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【H.M.S.】惑星(ほし)マタギ 其の弐 護る【仙田耕一】

2021.04.10

H.M.S. 惑ほし星マタギ 其の弐 護る 月刊ホビージャパン2021年5月号(3月25日発売)

スクラッチビルド

「惑星(ほし)マタギ 其の弐 護る」

 この惑星は龍禽族(りゅうきんぞく)という鳥類型生物が土着する、非常に安定した生態系を保つ美しい惑星。
 娯楽のためにその龍禽族をターゲットにしてこの星ごと一大ハンティングフィールドにする計画のもと、当局から惑星の調査指令を受けていた私だったが、到着するや否や微かに記憶に残るかつて自らが生きていた場所とこの美しい星を重ねてしまう。いわゆる「情」というものが生まれたのであった。
 星々が散々喰い尽くされ無残に廃されるのをこれまで数多見てきた私は
「急激な地殻変動アリ」「異常気象多発」
と出鱈目の「不適格」報告および、このまま調査を継続する意思を当局に伝えた。

 その後通信が途絶され10年。

 見捨てられたにもかかわらず龍禽族と共に生きるいま、私はこれまでにない充足感に満ちている。
 それはとても懐かしい感覚。遠い遠い昔に味わったことのある暖かい感覚。

製作・文/仙田耕一


 原型師として活動する人々が普段の仕事では見せることのない、独自の造形世界を発表する本連載。今回は二度目の登場となる仙田耕一氏による、はるか未来、肉体と地球を捨てた人類の物語「惑星(ほし)マタギ」の第2弾をご覧いただこう。

作品サイズ 23cm×33cm×42cm(縦×横×高さ)

「惑星マタギの世界」
 かつて青く美しい惑星があったが、「人類」と称する土着知的生物による汚染、強毒ウィルスの蔓延や気候・地殻変動の同時多発により、当時繁栄と栄華を誇っていた「人類」はその数を1万にまで減らした。
 何とかして絶滅を避けるためそれまで培った知識と技術を結集し、脆弱な肉体を捨て脳と脊髄を「アウター」と呼ばれるマシンに移植し自らを機械化することによりその危機を脱したが、その行為は非常に大きな転機となる。発展の障害をほぼ打破し宇宙開発を急加速せしめたのだ。
 もはや居住不可能となった地球を捨てた機械化人類は、惑星(ほし)から惑星(ほし)をマタいで安住の地を求め彷徨っている。

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仙田耕一 (センダコウイチ)

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