【ガイキング】マイスター関田流・緻密なメタリック塗装で彩る
2021.04.09MODEROIDより『ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU』版ガイキングが登場。同時発売されたライキング・バルキングとの合体や、単体でもフェイスオープン状態の再現などMODEROIDらしい遊びがいのあるギミックの詰まったキットとなっている。造形的にも高い水準でまとまっているため、ここは塗装で魅せるべき…と、メタリック塗装の求道者・マイスター関田による作例を紹介。得意とするメタリック塗装テクを駆使し、金属感を与えつつ全体的に整った美しい作例に仕上げている。記事内で塗装手順を解説しているので、ぜひ参考にしていただきたい。
COLOR RECIPE カラーレシピ
■製作方針
今回製作したMODEROIDガイキングはひとつひとつのパーツがシンプルなデザインラインでまとめられており、その特徴を活かすために光沢と整った反射のメタリックで仕上げることを念頭に作業を進めています。そのためディテールの追加等はせず、基礎的な処理工作以外は後ハメ加工、肉抜き穴埋め、武器やウイングのエッジを尖らせる程度に抑えています。
■塗装
メタリック塗装の基礎として、反射の状態・色調・全体の質感をコントロールするために、下地との組み合わせと吹き付けの条件を吟味する必要があります。そのため、ブッツケ本番は避けしっかりと試し吹きをしてからパーツの塗装に入ります。
・黒メタリック部分
先ずは下地に光沢の黒を顔が映るほどの光沢で吹き付けます。
下地が充分に乾いたらMr.カラースーパーメタリック「スーパークローム2」を塗料:シンナー=1:10くらいで薄めて0.3MPaの比較的高圧で距離を遠目に取ってまぶすように薄く吹き付けています。この塗り方で混色とはまた違った質感のガンメタルを表現できます。
・白部分
重たい感じの白を表現するために暗めのグレーを下地に用意し、シルバー→白の順で重ねていきます。
白にはクリアーとホワイトパールを混ぜて質感を変えつつ下地の干渉を受けやすくしています。
・赤部分
重厚感と鮮やかさを両立させたメタリック調の赤の表現を目指して、ブラウンを下地にします。ここでシルバーを重ねてしまうと下地を隠蔽しすぎてしまうのでホワイトパールを使って下地を反映しやすい反射層を作り、クリアーレッドを重ねていきます。
・角胸部の金色
色調の濁りを抑えるためこちらも光沢のブラウン下地を用意します。その上にギラつきの強い大きめの金属粒子が配合された金を塗り、その上に細かな粒子の金を薄く重ねます。これにより下地のギラつきを活かしつつ粒々感と同時に「金の塗料を塗りました」感を軽減させることができます。
グッドスマイルカンパニー
ノンスケール プラスチックキット“MODEROID”
ガイキング
製作・文/マイスター関田
MODEROID ガイキング
●発売元/グッドスマイルカンパニー●4200円、発売中●約13.5cm●プラキット
Ⓒ 東映アニメーション
マイスター関田(マイスターセキタ)
模型店スタッフを経て、現在はTHE GUNDAM BASE TOKYOのガンプラマイスターとして活躍するプロモデラー。週末には工作スペース「ビルダーズゾーン」で来場者の相談に乗ることも。