『復讐のレクイエム』の舞台「ヨーロッパ戦線」とは? 他ガンダム作品での描かれ方とともに解説!!【機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム】
2025.01.13『復讐のレクイエム』の舞台となる一年戦争のヨーロッパ戦線とは? 月刊ホビージャパン2025年2月号(12月24日発売)
『復讐のレクイエム』の舞台となる一年戦争のヨーロッパ戦線とは?
『復讐のレクイエム』の舞台となるヨーロッパ戦線。これまでのガンダム作品においてもいくつかの作品で劇中のセリフや設定、映像などに登場してきた、ヨーロッパ地域を舞台とした戦場について解説していこう。(文/石井誠)
ジオン公国軍の要衝・オデッサ基地を取り巻く一年戦争の地上における激戦地帯
一年戦争においてヨーロッパ戦線が重要なポイントとして、ジオン公国軍の重要地区であるオデッサに面しているということが挙げられる。一年戦争冒頭の地球降下作戦において、ジオン軍はヨーロッパ、ロシア、東南アジアへの侵攻の足掛かりとなるオデッサを制圧。黒海に面した都市であり、地下資源が豊富なこの地域を抑えたことで、占領地域の拡大が図られた。地球侵攻作戦時にモビルスーツに対する有効な対抗手段を持たなかった連邦軍は、東ヨーロッパとアフリカからのジオン軍の進撃によって勢力圏を一気に失った。一年戦争の後半では、連邦軍による地球での一大反抗作戦「オデッサ作戦」において、ジャブローから送り出された連邦軍の主戦力の侵攻ルートはヨーロッパ方面からであり、そうした地勢的な要因からヨーロッパでは、連邦軍とジオン軍による激しい戦いが繰り広げられることになったのだ。
他のガンダム作品で描かれたヨーロッパ戦線
これまでのガンダム作品でもヨーロッパ戦線に言及するシーンが描かれている。各作品でのヨーロッパ戦線の描かれ方のポイントを見ていこう。
『機動戦士ガンダム』
『機動戦士ガンダム』では、オデッサ作戦に参加するために欧州方面に向かったホワイトベース隊に絡む形でヨーロッパ戦線が登場。ホワイトベースが補給のために立ち寄り、ゴッグの襲撃を受け、ミハルが乗り込んでくるベルファストはヨーロッパ戦線の戦域。連邦軍のオデッサ作戦が進められていることを知ったマ・クベが受領したドムを“黒い三連星”に手渡すシーンやホワイトベース隊がマッド・アングラー隊と交戦するシーンなど、オデッサ作戦の開始以前の段階から劇中の舞台となっている。ちなみに、オデッサ作戦に関しては、ホワイトベース隊は戦闘の中心ではなく、外縁部で関わる形で描かれていた。
『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』
『第08MS小隊』の舞台となっているのは、東南アジア戦線。そのため、シローたちがヨーロッパ戦線に関わることはないが、隣接する戦線ということで言及される箇所やオデッサ作戦の影響が描かれている。『復讐のレクイエム』との最大のリンクとなるのが、欧州軍総司令のユーリ・ケラーネ。ケラーネは東南アジア戦線の新兵器開発基地司令のギニアス・サハリンと旧知の仲であり、劇中で交流する様子が描かれる。また、オデッサ作戦によってヨーロッパ戦線が連邦軍の勢力下になったことが影響し、敗走するジオン兵たちが東南アジア戦線に向けて移動してくるという描写もあった。
『機動戦士ガンダム MS IGLOO2 重力戦線』
『重力戦線』では、ヨーロッパ戦線の初期、中期、後期を連邦軍からの視点で描いている。一年戦争初期は、ジオン軍の地球降下作戦によって劣勢に立たされる状況で対MS誘導弾を使って生身でザクと戦う対MS特技兵小隊の活躍を描く。中期はまだ劣勢ながらも主力戦車である61式戦車を用いて対MS戦闘のノウハウが出来上がるタイミングでの戦いが描かれた。後半は陸戦型ジムが戦線に投入されたオデッサ作戦が描かれ、シリーズを通して観るとヨーロッパ戦線の戦況の移り変わりを知ることができる。
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』
『ククルス・ドアンの島』はいわゆる一年戦争のタイムラインとは異なるが、オデッサ作戦に向けたヨーロッパ戦線の描写が登場する。ジオン軍は欧州ではすでに勢力圏を失っており、連邦軍は艦隊を黒海付近まで移動させるためにジブラルタル海峡を目指している状況。その結果、ジブラルタル海峡のアフリカ側でジオン軍を牽制する戦いが繰り広げられており、モロッコ最大の都市であるカサブランカもヨーロッパ戦線の勢力の変化の影響で戦場となっている。ククルス・ドアンが住む島はスペイン領であるので、そこもヨーロッパ戦線に入れることができる。
MSVとヨーロッパ戦線
MSV(モビルスーツバリエーション)においてもヨーロッパ戦線について言及された機体がある。MS-07C-3グフ重装型は、ヨーロッパ戦線で活躍した特殊な機体として設定されている。グフの後期生産型であるC-1型を基に火力と装甲を強化した機体で、両腕がフィンガーバルカンになっているのが特徴。MSVではアフリカ戦線や北米戦線で活躍したバリエーション機への言及は多いものの、ヨーロッパ戦線に関しては記述が少なく、グフ重装型のみが扱われている形だ。ちなみにグフ重装型は、『機動戦士ガンダムUC』にジオン残党が使用する機体として登場。ヨーロッパの古城的な場所から出撃する姿が描かれている。
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