HOME記事スケールモデルSOVIET TANK DESTROYER SU-85ソビエト軍 SU-85 自走砲

SOVIET TANK DESTROYER SU-85
ソビエト軍 SU-85 自走砲

2021.04.21

SU-85 ソビエト自走砲【ズベズダ 1/72】 月刊ホビージャパン2021年5月号(3月25日発売)

スナップフィットで作れる猛獣ハンター

ズベズダ 1/72スケール プラスチックキット

SU-85 ソビエト自走砲

製作・文/林哲平

SU-85 ソビエト自走砲
●発売元/ズベズダ、販売元/GSIクレオス●1760円、発売中●1/72、約11.5cm●プラキット

 第二次大戦後半、ティーガー、パンターなどドイツ軍の重装甲猛獣戦車に狙いを定め、強力な85mm砲で次々と狩り取っていったソビエト軍自走砲SU-85。堅実に1/72 AFVをリリースしてくれるロシアの赤い星、ズベズダからSU-85が発売。「なんて地味な車両を……」とスルーしてしまいそうなそこのミニスケ好きのあなた、ちょっと待ってください!
 なんとこのキット、接着剤いらずのスナップフィットなんですよ! ロシア戦車は単色迷彩なので塗装もラクラク。組み立てに時間がかからない分、ロシアングリーンの色味にこだわって塗ってみたっ!

▲戦闘室後方。上面のハッチとそのヒンジ、右前方の四角い車長キューポラ、各方向に向いたペリスコープなどのディテール再現もみごと
▲傾斜一枚板の前面装甲、砲身基部に丸い平坦部がある防盾などSU-85の特徴を的確に再現。なおズベズダは1/35スケールでもSU-85を発売中
▲フェンダー上に取り付けるスコップ、防滑具、牽引ケーブルなどOVM類もきちんとはめ込みが可能で、ゲート位置も目立たない配置がされている
▲履帯は繊細な表現を持つプラ製ベルト式。足周りに巻き付けるように曲げていくが、折れやすいのでゆっくりとクセをつけながら取り付けよう
▲SU-85は、T-34-76中戦車の車体を利用して前半部に固定砲の戦闘室を設け、85mm D-5T砲を搭載した対戦車自走砲。1943年8月から1944年11月までに約2700両が生産された
▲122mm砲のSU-122から85mm砲のSU-85へ、さらに100mm砲のSU-100へと急速に進化したソビエト自走砲の開発過程は、弊社の新刊「SU-85/-100/-122自走砲写真集」で詳しく解説!( SU-85/-100/-122自走砲写真集の書籍情報をチェック!)
▲下地としてMr.フィニッシングサーフェイサー1500ブラックを吹く。黒く塗っておくことで、完成時に重量感を強調することができる(Mr.フィニッシングサーフェイサー1500ブラック)
▲ロシアングリーンの発色を良くするためにMr.フィニッシングサーフェイサー1500ホワイトを吹く。光が当たる面は白く、暗い面はほどほどに(Mr.フィニッシングサーフェイサー1500ホワイト)
▲パッケージ写真を参考にロシアングリーンを調色、ガイアカラーのウォームホワイト+純色イエローに、純色シアンをわずかに添加した(ウォームホワイト) (純色イエロー) (純色シアン)
▲フラットベースなめらか・スムースタイプ+Ex-クリアーでツヤを消し、Mr.ウェザリングカラー ステインブラウンを薄めて全体をウォッシング(フラットベースなめらか・スムース) (Ex-クリアー) (ステインブラウン)
▲履帯やOVMはシタデルカラーの筆塗り。下地がラッカー系塗料ならマジックリンで拭き取って修正できるので、失敗を恐れず作業できる
▲ライトは2.5mmピンバイスを使って内側を彫り込み、マーカーでシルバーを塗ってからUVクリアレジンを垂らし、ブラックライトを当てて硬化

■ロシアの赤いスナップフィット!

 ズベズダはウォーゲーム用のコマとして多数の1/100 AFVモデルをリリースしており、そのシリーズはすべてスナップフィット。その技術を本格的なスケールモデルである1/72シリーズに応用した第一弾です。それを考えると、部品数が少なく、ロシア車両の中でも屈指のシンプルなスタイルのSU-85を実験台として選ぶのは至極納得です。
 このキットはスナップフィットというだけではなく、純粋に出来もいいんですよね。ペリスコープも抜けてますし、精密感も抜群。そのうえゲート位置も組み立て後に目立たないように配置されているなど、バンダイやタミヤのような国産プラモメーカーのような配慮まで! ズベズダのスナップフィットシリーズには今後も期待大です!


■組み立てポイントはいかに?

 それでは組み立て、行ってみましょう♪ さすがにガンプラや国産のスナップフィットメーカーと比べるとはめ合わせがキツく、ピンを少し調整しなければいけない部分も多少あるものの、合いは良くスラスラと組み上がります。OVMや細かいフックも、巧みなパーツ構成でピンの痕がわからないようにはめ込めるのには感動しましたね。なお、車体側面のフックは接着式です。おおむねいい感じなのですが、油彩でウェザリングするときの強度が心配なので、組み立て後に流し込み接着剤を流し込んでしっかりと固定しています。
 組み立て最大の山場は履帯です。プラ製で、T-34系列のベルト状履帯の薄さとディテールを繊細に表現した、実に素晴らしい履帯なのですが、ゆっくりとクセをつけないと折れるので慎重に組み立てましょう。私は2ヵ所折って、接着してしまいしました♪ サイドスカートがない車両はごまかせないのが問題ですよね……。


■塗装

 塗装は途中写真にて詳しく解説していますが、今回はロシアングリーンに凝ってみました。ロシア戦車のグリーンはいろいろな色味がありますが、キットのパッケージ風のイエローグリーンに。この色、グリーンから調色するのは難しいのですが、イエローにブルーを少し足すと簡単にいい雰囲気のロシアンイエローグリーンになるんですね! 大戦期のロシア戦車を塗るときはぜひ試してみてくださいね♪

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林哲平(ハヤシテッペイ)

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