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これまでに学んだテクニックでガンプラをキレイに組み立て!!【いまさら聞けないプラモデルの基礎:ゲート、パーティングライン処理のまとめ】

2025.04.05

初めてでも安心!プロモデラー「ノモケン」と学ぶプラモデルの入り口!! File.06


これまでに学んだテクニックを使ってガンプラを組み立ててみよう!

「いまさら聞けないプラモデルの基礎」でお伝えした工作テクニックだけでもプラモデルはキレイに組み立てられます!

 当コーナーでは、これまでにニッパーでのパーツの切り出し、切り出した後のゲートの処理、パーティングラインの処理の方法をご紹介してきました。今回はそれらのテクニックを駆使して、HGUC
ジオングを丁寧に組み立てていきます。

HGUC ジオング

●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●1980円、発売中●1/144、約13cm●プラキット

過去にご紹介した工作テクニックを復習するならこちらからご覧ください

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パーツを切り取る(ゲートのカット)

ランナーからパーツを切り出します

 ここでは「ニッパーの使い方」を踏まえたうえでの「ゲートカット」の実践となります。まずはパーツを傷めずにランナーから切り離すこと。そしてゲートを切った跡がパーツ表面で悪目立ちをしないように、歪みの少ない切り方をしていきます。

▲ プラモデルの部品(パーツ)はこのように“ランナー”とよばれるワクに並んでつながっています。ランナーとパーツをつないでいる一段細くなったところが“ゲート”で、パーツの周囲にいくつかあるところを切断していきます
▲ ニッパーでゲートを切る際はなるべくゲートの断面が薄い向きを挟むようにします。また、ゲートを切る位置はパーツのフチから少し離したところにして、パーツ表面に歪みが生じないようにしておきます
▲ ランナーから切り離したパーツ。まだ周囲にゲートが残っていますが、まずはパーツを傷めずランナーから切り離していることが大切です。面倒がってパーツのフチでいきなり切り離してしまうとその跡が目立ちやすいのです

ゲートを処理する

切り出したパーツに残っているゲートをキレイに処理します

 パーツ表面に残ったゲートを切り取ったり、その切った跡を整えていくことを“ゲート処理”と呼びます。まずパーツ表面に出っ張りがないように切りとり、組み立てに支障がでないようにします。そして見た目を気にするなら、ゲートの“跡”もなるべく目立たなくしたいもの。切ったところがささくれたり凹みが無いように、丁寧な切り取りや、周囲の面に沿ってならすような“整形”をしていきます。

■ニッパーの二度切りでゲートを処理する

▲ パーツ表面に残ったゲートをあらためてニッパーで切り取ります。二度目の切断はゲートを切るのにニッパーを良い向きに当てやすく、切る力も少なく済むので切った跡の歪みが少なくすみます

①正しい位置にニッパーの刃を当てて二度切りした場合

▲ 二度切り目の様子をニッパーの刃先側からみたところ。刃の表側(平らな側)をパーツに沿わせつつ、ゲートを挟んでいます。薄く切り取ると歪みが少ないので、長めにゲートが残っている場合は数回に分けて切り取ります
▲ ゲートを切り取ったところ。パーツ表面に沿って平らに切れていて、歪みが無い状態になっています。こうした状態にしたいので、“二度切り”しているわけです

②正しくない位置にニッパーの刃を当てて二度切りした場合

▲ これは良くない向きの例。ゲートの根元を挟むことを意識して、ニッパーが傾いてしまっています。これでは切り口がパーツ表面と揃いません
▲ 傾いたままゲートを切ったことで、パーツのフチも少し切りとってしまいました。このようにパーツを傷めないためにも、平らな面では刃を沿わせて切るのが大切です

■曲面のゲートをナイフで処理する

▲ 曲面に残ったゲートの処理です。ここではゲートの切り口を曲面に揃えやすいようナイフを使った例で紹介します。ゲートの端にナイフの刃を当て、刃先を指で押すように構えています。刃先の方向には指を置かないようにしています
▲ 刃先はパーツ表面に沿わせつつゲートの下側を切り込んでいきます。ゲート側に押し切るだけでなく、刃渡りの向きに押す(または引く)ようにするとスムーズに切れます
▲ ゲートの根元を切った所。ゲートの左側の面に沿わせて切ったので、右側に少しゲートが残っています。一度に曲面状に切り取るわけでなく、残りは違う向きから切り取ります
▲ 今度はゲートが厚く残った側から切り込んでいきます。切る要領は先ほどと同じです
▲ 右からも切り込んで、概ね切り取れました。少し中央が高めなのが気になったら、今度はそこを削ぐようにして整えます。こうしたゲート処理の方法は曲面に限らず凹凸のある箇所などニッパーやヤスリが当てにくい場合にも使われます

■ヤスリでゲートの残りを整える

①曲面のヤスリ掛け

▲ よりきつい曲面にあるゲート。ここは向きを変えつつ連続的に削っていけるヤスリで処理してみましょう。ヤスリを使ってならすとゲート周辺にもキズを付けることになるので、その処理もあとで説明します
▲ 紙ヤスリを当て木(例はスチレンボード)に貼って“平らな面”とすることで、安定して削れるようにしています。これでゲートが突き出たところを、パーツの曲面に沿うよう向きを変えつつ削っていきます
▲ ゲートの箇所とその周囲も少し削ることで、ゲートの四角い跡も残らないようにできます。この例は600番の紙ヤスリを使っていて、そのキズが残っています

②ヤスリ掛けした後にツヤを整える

▲ 平面にゲートが並んでいるところ。ひとつずつ処理してもいいですが、ここではまとめてその面ごと整える方法で仕上げてみます
▲ はじめはゲート部分にヤスリを掛け、パーツ面の近くまで削れたら、その面全体を平らにならすよう削っていきます。この手順はアンテナをとがらす方法にも応用できます
▲ ゲートを切り取っただけよりも凹凸や跡がなく、その面全体が平らに整っています。ヤスリキズで少し白っぽくなっているのは、前回紹介したようにさらに磨いたり擦ったりすることで整えられます
▲ ここでは簡易な方法としてキムワイプを折りたたんだもので擦ってヤスリキズをならしています。他にも細かなヤスリやスポンジ、紙や布で磨くことでもアラがとれます
▲ 同様なことを、ゲート部分だけを少しヤスリ掛けして整えてみます。パーツのフチに見えるゲート跡。平らには切り取れていますが、ゲートの断面のカタチに白く跡がみえています
▲ その周囲を紙ヤスリで少し削り、跡がないようにならしたところです。ここのヤスリは先の例と同様に600番を使っていて、削った範囲が白っぽくなっています
▲ 白くなっていたところを磨いて整えた状態。どこまで手間をかけて整えるかは好み次第ですが、パッと見てゲート跡が分かるのと、それを意識させない仕上がりでは完成したときの印象が違ってきます

[次のページ]パーティングラインを処理する

ⓒ創通・サンライズ

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