプロブディフを巻き取っていた側のワイヤーを切り離す。その衝撃で何とかプロブディフと地面の板ばさみから逃れることができた。
「自らワイヤーを切ったか。判断力もなかなかのものだ。だがな!」
何とか立ち上がるサザーランドに向かうプロブディフ。圧倒的なパワーでサザーランドの残っている右腕をももぎ取る。
「ふはははっ! さすがはナイトオブラウンズが使っていた機体をベースにしただけある。パワーが段違いだな!」
楽しそうにサザーランドをいたぶるプロブディフ。一方のサザーランドのコックピット内は警告音が鳴りっぱなしになっている。
「こいつはマズいな……」
「どうした? もう終わりか?」
サザーランドにとどめを刺さんとしたその時、プロブディフのファクトスフィアが遠方からの砲撃を感知する。
「うん?」
慌てて身をよじるプロブディフ。その甲斐あって、コックピットへの直撃は免れ、フロートが破壊されるにとどまった。続いて二射目が来るが、これはブレイズ・ルミナスを張って防御する。
「くっ! 他にもいるのか」
「ちっ! コックピットを外した」
撃ったのは、遥か遠くで六式衝撃砲を構える業火白炎。
「七式がないと、これ以上は無理か」
「ハクバ……」
心配そうなドク。それもそのはず、プロブディフの周りに何隻もの揚陸艇が近づいてくるのが、双眼鏡越しに見えるのだ。
オルフェウスの一撃のおかげで一命をとりとめたハクバだったが、限界を迎えたサザーランドはコックピットブロックを射出。その周りをリビングナイツによって取り囲まれてしまう。観念して両手を上げてコックピットブロックから出てくるハクバ。
「ジョゼフ・グラナード……」
ハクバがプロブディフから降りてきたグラナードを睨むと、グラナードは楽しそうに微笑む。
「貴様が何者か、じっくり教えてもらうとしよう」
ep.10 END
キャラクター設定
新キャラクター登場!!
サトリの父の命を奪ったグラナードや大手製薬会社のふたりの設定画稿を公開!!
【コードギアス 新潔のアルマリア】
-特別エピソード-
-本編-
ep.10『なんだかいやな予感がする』 new ←いまココ
オズやマリー、業火白炎について詳しくは…
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