HOME記事工具・マテリアルプラモデルのパーツの切り離しを学ぼう【いまさら聞けないプラモデルの基礎:さまざまなゲートのカット】

プラモデルのパーツの切り離しを学ぼう【いまさら聞けないプラモデルの基礎:さまざまなゲートのカット】

2024.12.28

初めてでも安心!プロモデラー「ノモケン」と学ぶプラモデルの入り口!! File.03

 前回の連載では“ニッパーの使い方”を解説しました。今回はそこで紹介した“二度切り”などを用いつつ、ニッパーでゲートを切り離す方法(ゲートカット)についてより詳しく解説します。


ゲートってどのプラモデルでも同じ形なの?

ゲートの形は場所によってさまざま。切る前にゲートの形をチェックして最適な切り方をしよう!

 ゲートは「樹脂の流れ道」です。通常はパーツの側面に細く付いていますが、その都合で太さやカタチが違っていたり、変わった付き方をしている場合もあります。細いパーツやクリアーパーツではゲートを切る際にパーツを傷める危険性もあります。そんなケースと合わせて紹介します。


さまざまなゲートの付き方(主なゲート形状)

①一般的なゲート

▲ ゲートは通常、パーツの側面に細い(薄い)板状についています。ニッパーでゲートの薄い部分を挟める向きで切るには、ランナー面(水平)方向に近い角度でニッパーを入れて切ります(第2回「ニッパーの使い方」参照)

②縦板状のゲート

▲ 最近のキャラクターキットなどにみられる三角で縦板状のゲート。この場合、最初の切断はニッパーをランナー面に対して垂直にしたほうが、ゲートを薄く挟めることになります

③アンダーゲート

▲ パーツの側面ではなく、フチの下(または上)に重なるように付いているゲート。これは組み立て後にゲートの切り口が目立たない位置になるよう配慮されたものです

④タッチゲート

▲ 手でちぎってパーツを切り離せるゲート。手軽に組み立てられるキット(SDガンダムなど)で採用され、丸くなったランナーの先端がパーツと付いています

こんなゲートに注意!

⑤繊細なゲート

▲ 切り込むとパーツが押されて曲がったり、折れる危険があります。力が掛かりにくい順に切ったり、他の道具で切ることも考えましょう

⑥太いゲート

▲ ゲートが太い(厚い)場合も、パーツに負荷がかかりやすく、注意が必要。完成後に目立たない箇所なら気にしなくて良い場合も

⑦ピン(ダボ)と紛らわしいゲート

▲ パーツを位置決めするピン(ダボ)とゲートが繋がっていたり、紛らわしいカタチで近くにあったりする場合、間違って切ってしまうこともありがちです。ゲートのカタチに注意するだけでなく、先に説明書でパーツ形状や取り付け方を把握しておくようにしましょう

⑧クリアーパーツ

▲ 強く「パチンッ」と切ってしまうとヒビが入ることも。二度切りを基本として薄刃なニッパーを使うか、ノコなど力の掛からない切り方も選択肢としてあります。フチはヤスリなどで仕上げても良いです

ココまでのポイント!

 ゲートの付き方はキットの中である程度統一されていますが、所々で注意すべきケースになっていることがあるので、そこを確かめつつ進めましょう。説明書でも注意されている場合もあります。パーツから少し離して切るのを基本にしておくと、なにかあってもダメージを少なくおさえられます


ゲートを切るときに注意することを教えて

 ゲート部の歪みや切りすぎ、パーツの破損が発生しないように注意し、切り口が整うよう心がけましょう!

 ランナーからの切り離しでは、ニッパーの刃が食い込むと周囲に力が掛かります。最初の切断ではその点に注意。ゲートの残りを切る際は、平面とは限らないので周囲と揃えることを意識しましょう。ゲートの種類や形状による注意点もさらに詳しく解説します。


■ “アンダーゲート”って聞きなれないけど普通のゲートと切り方が違うの?

ゲート跡が目立たないようにパーツの裏側についているゲートのことです

 アンダーゲートはゲート跡が目立たないようパーツの裏面側についているゲートのことです。メッキパーツや塗装済みモデルに用いられ、近年は成形色のまま仕上げるためにも取り入れられています。

▲ アンダーゲートは図のような重なり方でパーツに付いているため、パーツ側面にゲート跡が残りません。ゲートの切断はまずランナーから切り離し、次残ったゲートを切るので2回以上の切り取りをすることになります
▲ アンダーゲートで繋がったパーツ。ゲートがパーツのフチに重なるように付いています。周辺の配置からも二度切り(以上)が必要です。ランナーからの切り離しは通常通りに、少しゲートを残して切り離すのが無難です
▲ ランナーから切り離したら、ゲートの残りを切断します。底面で切ってしまう前に、パーツ横のハミ出しを切っておきます。これはゲート部分の“カド”に歪みを少なくするためです
▲ 次に裏面に残っているゲートを切ります。パーツのフチを噛んでしまわないように注意しましょう。ここではニッパーを少し斜めにして、刃の両方が裏面に載っている状態で切っています
▲ アンダーゲートを切り取り完了! 完成後に見えない向きといっても、ゲートが残っていると隙間ができたり、組み立ての邪魔になることもあるのでしっかり整えておきましょう

■ “タッチゲート”は工具を使わずにパーツを切り取れるというけれど、どれくらいキレイに切り取れるの?

ちぎれた跡(ゲート跡)を目立たせないためにはニッパーで切断しよう

 ニッパーなどの工具を使わなくても手でパーツを切り取れるのがタッチゲートです。そんな手軽なタッチゲートですが、ちぎれた跡を目立たせず、よりキレイな仕上がりを目指すならニッパーで切断するのがオススメです。

▲ タッチゲートはパーツをひねったりすることで、手軽にランナーから切り離せます。手軽で良いのですが、小さな凹みができたりします
▲ 手でちぎる(左)とニッパーで切った(右)時に比べてささくれが大きく目立ってしまうことも。見た目を重視するならニッパーで切りましょう
▲ ランナーとパーツがとても近いので、刃が厚いニッパーではランナーに当たってしまう可能性が。ここは薄刃のニッパーが適しています

ⓒYUSUYUKI KOBAYASHI ⓒMARUTTOYS ⓒcavico ⓒあまとき ASSORT ASSEMBLY ⓒ創通・サンライズ

1 2
この記事が気に入ったらシェアしてください!

野本憲一

オススメの書籍

NOMOKEN 野本憲一モデリング研究所 新訂版

ご購入はこちら

NOMOKEN3 ガンプラ完全攻略ガイド

ご購入はこちら

ノモ研特別編 極上カーモデルの作り方

ご購入はこちら
PAGE TOP
メニュー