NISSAN フェアレディ 240ZG
2021.07.10世界を魅了した伝説の名車を畠中浩がキットレビュー!!
「OPEN THE BOX」にて、随所に組みやすさや塗装のしやすさへの配慮がなされた、タミヤの「フェアレディ 240ZG」の優れたパーツ構成については充分理解されたと思う。続いては、月刊ホビージャパンモデラー畠中浩の製作による作例で、実車の魅力を余すことなく再現した、その美しいフォルムをじっくりお楽しみいただこう。もちろん製作時の注意点なども合わせて解説しているので、皆さんもぜひ参考にしていただきたい。
最近、各社から旧車のキットがたくさん発売されていますが、これまたすごいキットの登場です。古い車ですが最新の技術で作られた240ZG、早速作っていきましょう!
■まずはボディから
ここ最近の高精度さには毎度驚くばかりですが、今回もハンパないです。ただ、精度が高いがゆえに塗装後に隙間がきつくなったりはまるパーツがはまらなくなる部分もあるのであらかじめ仮組みをして確認、調整をしなければいけません。また、リアゲート後部など、精度が高いとはいえ成型のやむを得ないヒケもあるので一度サーフェイサーを塗装してしっかり確認、処理を行いましょう。他に、バージョン違いを期待していいのか事前に穴を開けなければいけないところが多数あるのでピンバイスとドリルを購入する必要があります。これは持っていて損する物ではないので、例えば穴を開けにくい針などは無理に使わず専用の物を用意しましょう。ボディのパーツは最終的に全体を1000番程度の紙ヤスリやスポンジやすりを使ってきれいにならして塗装に備えておきます。
■エンジン
単体で展示できるくらい完成度の高いエンジンが入っていますが、省略されている補器類も多いので今回は難しいことはせずプラグコードのみ追加しました。キャブ周りも細かい彫刻が入っているので塗装だけでも充分リアルに仕上がりますよ。
■ボディの塗装
240ZGといえばボディカラーはやはりマルーンということで、購入しやすいタミヤのラッカースプレー、TS-11を使用。紙コップに吹き付けて取り出した塗料をエアブラシに移して塗装しました。この塗料は色味とは裏腹にとても透明感のある塗料なので、ボディパーツは極力組んだ状態で塗装し、一度で色を決めようとせずに乾かしながら何度も吹き付けると上手く行くでしょう。その後、ヘッドライト周りやウインカー部など、メッキパーツがはまる部分のことも考えラッカークリアーで仕上げてあります。ウレタン塗料を使う場合はパーツがはまる窪みに塗料を溜めないよう気を付けてくださいね。窓枠の黒塗装ですが、作例では溶剤でメッキ層を痛めないようメッキパーツに一度クリアーをかけ、エナメル塗料の半ツヤ黒で塗装後、エナメルシンナーを染み込ませた模型用の硬い綿棒で頂点部分のみ軽く拭き取っています。塗膜を痛めないといわれるエナメル溶剤でも擦りすぎると元から塗られているクリアーの塗膜を痛めるので保険の1層ということです。メッキの装飾パーツが結構多いので最後の仕上げは時間をかけてゆっくり作業しましょう。
■最後に
ドア以外、フルオープンを作れと言わんばかりのパーツ分割は非常に心をくすぐられますね(笑)。ビギナーからマニアまで幅広く楽しめる良キットです。皆さんもぜひ!
タミヤ 1/24スケール プラスチックキット
NISSAN フェアレディ 240ZG
製作・文/畠中浩(ももふく模形舎)
NISSAN フェアレディ 240ZG
●発売元/タミヤ●4620円、発売中●1/24、約17.9cm●プラキット