筆塗りで「PLAMAX 1/72 VF-1S ストライクファイターバルキリー スカルリーダー」の迫力アップ!お手軽スタンピングで雰囲気を盛り上げる!【筆塗りTribe】
2025.05.08
筆塗りTribe/VF-1S ストライクファイターバルキリー マクシミリアン・ジーナス【マックスファクトリー 1/72】 月刊ホビージャパン2025年6月号(4月24日発売)
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スタンピングスタート!
▲スタンピングは、少量の塗料を含ませた筆先で、トントンとパーツ表面を細かくつつくように塗る方法。少し筆先がばらけたものを使うと、よりランダムな表現が可能だ。明灰白色(1)で、パーツ全体をトントンと塗っていく
▲平筆で塗った筆跡と、スタンピングによるまだらな塗面が生まれる。ここでも下地のサフの色を隠蔽しすぎないように注意
▲まだ1色しか塗っていないが、筆の動かし方を工夫することで、独特のテクスチャーが生まれる。清水圭もまさにその表現を探りながら筆を動かしており、その筆致が結果としてパッケージイラストの様な質感にも通じるものとなっている
▲次にSSDブラシの丸筆に持ち替えて、グランプリホワイトを一部のパネルラインに塗る。これは実際のF-14などに見られる塗装の補修である「タッチアップ塗装」をイメージ
▲ただし、全パネルラインに施すのはおすすめしない。タッチアップされているところとされていないところがあることで、白の色味にメリハリが出るのだ
▲タッチアップを描き込んだ状態。このあとスタンピングで全体にグランプリホワイトを塗って、タッチアップ部分を馴染ませていく
▲面の中央にグランプリホワイトをスタンピング。筆先に付いた塗料の粒をトントンと付けていき、テクスチャーをコントロールする
▲こんどはタッチアップ部分を馴染ませつつ、塗り潰さないように少し薄めの塗料で優しくスタンピング。写真のように微細な泡が出ても、薄めの塗料なら乾燥する時に消えるため気にしない
▲機体色完成。細かなスタンピングによって生まれたテクスチャーは、パッケージアートに描かれるようなCGイラストの雰囲気にも似ている。この上からダークブラウンでウォッシングすることで各部の色味がより馴染み、さらに雰囲気ある塗面になる
▲パックの大型ノズル内はツヤをしっかりと落とすことで、使い込まれた雰囲気を表現。タミヤ ウェザリングマスターB「スス」を中心部に擦り付けたのち、A「ライトサンド」で開口部の焼けを表現している
パックの塗装
▲まずはジャーマングレーを薄く平筆で塗っていく。メカサフ ヘヴィのグレーと少し色味が似ているのでついつい厚塗りになりやすいが、まずは「色が少し変わったかな?」くらいに留めておこう
▲ジャーマングレーでスタンピング。このスタンピングでしっかりとジャーマングレーを発色させていく
▲パックのモールドにも一部ニュートラルグレーでタッチアップ塗装を施すことで、パネルラインを意識させるアクセントになる
▲機体色と同じように、タッチアップ塗装部分を馴染ませながら、全体にニュートラルグレーをスタンピングしていく
青の塗装
▲青い部分はデカールも付属するが、今回は塗装で表現。まずは1色目のミディアムブルーを塗る
▲青の2色目はみず色をスタンピング。一気に明るくなるので、塗料の薄さと筆先に含む量に注意しよう
▲パックの一部には作例のオリジナルで青を追加し、マックス機の意匠も盛り込んで製作。こういった少しのアレンジも模型らしい楽しみ方だ。スタンピングによる雰囲気も確認してほしい
細部塗装
▲バーニアノズルはメカサフの色を活かし、その上から少量の明灰白色(1)をスタンピング
▲関節部分もバーニアノズルと同じ塗り方を施している
▲黒の箇所は、そのまま黒を塗るとメリハリが付きすぎて全体の雰囲気から浮いてしまいそうだったので、黒に近いファントムグレーを塗装
▲脚部の赤い部分はデカールも付属するが、こちらはモンザレッドで塗装した
▲フィギュアは顔の取り付け角度を変えて、横を向かせた。これだけでも飛行機模型に動きを持たせられる。また機首は平筆による雨だれのような筆跡を残し、スタンピングの本体とイメージを変えている
▲デカールはそのまま貼っただけの状態だと、発色が良すぎて清水式の雰囲気に合わない。青は上からみず色を筆塗りして、周囲のトーンと合わせている
▲赤もうっすらとグランプリホワイトを塗装して、少しヤレた雰囲気を表現。黒のラインの上にはファントムグレーでタッチを加えている
▲可変翼の根元に、F-14にも見られる汚れを施してみる。まずは翼が折り畳まれた時に隠れる部分をシャープペンでなぞり、アタリを取る
▲そのあとガイアエナメル「オイル」で汚れを描き、タミヤ ウェザリングマスターB「スノー」を上塗りして馴染ませる。筆や綿棒を使用して、くっきりとしたシャープな線とぼやけた線を混在させると、よりらしくなる
▲武装はネオジム磁石での接続に変更。可変翼に合わせて好みで取り外しできるようになる
▲チッピングは少量ずつごく細かく、主翼の前縁などダメージを受けやすい箇所を中心に入れていく
お手軽かつ効果的な「スタンピング」で見せるVF-1
待望の筆塗りトライブ! 第1回以来の登場となりました。今回はPLAMAXのVF-1S ストライクバルキリー。ディテールもいい感じに深くて筆塗りが捗りそうです。
今回はVF-1のデザインモチーフとなったアメリカ海軍機F-14 トムキャットのイメージを盛り込んだ塗装でやっていこうと思います。具体的にはよりグレーに近い機体色での仕上げ、そしてウェザリング表現です。基本的に使用するのは水性ホビーカラー、下地塗装後にまず各色1色目を塗装、少し明るい色を2色目として重ねて色を表現していきます。使用したカラーはHow to記事内に詳細に紹介されていますので、そちらを参考にしてください。
タッチを変えるためにノーズコーン、主翼のみ方向性を決めた筆運びで塗装し、そのほかは筆を縦にして色をスタンプしていく「スタンピング」で塗装していきます。これによりカラーがまだらに構成され、海軍機特有の塗面の荒れを再現できます。
また、2色目のスタンピング前に機体各部のパネルラインに沿って2色目を丸筆で塗っていきます。これはF-14に見られる塗装の補修跡を再現するためで、この上から同色をスタンピングしていくことで、うっすらとこの補修跡が浮かび上がってきます。
以降、デカールを貼って、チッピング、トップコート、ウォッシング、拭き取りとなります。チッピングは傷というよりは宇宙空間に漂う「塵」をイメージしてごく小さく入れていきます。また最後にこれもF-14にも見られる可変翼基部の汚れを再現してもう満腹です、堪能しました!
マックスファクトリー 1/72スケール プラスチックキット PLAMAX VF-1S ストライクファイターバルキリー スカルリーダー使用
VF-1S ストライクファイターバルキリー マクシミリアン・ジーナス
製作・文/清水圭
PLAMAX PX08 1/72 VF-1S ストライクファイターバルキリー スカルリーダー
●発売元/マックスファクトリー、販売元/グッドスマイルカンパニー●5940円、発売中●1/72、約19cm●プラキット
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