荒れないヤスリでゲート処理!! ガラスヤスリ&単目ヤスリを使ってみよう【いまさら聞けないプラモデルの基礎:ゲート処理特別編】
2025.05.03
初めてでも安心!プロモデラー「ノモケン」と学ぶプラモデルの入り口!! File.07
今回はゲート処理で助けになる削った跡が“荒れないヤスリ”を紹介します。一般的にヤスリで削ったところはザラついて削った跡がつきますが、それが少なくて滑らかに仕上がるヤスリもあるのです。一つは最近様々な場面で使われることが多くなったガラスヤスリ。もう一つは単目の金ヤスリ。はたしてどのような結果となるのか? それぞれの使用方法、作業の結果からお手入れの仕方まで解説していきます。
ガラスヤスリの特徴
最近のトレンド「ガラスヤスリ」の特徴を解説
ガラス製で削る目と研ぐ目が混在しているヤスリです。切削と研磨が同時に行えるのでしっかりと削れるうえに仕上がりがキレイになります。最近のトレンドとしてガラスヤスリでゲートを処理するモデラーの方も増えてきています。ここではゲートの処理が簡単に行える理由や特徴を解説していきますが、ガラスヤスリでも紙ヤスリのようにザラつくものもあるので、使用する製品の特徴をチェックしておきましょう。
▲ 画像はHJモデラーズガラスヤスリ(ホビージャパン/1320円)。先端が剣先状になっており、狭いところのゲート処理もできるようになっています。幅13mm、長さは90mmと小面積を削るのに手頃なサイズ。プラスチックやレジンキットなどの樹脂用
▲ ヤスリの番手は180番(切削側)と10000番(研磨側)が交互に均一に配されています。一面で切削と仕上げを兼ねるもので、片面のみがヤスリとなっています
▲ ガラス製なので削っている場所を見ながら作業できます。削る箇所の確認はもちろん「削りたく無い場所に当たらないように」といった注意もしやすくなります
お手入れも簡単!
▲ 削りカスはやわらかいブラシでこすって、簡単に取り払うことができます
▲ セロハンテープなどの粘着テープでも簡単に削りカスをとることができます
▲ ガラス製なので水に濡らしても問題ありません。浸して丸洗いしたり、目詰まりを減らす水研ぎでも使えます
単目ヤスリの特徴と色々なヤスリとの比較
金ヤスリ(かなやすり)の中でも、ヤスリの目が一方向にだけ切られているヤスリが「単目ヤスリ」で、切削跡がキレイになりやすいのが特徴です。目が菱形に交差した「複目ヤスリ」はよく削れますが跡がギザギザになります。切削性や仕上がりの様子は「目の間隔」でも変わり、目の細かいものがより仕上げ向きになります。
▲ 画像は匠之鑢 極・雲耀 平行単目 平(細)(GSIクレオス/1320円)。ヤスリ目に角度がなく平行に並んでいるのが特徴です。目の細かさは「細目」で、ゲートなどを削るのに充分な切削性を持ちつつ仕上がりの良さも兼ねるというモデル
▲ 単目は目が一方向なのでお手入れも簡単。やわらかいブラシでこすると簡単に削りカスが落とせます。こびり付かせないよう、小まめに取り除いておきましょう
単目ヤスリと複目ヤスリの刃の形状を比較
▲ 単目ヤスリ。ヤスリ目が一方向で並んでいるもので、直線の他に、左のように緩くカーブしている目の製品もあります。プラモデル製作では平の棒ヤスリの他に「目立てヤスリ」なども使われます
▲ 単目ヤスリの目のアップ。ヤスリ目が平行に重なるのは、ナイフの刃を横滑りさせる切削が繰り返されるようなもの。この例は目の幅が「細目」で、より目の細かいものが「油目」となります
▲ 複目ヤスリ。金ヤスリといえばこちらをイメージする人も多いはず。切削力があり、組みヤスリなど様々な断面のものが使われています。ヤスリの下側をみると目が交差しているのが分かるので、区別しやすいです
▲ 複目ヤスリの目のアップ。菱形に交差した目で切削性が高いのが特徴です。削り跡にはキズが残るので、滑らかにするにはより細かなヤスリなど、他の道具で仕上げる使い方になります
▲ ちょっと特殊な例、タミヤ クラフトヤスリPRO(平・6mm幅)(タミヤ/1760円)。波目のヤスリ目と刃の途中に切られた溝(チップブレイカー)で削りカスの排出性を高めています
▲ タミヤ クラフトヤスリPROの目のアップ。これは複目ではなく、カーブした目に溝がついたもの。単目のような滑らかな仕上がりで、より切削性が良いものになります。これも「荒れないヤスリ」です
色々なヤスリでランナーを削った時の切削跡を比較
▲ 紙ヤスリでの研磨跡。粒が粗めの180番を使った跡です。粒で削るので雑多なキズ跡になります
▲ 複目ヤスリでの研磨跡。目が尖ったところが入っていくので、大小のキズが付いています
▲ 単目ヤスリでの研磨跡。細かな跡が見えていますが深いキズではなく、表面を削いだような跡になっています
▲ ガラスヤスリ(HJモデラーズガラスヤスリ)での研磨跡。削ると同時に磨かれているので、その光沢の様子が確認できます
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