【プロローグ「世界の明日の前に」】『奪還のロゼ』へと続く物語『コードギアス 新潔のアルマリア』がついに開幕!
2024.11.02コードギアス 新潔のアルマリア●長月文弥 月刊ホビージャパン2024年12月号(10月25日発売)
「日本人を名乗る皆さん、お願いがあります。死んでいただけないでしょうか?」
「なっ!?」
「自殺してほしかったんですけど、駄目ですか? じゃあ、兵士の方々、皆殺しにしてください。虐殺です!」
行政特区日本式典における日本人大虐殺。
第3皇女ユーフェミアが日本人の虐殺を命じたことで、式典会場に集まった多くの日本人が犠牲となった。ゼロと黒の騎士団は即座にこれを制圧したが、日本人の怒りが治まることはなかった。これが後にブラック・リベリオンと呼ばれる大ブリタニア反抗運動の引き金となったのだ。
「日本人よ! ブリタニアに虐げられたすべての民よ! 私は待っていた。ブリタニアの不正を影から正しつつ、彼らが自らを省みる時がくるのを。しかし、私たちの期待は裏切られた。虐殺という蛮行で!」
「ユーフェミアを許すな!」
「卑怯者が!」
「魔女め!」
「嘘つき!」
「そう! ユーフェミアこそ、ブリタニア偽善の象徴。国家という体裁を取り繕った人殺しだ。だからこそ、私は今ここにブリタニアからの独立を宣言する!」
俺が姫に会ったのも、この頃だろうか。
「神楽耶さま。御身のような方がこのような場所に来ずとも……」
「いいえ。これからブリタニアと刃を交える皆さまの顔を直に目にしておきたいのです。……まあ。この機体は白に塗り替えているんですね」
「彼は、ハクバは、ナイトメアの操縦に長けているので特別に……」
「どうも……。えっ? あなたは皇神楽耶さま。あなたのような方がどうしてこんなところに……」
「あら? あなたのお顔はどこかで……、もしかして宗賀衆の?」
「はい。宗賀ハクバです。皇さまにおかれましてはご健勝のことと……」
「このような場所で、そんな挨拶はよしてください。ここにいるということは、ブリタニアと戦う同志。そうでございましょう?」
「は、はい。そうですね」
「しかし、宗賀の里の人間が黒の騎士団に参加してくれたというのは、何とも心強い」
「いえ。里も七年前の侵攻で焼かれてしまったので、いまや宗賀の名を継ぐのは私だけでして……」
「では、あなたが52代目なのですね?」
「いえ。ですから宗賀の家は……」
「そうではありません。あなたが宗賀の志を受け継ぐか否かの問題です」
「……」
「……」
「すみません。今は答えが出せません」
「そうですか。では、その答えが出た時にまたお会いしましょう。それまでご武運を」
「ありがとうございます」
この時、姫から難しい問いをもらった。しかし、俺が姫にその答えを伝えるまでには、長い時間を要することになる。なぜなら……。
「扇が撃たれたんだ。手当てしてるが、意識がない」
「何で扇が撃たれたんだ? ゼロはどこにいるんだよ!?」
「知らないって!」
「何やってんだ!? ゼロは!」
「死守しろ! 何としても! ここを破られたら、完全に我が軍は崩壊する!」
「駄目だ、このままでは!」
俺たち黒の騎士団は、ブラック・リベリオンでブリタニアに敗けたからだ。
プロローグ前編 了
【コードギアス 新潔のアルマリア】
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