HOME記事スケールモデル入手困難になってしまったキット「エアバス A350-900」を塗装とマーキングで導入初号機として製作!

入手困難になってしまったキット「エアバス A350-900」を塗装とマーキングで導入初号機として製作!

2024.10.18

エアバス A350-900【スベスダ 1/144】●飛楽 月刊ホビージャパン2024年11月号(9月25日発売)

飛楽作例「エアバス A350-900」俯瞰

紛争に揺れるロシアンエアラインの最新鋭機

 ズベズダから発売された1/144 エアバスA350-900は、2023年春、ロシアのウクライナ侵攻が始まった頃に日本に正規ルートで入荷した最後のキットの中の1アイテム。現在では入手が困難になってしまい、プラモデルの世界にまで戦争の影が見え隠れするのは非常に悲しいことだが、キット自体は非常にシャープで出来のよい秀作。アエロフロートのイメージを一新するホワイトと尾翼の3Dマーキングで彩られ、ロシアを代表する作曲家「ピョートル・チャイコフスキー」と名付けられた導入初号機として製作!

飛楽作例「エアバス A350-900」右側面
飛楽作例「エアバス A350-900」左側面
飛楽作例「エアバス A350-900」正面
▲正面から見たA350。まるで笑っているかのようなコクピット窓が特徴的。すらりと伸びた主翼を翼端のシャークレットが引き締める
飛楽作例「エアバス A350-900」機首
▲P.チャイコフスキーの名が書かれた機首はエアバスA350の特徴的な顔付きがシャープに再現されている。窓が大きく中もよく見えるため、パイロットを乗せてみた
飛楽作例「エアバス A350-900」エンジン
▲エンジンは定番のファンブレードが一枚ずつ独立したリアルなもの。組み立ても容易で、旅客機プラモデルキットでこの形態を始めたのは知る限りズベズダが初となる
飛楽作例「エアバス A350-900」左側面あおり
飛楽作例「エアバス A350-900」全体2
▲それまでシルバーがベースだったアエロフロート・ロシア航空は、A350の導入に伴いボディがホワイトベースとなり、明るいイメージへと変化を実現した
飛楽作例「エアバス A350-900」全体1
▲キットのデカールは品質向上が目覚ましく、鮮やかで作品も美しく仕上がる。尾翼の特徴的ななびく3D模様もデカールによる再現だ
飛楽作例「エアバス A350-900」胴体上部のWi-Fiドーム型アンテナ類
▲胴体上部のWi-Fiドーム型アンテナ類もキットに付属。ブレードアンテナは他社製エッチングパーツに交換、衝突防止灯はクリアーレンズを流用している
飛楽作例「エアバス A350-900」胴体下面のグレー部分に書かれたアエロフロートのロゴタイトル
▲最近の航空会社でよく採用されている手法、胴体下面のグレー部分に書かれたアエロフロートのロゴタイトル。ここもちゃんとデカールがセットされている
飛楽作例「エアバス A350-900」ランディングギア
▲脚柱やドアがシャープに再現されたランディングギア。ていねいな塗装で仕上げることで作品が引き締まる。「お洒落は足元から」は模型にも当てはまるのだ

アエロフロートの最新旅客機
 久々に現れました、飛楽でございます。ご無沙汰いたしているうちに時間が経ってしまったキットではありますが、今回は2023年にズベズダがリリースし、2024年時点で日本に正規で入ってきた最後のキット、エアバスA350-900を組み立てましたのでそのお話をさせてください。
 以前に本誌でズベズダのエアバスA350-1000をデモンストレーションカラーリングにて製作させていただきましたが、今回は-900で、デカールはアエロフロートとなっています。それまでのシルバーベースのアエロフロートカラーリングから、胴体は白が基調となり、スマートな機体と相まって爽やかなイメージです。どうしても今、ロシアの機体を作るということにタブーを感じざるを得ないのですが、キットレビューということもあり、あえてキットのままのカラーリングで製作しましたことをお伝えします。

キットの構成
 キットは基本、先発の-1000と同じ構造です。胴体が短いのと、メインギヤが-1000では三軸構造なのが、-900では二軸になっているのが大きな外観の違いです。このあたりの細かいパーツ類の精度は高く、スマートにストレスなく組み立てられます。
 キットは最新のズベズダクオリティで、シャープなモールドと組み立てやすさも兼ね備えています。
 コクピット内部インテリアもパーツで再現されています。昨今の旅客機はコクピット窓が大きいので中も見えますしここはぜひ、パイロットを乗せてみたいところですね。フィギュアは鉄道模型(Nゲージ)用のフィギュアです。

塗装とマーキング
 アエロフロートのカラーリングは尾翼のなびく国旗のデザインが特徴ですが、これはデカールがキットに付属していて安心です。品質も大変良好で貼りやすいデカールです。以前のズベズダキットのデカールから見ると技術の進歩は凄まじいなと実感しています。カラーリングは塗装の部分とデカールの部分に別れていて、尾翼やウイングレットは模様をデカールを型紙にして白抜きした上でデカール貼りなど、手間をかけて塗っています。
 デカール貼り付けのあとは、お馴染みのクリアーコーティング。私はずっとGSIクレオスのGX100を使っています。クリアーコーティングを4から5回繰り返し、乾燥を充分させてからコンパウンドで研ぎ出しを行います。コンパウンドはハセガワのセラミックコンパウンドやGSIクレオスの細目のものを使っています。
 仕上げは細かいアンテナやセンサーを取り付けますが、こちらはキットの部品も使いつつ、真鍮線、リン青銅線などを駆使しながら表現しています。

おわりに
 プラモデルひとつにも世界的な紛争、戦争の影を感じずにはいられません。ズベズダも現在ではなかなか入手も困難で、素晴らしいキットを送り出してきてくれたメーカーだけに世の中がはやく平和を獲得し、また楽しみなキットがどんどんリリースされるように戻ってほしいものであります。

ズベズダ 1/144 スケール プラスチックキット

エアバス A350-900

製作・文/飛楽

エアバス A350-900
●発売元/ズベズダ、販売元/GSIクレオス●4950円、販売休止中●1/144、約29.4cm●プラキット


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