ガンダムアッセンブルカラー発売に備えて水性塗料「アクリジョン」の特徴や塗装のコツを知ろう。「HG ケンプファー」のエアブラシ塗装を実践!【アクリジョン、けっこういい感じ。】
2025.04.01
アクリジョン、けっこういい感じ。/MS-18E ケンプファー【 BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2025年5月号(3月25日発売)
アクリジョン、けっこういい感じ。
今後ガンダムアッセンブルカラーで展開するアクリジョン、実際どーなの?
ミニチュアサイズのガンプラ、ガンダムアッセンブルに完全対応した筆塗り専用のカラーが発売決定! 「アクリジョンベースカラー」をさらにチューンして、「アッセンブルカラー」としてシリーズ化! という先日のGSIクレオスの発表に、驚いた人も多いのではないだろうか。現在ガンダムカラーはラッカー系や水性ホビーカラーで開発されているが、今回発表されたアッセンブルカラーは実質アクリジョンのガンダムカラーとなるわけだ。そこで、にわかに注目を集めるのがアクリジョンカラー。エマルジョン系塗料で乾燥が早く塗膜も強く、さらに有機溶剤も微量なので匂いもなくABSにも浸透しないという魅力的な要素が詰まっている塗料だが、特に乾燥の早さと隠蔽力がラッカー系と比較した時に薄いことから、当時はなかなか受け入れられなかった印象がある。しかし現在では登場から10年経ち、弱点を補い強化するアイテムも増え、ガンプラをしっかり塗れるカラーへと進化している。本記事では月刊ホビージャパン連載「月刊工具」でもおなじみけんたろうが、アクリジョンでガンプラを塗装する!
けんたろう
ホビージャパンのHow to番長。月刊ホビージャパンでは「月刊工具」を連載している。ツール、マテリアルの知識はもちろん、アクリジョンを使用した塗装も得意としており、エアブラシと筆塗り、どちらにもしっかり対応している。
工作は必要最低限にスタート!
▲パーティングラインやゲート跡はいつも通りのヤスリなどでこなしていく。神ヤス! などで面を軽く磨くとエマルジョン系塗料は定着しやすくなるのでおすすめ
▲スピンブレード、いわゆるブチ穴の底面をきれいにフラットにしてくれるので、完成後の見映えもバッチリ。今回は通販限定の0.7mmを使用
▲肩のスパイクや頭部のアンテナの他、ヒザ周りにエッジが多いため、削ってみたりと細部を調整し、ここから塗装スタート!
溶剤比は1:0.3
▲アクリジョンのエアブラシ塗装の最大のポイント、薄める時の配合比。アクリジョンうすめ液改のボトルにも表記がありますが、塗料とうすめ液が1:0.3を必ず守ること。これが鉄のオキテで、これを守れば筆塗り専用アクリジョンすらエアブラシで塗れる。同じ容器だとどれぐらい薄めたか分からなくなるので、同じ容器をふたつ用意して、鉄のオキテ配合比1:0.3を見極めてから混色しよう
色変えは水でOK!
▲アクリジョンを含む水性塗料は色を変える程度の洗浄なら水でできるのが素晴らしいところ。準備するのは水だけでいいので色変えもラクラク
▲水洗いはカップの中がある程度きれいになるが、乾燥してしまうと溶かせない。そのため作業は切れ間なく塗装から洗浄までいくのがよい。またメンテナンスの際は専用のツールクリーナーを使おう
もちろん混色もできる!
▲今回使用した基本のカラー。左の4色は混色してケンプファーの本体色にする。右のグレーは関節や武器。アクリジョンは特にフタの色が塗色とバッチリ合うので、店頭でフタを見て色を選ぶのがおすすめ
▲まずは少量混ぜたものをエアブラシで吹いて試す。こちらではアクリジョンうすめ液改を塗料混ぜ用の棒の先の1滴程度を足している。本番もこの4色の調合で塗っていく
▲エアブラシで吹き付けると、アクリジョンは吹いたそばからすぐに乾き始める。乾燥が早いのがポイントなのだが、利点であり、ある種の欠点でもある
▲乾燥が早いためボコボコと波の様なものができている。平滑になる前に乾燥してしまうところがアクリジョンのひとつの難しさだ
▲この特性をマイルドにするため、アクリジョン用のリターダーが販売されている。1〜2滴塗料混ぜ棒の先端から落とすだけで、充分効果を発揮する
▲リターダーを入れたものは少しだけ乾燥が遅れたぶん塗膜が平滑になった。ツヤ感もちょうど維持されていることが分かる
出が悪い、詰まった時の対処法
エアブラシ先端から変な音がする、塗りに偏りがある、出てこない、そんな時は先端を見てみよう。先端に塗料が付着していないだろうか? そんな時はアクリジョンのツールクリーナーを筆にとって、ニードル先端を撫でてみよう。少しの間撫でているとアクリジョンが溶け出る。あとはエアを出して先端のクリーナーを飛ばせばすぐに作業に復帰できる。
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