HOME記事工具・マテリアル荒れないヤスリでゲート処理!! ガラスヤスリ&単目ヤスリを使ってみよう【いまさら聞けないプラモデルの基礎:ゲート処理特別編】

荒れないヤスリでゲート処理!! ガラスヤスリ&単目ヤスリを使ってみよう【いまさら聞けないプラモデルの基礎:ゲート処理特別編】

2025.05.03

初めてでも安心!プロモデラー「ノモケン」と学ぶプラモデルの入り口!! File.07

< [前のページ]

ガラスヤスリでゲートを処理する

 ガラスヤスリで実際にゲートを処理してみます。ゲートを少し残して切り、それから再びニッパーで切ったり、ナイフやヤスリで整える方法は以前に紹介しました。その整える段階をガラスヤスリで仕上げていきます。ガラスヤスリで処理をするメリットはゲート跡を手軽に滑らかに仕上げられることです。

▲ 写真のゲートの残りをガラスヤスリで処理します。平面から出ているところを削り取るわけです
▲ ゲートにガラスヤスリを重ね、ヤスリ面を動かして削っていきます。ゲートの位置や削りカスが出ているようすがヤスリ越しにみえています
▲ 削りカスもしっかりと出て削れています。この例ではゲートのあった面全体をならすように使っています。ゲート部分だけを削る場合は反対方向からヤスリ先端で削るように使います
▲ パーツ面に光沢が出ています。ヤスリ掛けが傾いたりするとパーツのカドを削ってしまったりするので、あてがう向きや動きに注意して削っていきます
▲ ガラスヤスリで削ったところは光沢が増しているので、他の面とと揃えるためにメラミンスポンジでツヤを少し落としてみます
▲ 光沢が落ち着いて周りのツヤに近くなりました。ゲートの場所が分からない程に滑らかで良い仕上がりになっています。整形色での仕上がりとしては充分といえるでしょう
▲ こちらは切削中にヤスリが傾いて、手前のカドが削れてしまった例。エッジなどに当たってしまった場合も意外に鋭いキズがつきます。ゲートから面全体までガラスヤスリで整形するのはそうしたリスクもありました

ガラスヤスリを使用する際の注意点

▲ 対象がある面に対してヤスリが平行になるように削りましょう。ガラスヤスリは往復させても削れますが、ブレない動かし方をするには一方向に押して削るようにします
▲ 対象に対してヤスリが傾くとパーツに傷がついたりエッジが削れてしまいます。余分なところに当てないように、まずはゲート部分のみを削るようにするのが良いでしょう

クリアーパーツのゲート処理をしてみる

▲ 切削後にツヤが出る仕上がりを活かしてクリアーパーツのゲートを処理してみます。囲みがパーツのフチに残したゲートです
▲ ゲートの残りをパーツフチに揃えるようにガラスヤスリで削ったところ。削ったフチにキズや曇りがなく、周囲と同じような光沢感にみえます
▲ 同じ状態を違う向きから確認してみましょう。ゲートがあった箇所は光沢感、透明感がある仕上がり。ゲート跡の整形と磨きが同時に行えるのは、こうしたクリアーパーツで特に便利で効果的ですね

単目ヤスリでゲートを処理する

 単目ヤスリで実際にゲートを処理してみます。単目ヤスリでの仕上がりは目立つキズのないツヤ消し状態、といったものになります。また一般的に金ヤスリはヤスリ目が幅一杯に付いていて、端まで使えるもの。凹凸の際まで削りたいところにも向いています。

▲ 写真のゲート跡を単目ヤスリで処理します。アンテナ状パーツの中央で、パーティングが通っているのもわかります
▲ ゲートの部分にヤスリを重ね、先端方向に押すように動かし削っていきます。初めの動作で削れ具合や傾きが無いかなどをつかんでから、繰り返すようにします
▲ 切削したヤスリを裏返して見ると。どこが当たって削れているのかが分かります。パーツの方はゲート部分を中心に、その面全体を平らにするように位置をズラしてヤスリ掛けしています
▲ それによってゲートの跡だけでなく、パーティングラインも消えて面が整いました。こうして面そのものを平らに仕上げ直すことを“面だし”と呼びます。パーツ形状を一段とシャープ印象にすることにつながります

今回のまとめ

 ゲート処理の特別編として、削り跡が滑らかになるガラスヤスリと単目ヤスリの特徴、使用方法とその効果を紹介しました。これらの手軽さ、仕上がりの良さは「ゲート処理の助けになる」と感じてもらえたのではないでしょうか?
 使い方によっては削り過ぎたり余計なキズを増やすといった懸念は有りますが、平板のヤスリは使えるシーンも多く、ヤスリのかけ方を身につけるのにも良さそうなツールでもあります。先に紹介してきたゲート処理の方法と合わせて、選択の候補としてみてください。


記事中の模型用語をピックアップ簡単解説!

■目立てヤスリ
  ノコギリの目を立てるため薄い菱形断面をしている金ヤスリ。単目でフチが鋭角なところを活かして、プラモ工作ではスジ彫りやミゾを整えるのに用いられます。

■面だし
  パーツ面の微妙な歪みを削って平滑な面にする加工のこと。表面のヒケ(わずかな凹み)を無くすよう、削る場合が多い。 


「ノモケン」こと野本憲一著書好評発売中

 当連載の著者「ノモケン」こと野本憲一のベストセラー「NOMOKEN」シリーズが絶賛発売中。連載をご覧になって、更にステップアップしたい方はこちらの書籍もぜひご覧ください。


解説・文/野本憲一

 多くのユーザーから愛される模型製作ガイド「NOMOKEN 野本憲一モデリング研究所」の著者・プロモデラー。当連載『いまさら聞けないプラモデルの基礎』では、令和最新版“プラモデル製作の基礎”を解説します。現在では数多くの選択肢があるプラモデル製作の道具やテクニック。「名前は知っているけどどんなものなんだろう?」「いまさら聞くのもなぁ…」と思うものもあるはず。そんな“ギモン”を改めて学んでみましょう。


▼ 関連記事はこちら

ⓒ創通・サンライズ・MBS

1 2
この記事が気に入ったらシェアしてください!

野本憲一

オススメの書籍

NOMOKEN 野本憲一モデリング研究所 新訂版

ご購入はこちら

NOMOKEN3 ガンプラ完全攻略ガイド

ご購入はこちら

カーモデル製作の教科書 懐かしの国産名車製作ガイド

ご購入はこちら
PAGE TOP
メニュー