プロが【ライトニングニッパー】の使い方教えます。ノモケンが気になる最新工具を本気でレビュー!
2025.02.15
プロモデラー「ノモケン」が教える道具の使い方!! 【ライトニングニッパー/ゴッドハンド】
最近発売された模型アイテムの中から、プロモデラーノモケンがちょっと気になる試してみたいものを紹介するこのコーナー。今回取り上げるのはゴッドハンドの公式通販で先行販売されている「ライトニングニッパー」。切れ味に特化し“片刃経験者向け”とされるその使用感、活かしどころや注意点を紹介します。
素人お断り!? の切れ味優先ニッパー
▲ 従来の薄刃片刃ニッパーよりも、さらに切れ味を追求したという「ライトニングニッパー」。切れ味グレード(同社比)は「5.5」で、切れ味の高さで知られる同社のアルティメットニッパーの「5」よりも高くなっています。パッケージではそうした特徴と共に「取り扱いの注意」が強調されています。革製キャップが付属
ライトニングニッパー
●発売元/ゴッドハンド●7150円、発売中(公式通販限定)
▲ 用途はゲートカット専用。切断能力はプラスチック1.5mm以下、硬めな樹脂にも使用不可と用途は限定されます。切れ味を高め、白化しにくく軽い力で切れることで、切りっぱなしでの仕上がりが向上し、手間を軽減したり、疲れを減らしてくれたりもします
▲ この向きからは左側が“切り刃”。反対側は“細い面”になっていて切り刃を受ける役割(受け刃)。刃長は約8mm。先端側では切断せず、刃渡りの中央から根元側を使うようにします
▲ 切り刃はこのように極薄のクサビ型。根元の厚いところで1mm以下、先端では0.3mmとデザインナイフの刃(0.4mm)よりも薄いほど。ぶつけたり余計な力を掛けたりしないように注意しましょう!!
▲ 刃を合わせた表面側。平らな面で、わずかに高くなっているのが受け刃側です。この段差はゲートカットの二度切り目で活かすポイントになります
▲ グリップを含めて全体は細身で繊細な切り込みに扱いやすい形状。実際の作業では“二度切り目”で写真のような構えをすることが多いはず
▲ ニッパーの切れ味や白化の比較をするのにランナーの切断面をみせる…というのを、プラ材(半丸1.5mm厚)の端をゲートカットのように薄く削いで比較してみたものです。左は両刃ニッパーで切断し、フチに白化がみられる状態。右はライトニングニッパーで切断したもので、平らで白化の無い仕上がり。刃をあてがったところから、そっと力いれる切り方で、「サクッ」や「ヌルッ」ではなく「…(無音)」という感触!!
片刃ニッパーって難しいの? 取り扱いの注意!!
本格的に使用する前に“片刃経験者向け”とされる取り扱いの注意について確認しておきましょう。特徴を理解して扱うのが大切です。
▲ 両刃/片刃ニッパーでの切断の様子。両刃は双方から切り込んで負担が分散されるのにたいして、片刃では一方の刃が深く入るので負担が大きくなります。ぶれたりひねったりするとより刃が損傷しやすいわけです。刃先をぶらさず、切る向きにだけ力を掛けるのはニッパーの取り扱いの基本ですが、片刃ではより大切になります
▲ ゲートをニッパーで斜めに挟むと、切る厚みが増すのに加え刃を傾ける力が掛かる要因にもなります。最近はクサビ型のゲートもよくありますが、厚みが平行になるように挟み安定させて切るようにします
▲ ライトニングニッパーの切断可能な厚さは1.5mm以下です。となると太めなゲートやランナーを切るのも厳禁となります。そこはより汎用的なニッパーとの使い分けをしましょう
▲ 一般的にクリアーパーツは有色パーツよりも硬めの素材です。ライトニングニッパーで切断可能な目安以下の厚みでも、刃を傷める危険があります
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