入手困難になってしまったキット「エアバス A350-900」を塗装とマーキングで導入初号機として製作!
2024.10.18紛争に揺れるロシアンエアラインの最新鋭機
ズベズダから発売された1/144 エアバスA350-900は、2023年春、ロシアのウクライナ侵攻が始まった頃に日本に正規ルートで入荷した最後のキットの中の1アイテム。現在では入手が困難になってしまい、プラモデルの世界にまで戦争の影が見え隠れするのは非常に悲しいことだが、キット自体は非常にシャープで出来のよい秀作。アエロフロートのイメージを一新するホワイトと尾翼の3Dマーキングで彩られ、ロシアを代表する作曲家「ピョートル・チャイコフスキー」と名付けられた導入初号機として製作!
■アエロフロートの最新旅客機
久々に現れました、飛楽でございます。ご無沙汰いたしているうちに時間が経ってしまったキットではありますが、今回は2023年にズベズダがリリースし、2024年時点で日本に正規で入ってきた最後のキット、エアバスA350-900を組み立てましたのでそのお話をさせてください。
以前に本誌でズベズダのエアバスA350-1000をデモンストレーションカラーリングにて製作させていただきましたが、今回は-900で、デカールはアエロフロートとなっています。それまでのシルバーベースのアエロフロートカラーリングから、胴体は白が基調となり、スマートな機体と相まって爽やかなイメージです。どうしても今、ロシアの機体を作るということにタブーを感じざるを得ないのですが、キットレビューということもあり、あえてキットのままのカラーリングで製作しましたことをお伝えします。
■キットの構成
キットは基本、先発の-1000と同じ構造です。胴体が短いのと、メインギヤが-1000では三軸構造なのが、-900では二軸になっているのが大きな外観の違いです。このあたりの細かいパーツ類の精度は高く、スマートにストレスなく組み立てられます。
キットは最新のズベズダクオリティで、シャープなモールドと組み立てやすさも兼ね備えています。
コクピット内部インテリアもパーツで再現されています。昨今の旅客機はコクピット窓が大きいので中も見えますしここはぜひ、パイロットを乗せてみたいところですね。フィギュアは鉄道模型(Nゲージ)用のフィギュアです。
■塗装とマーキング
アエロフロートのカラーリングは尾翼のなびく国旗のデザインが特徴ですが、これはデカールがキットに付属していて安心です。品質も大変良好で貼りやすいデカールです。以前のズベズダキットのデカールから見ると技術の進歩は凄まじいなと実感しています。カラーリングは塗装の部分とデカールの部分に別れていて、尾翼やウイングレットは模様をデカールを型紙にして白抜きした上でデカール貼りなど、手間をかけて塗っています。
デカール貼り付けのあとは、お馴染みのクリアーコーティング。私はずっとGSIクレオスのGX100を使っています。クリアーコーティングを4から5回繰り返し、乾燥を充分させてからコンパウンドで研ぎ出しを行います。コンパウンドはハセガワのセラミックコンパウンドやGSIクレオスの細目のものを使っています。
仕上げは細かいアンテナやセンサーを取り付けますが、こちらはキットの部品も使いつつ、真鍮線、リン青銅線などを駆使しながら表現しています。
■おわりに
プラモデルひとつにも世界的な紛争、戦争の影を感じずにはいられません。ズベズダも現在ではなかなか入手も困難で、素晴らしいキットを送り出してきてくれたメーカーだけに世の中がはやく平和を獲得し、また楽しみなキットがどんどんリリースされるように戻ってほしいものであります。
ズベズダ 1/144 スケール プラスチックキット
エアバス A350-900
製作・文/飛楽
エアバス A350-900
●発売元/ズベズダ、販売元/GSIクレオス●4950円、販売休止中●1/144、約29.4cm●プラキット
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飛楽(ヒラク)
模型の世界にて平和の翼をこれからも作り続けて行きたい。皆さんの笑顔のために。