発売から約13年、アメリカ空軍超音速戦闘機「コンベア F-102A デルタダガー」を丹念に仕上げる【モンモデル】
2025.09.09アメリカ空軍センチュリーシリーズの三番手
F-100スーパーセイバーに始まる100番台のアメリカ空軍「センチュリーシリーズ」超音速戦闘機群は、いずれもユニークなキャラクターを持つ機体ばかり。1955年に配備が始まったコンベアF-102デルタダガー(「三角の短刀」)は、水平尾翼のないデルタ翼型式や、胴体にくびれを付けて超音速飛行時の空気抵抗を低減する「エリアルール」理論を採用したことで有名だ。モンモデルが2012年にリリースした1/72キットでじっくりと熟成モデリング!
独特のデルタ翼を持つ、超音速迎撃機
■実機について
超音速戦闘機の開発が急ピッチで進んでいた時代に、アメリカ空軍は「センチュリーシリーズ」と銘打って超音速戦闘機を続々と生み出した。第一弾として制式採用されたのはノースアメリカンF-100スーパーセイバーで、次に制式採用されたのがマクダネルF-101ブゥードゥー。これに続いて制式採用されたのがこのコンベアF-102Aデルタダガーだ。この機体は要撃戦闘機で、後退角60°の後退翼を持つデルタ翼と、空対空ミサイルは胴体下面のウェポンベイ内に収納するユニークな発想が採用された。
F-102Aは主にアメリカ国内の戦闘要撃飛行隊(FIS)に配備されたが、後にヨーロッパと日本を含むアジア方面にも配備され、ベトナム戦争が勃発すると基地防衛任務のため現地に派遣された。派生型は、戦闘機としては珍しいサイドバイサイドの複座型(TF-102A)が存在したのみだった。
この初期のジェット戦闘機のキットは意外と少なく、F-102Aは1/48がモノグラム、1/72がハセガワから発売されていたのみだったが、2012年にモンモデルから1/72のF-102Aが発売された。
■製作
モンモデルのキットは、主翼先端の形状が異なる前期型のF-102A Case Xと、後期型のF-102A Case XXが発売されている。製作意欲満々で、発売と同時に2個購入し、完成にこぎつけた。
キットのコクピットは計器パネル、シート、操縦桿など最低限のパーツで構成され、メーター類はデカールが用意されているが、サイドコンソールは付属していないのでメーター類は塗装したほか、シートベルトはマスキングテープで再現した。胴体はシンプルな左右分割で、コクピットのほか、主脚収納庫とエンジンパーツを組み込むが、エンジンノズルは塗装を済ませてから最後に取り付けている。ウェポンベイは主翼下面に固定してから胴体に接着するが隙間が生じることがなく組むことができる。F-102Aは単純なスタイルなので、最近のステルス戦闘機と同様にアピールするポイントが少ない機体だが、胴体下面のウェポンベイドアは開閉が選択できるので、眼を惹くポイントとして白と赤で塗り分けられたAIM-4ファルコン空対空ミサイルが見えるようにドアを開けたほか、キャノピーとエアブレーキも開放状態としている(キットには、閉じた場合のウェポンベイドアと、飛行中を再現する脚収納庫カバーの専用パーツが付属している)。
■塗装について
F-102の基本的なカラーリングは、戦闘要撃飛行隊の標準塗装となる全面エアクラフトグレイ。当時の機体は脚収納庫内部と脚カバー内側は機体内色、脚柱とタイヤのホイールは無塗装で、F-102Aのピトー管は危険防止のため細い赤のストライプで塗られているほか、ベトナムに派遣された機体は迷彩塗装が施された。デカールはエアクラフトグレイの第431戦闘要撃飛行隊と第327戦闘要撃飛行隊、ベトナム迷彩の第497戦闘要撃飛行隊の計3機分が付属している。作例ではデビルの横顔を描いた第431戦闘要撃飛行隊を選択、国籍標識のみ別売りデカールを流用した。
モンモデル 1/72 スケール プラスチックキット
アメリカ空軍超音速迎撃機
コンベア F-102A デルタダガー
製作・文/石原肇
F-102A デルタダガー(Case X)
●発売元/モンモデル、販売元/GSIクレオス●5060円、発売中●1/72、約29cm●プラキット
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製作途中で放置されているキット多数あり。この中からやっと完成したのがF-102A。それにしても毎日クソ暑い!!