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【ガイキング】マイスター関田流・緻密なメタリック塗装で彩る

2021.04.09

ガイキング【グッドスマイルカンパニー】 月刊ホビージャパン2021年5月号(3月25日発売)

 MODEROIDより『ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU』版ガイキングが登場。同時発売されたライキング・バルキングとの合体や、単体でもフェイスオープン状態の再現などMODEROIDらしい遊びがいのあるギミックの詰まったキットとなっている。造形的にも高い水準でまとまっているため、ここは塗装で魅せるべき…と、メタリック塗装の求道者・マイスター関田による作例を紹介。得意とするメタリック塗装テクを駆使し、金属感を与えつつ全体的に整った美しい作例に仕上げている。記事内で塗装手順を解説しているので、ぜひ参考にしていただきたい。

▲ 頭部の角は挟み込みとなるので、接続部を磁石に変え、合わせ目消しをした後に取り付けができるようにした

▲ 握り拳は表情豊かに造形されているが、成型上省略されている部分がある。親指をいったん切り離して修正後再接着、人差し指と小指の側面を彫りこんで自然に見える形状にしている

▲ パーツを胴体から取り外すことで大空魔竜ヘッド状態を再現可能
▲ 素組み(左)と比較。塗装に比重を置いた作例であるため、形状には握り拳以外にはほとんど手を加えず、角などのシャープ化や合わせ目消しなどに限定。塗装により質感が圧倒的に向上している
▲ ガイキングランス、ガイキングシールドが付属。さらにヒザのカウンタークロスを取り外し、カウンターランスへと合体させることもできる
▲ 頭部と胸部の差し替えでフェイスオープンを再現。露出した排熱プレートにギラつきを抑えた塗装と濃いシャドーを施したことで、通常状態と雰囲気をガラッと変えている

▲ 同時期にバルキング、ライキングも発売。素組みのものを本作例のガイキングと並べた状態
▲ 3体合体でガイキング・ザ・グレートが完成! 胸部を構成するガイキングのみ作例を使用したが、この一部分だけでも全体の印象を引き上げてくれている

COLOR RECIPE カラーレシピ

▲ 下地にGSIクレオスGXウイノーブラックを光沢が出るように塗装→GSIクレオスSM206スーパークロームシルバー2を極薄く吹き付けて準メッキ調のガンメタルを表現(スーパークロームシルバー2)
▲ 白の下地として、暗めのグレー→ガイアノーツEx-シルバーを用意し、ガイアノーツEx-クリアーとガイアカラーパールシルバーを足したガイアノーツEx-ホワイトを重ねて重厚感のある白を狙った(Ex-シルバー) (Ex-クリアー) (パールシルバー) (Ex-ホワイト)
▲ 黒を下地にすると赤が濁ってしまうのでMr.カラー7番ブラウンに雲母堂本舗ビスマスパールを重ねて下地とする。その上にGSIクレオス色ノ源マゼンタ+イエロー+GXスーパークリアーⅢで調合した透過性のあるレッドを吹き付けて鮮やかなメタリック調の赤とした(ブラウン)(マゼンタ) (イエロー) (GXスーパークリアーⅢ)
▲ ここでも黄色系の濁りを避けつつある程度のギラつきを担保できるブラウンを下地とした。ガイアノーツスターブライトゴールドを塗った後、フィニッシャーズカラー青金を薄く重ねてギラつきときめ細かさの両立を狙っている(スターブライト ゴールド)

■製作方針
 今回製作したMODEROIDガイキングはひとつひとつのパーツがシンプルなデザインラインでまとめられており、その特徴を活かすために光沢と整った反射のメタリックで仕上げることを念頭に作業を進めています。そのためディテールの追加等はせず、基礎的な処理工作以外は後ハメ加工、肉抜き穴埋め、武器やウイングのエッジを尖らせる程度に抑えています。

■塗装
 メタリック塗装の基礎として、反射の状態・色調・全体の質感をコントロールするために、下地との組み合わせと吹き付けの条件を吟味する必要があります。そのため、ブッツケ本番は避けしっかりと試し吹きをしてからパーツの塗装に入ります。
・黒メタリック部分
 先ずは下地に光沢の黒を顔が映るほどの光沢で吹き付けます。
 下地が充分に乾いたらMr.カラースーパーメタリック「スーパークローム2」を塗料:シンナー=1:10くらいで薄めて0.3MPaの比較的高圧で距離を遠目に取ってまぶすように薄く吹き付けています。この塗り方で混色とはまた違った質感のガンメタルを表現できます。
・白部分
 重たい感じの白を表現するために暗めのグレーを下地に用意し、シルバー→白の順で重ねていきます。
 白にはクリアーとホワイトパールを混ぜて質感を変えつつ下地の干渉を受けやすくしています。
・赤部分
 重厚感と鮮やかさを両立させたメタリック調の赤の表現を目指して、ブラウンを下地にします。ここでシルバーを重ねてしまうと下地を隠蔽しすぎてしまうのでホワイトパールを使って下地を反映しやすい反射層を作り、クリアーレッドを重ねていきます。
・角胸部の金色
 色調の濁りを抑えるためこちらも光沢のブラウン下地を用意します。その上にギラつきの強い大きめの金属粒子が配合された金を塗り、その上に細かな粒子の金を薄く重ねます。これにより下地のギラつきを活かしつつ粒々感と同時に「金の塗料を塗りました」感を軽減させることができます。


グッドスマイルカンパニー
ノンスケール プラスチックキット“MODEROID”

ガイキング

製作・文/マイスター関田

MODEROID ガイキング
●発売元/グッドスマイルカンパニー●4200円、発売中●約13.5cm●プラキット

Ⓒ 東映アニメーション

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