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『機動戦士ガンダム:銀灰の幻影』ヤクト・ヴァイゼをHGヤクト・ドーガからセミスクラッチで製作!!

2024.10.04

JW-001 ヤクト・ヴァイゼ【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2024年11月号(9月25日発売)

アージェント・キール専用機を最速立体化!!

 VRを使用した新たなガンダム映像体験として注目を集める『機動戦士ガンダム:銀灰の幻影』より、アージェント・キール所属のバビア・レナが搭乗する「JW-001 ヤクト・ヴァイゼ」を田中康貴がセミスクラッチで製作。HG ヤクト・ドーガ(クェス・エア専用機)をベースとして使用し、形状が異なる頭部、左右肩バインダー、武装をスクラッチで再現。さらに設定画を参考に各部ディテールを追加してハイエンドに仕上げている。

CHARACTER&MECHA


ヤクト・ヴァイゼ

▲ネオ・ジオン残党軍に譲渡予定だった予備部品用のヤクト・ドーガをアージェント・キールが入手し、独自改修を行った機体。オリジナルのサイコミュ系機器はすべてオミットされている。センサー類の強化に加えてショルダー・シールドも一新され、推力容量が増大。専用品のビーム・ショット・ランチャーを装備する

バビア・レナ
(CAST:伊瀬茉莉也)

▲アージェント・キールのパイロット。25歳。戦災孤児で、養母のメイベル譲りの快活な人物として育った。偶然救助した主人公に、かつての同僚フィクジィ・フィクスの姿を重ねている。独自改修されたMS、ヤクト・ヴァイゼに搭乗する
▲銀のボディカラーが原型機との印象を大きく変えている。ひと際目を惹く頭部アンテナ、両肩のスラスターユニット、主武装のビーム・ショット・ランチャーをスクラッチで再現し、全体的には外装にプラ板を貼り足してボリュームアップさせつつ、各所にパネルラインや凹モールドを追加した

▲頭部のみ形状がより近いギュネイ機を使用。目付きを鋭くするために、キットパーツよりも細長くくりぬいた0.3mmプラ板をフェイスパーツに貼っている。丸みを帯びた額はエポパテを盛って整形し、中央の凹みはジャンクパーツを埋め込んで再現。アンテナはキットパーツにプラ板を貼って形状を変更した

▲メインカメラはラピーテープを貼って光を反射するようにし、ペイントの目は切り出した0.2mmプラ板を塗り分けたものを貼り付けている
▲肩部のスラスターユニットは全体をプラ板の箱組みで製作。本体カバーと3基のサブスラスターカバーはレジンで複製して左右をそろえ、サブスラスター接続部はプラ棒と市販パーツを組み合わせて可動化。肩側との接続はキット本来のファンネルコンテナ接続部をそのまま使用した

▲サブスラスターの可動を再現

▲胸部カバーとコックピットハッチはプラ板を貼り足して大型化し、左右のスリット形状は0.5mmのプラ棒を並べて再現。腹部は前と横に0.5mmのプラ板を貼ってボリュームアップ。バックパックは円柱形状の上下左右にプラ板を貼ってボリュームアップし、スラスターノズルは別のキットのものを流用して大型した
▲動力パイプは市販の太いものに交換。各アーマーは上から0.5mmのプラ板を貼って大型化するとともに凹モールドを再現。また、スラスターユニットを装着したことで上半身のボリュームが増したため、腰フレーム上面に2mmのプラ板を貼って底上げし、脚付け根軸を2mm下げることでバランスを調整している
▲太モモは周囲に1mmのプラ板を貼って大型化。スネは裾にプラ板を貼って5mm延長したあとにエポパテを盛ってボリュームアップ。形状を整えてからパネルラインに沿って切り出した0.3mmのプラ板を貼ってモールドを再現。ヒザ下のバーニアは六角形にくりぬいてから市販パーツを埋め込んだ
▲ビーム・ショット・ランチャーは5mmのプラ棒を組み合わせておおまかな形状を作り、プラ板で細部モールドを再現。後部の筒形状は市販のバーニアパーツとガイアノーツの瞬間カラーパテのキャップをレジン複製したものを組み合わせ、パネルラインに沿って切り出した1mmのプラ板を貼ってモールドを再現。グリップはキットのハンドパーツに合わせてプラ板で製作。フォアグリップは市販のジョイントパーツで可動式にした
▲ビーム・サーベルのビーム刃はキットのものをそのまま使用。設定では青紫のビーム刃を発振する

■ヤクト・ドーガが銀色に!
 1/144スケールでヤクト・ヴァイゼを製作させていただきました。製作時点で公開されていたMSの中でも特にこの機体は重厚感ある銀色に加えて、両肩のスラスターユニットはひと際大きな存在感を放っています。そして、ギュネイ/クェス機と見比べたときのギャップも素晴らしい! 設定画からはパーツのひとつひとつが基のヤクト・ドーガから一段レベルアップした印象を受けましたので、形状が異なる部分だけでなく、全体的にもその点を意識した工作を行っています。

■頭部
 カメラ、瞳ペイントともに鋭い目付きになるように、形状をくりぬいたプラ板を外装として貼っています。瞳は塗装が難しかったので、切り出した0.2mmのプラ板を塗装後に貼り付けました。

■胸部
 キットは全体的に丸くて柔らかい印象なので、直線的で各部が張り出した筋肉質な形状にするためにプラ板の貼り足しや削り込みを行いました。胸部カバーはRE/100のヤクト・ドーガも参考にしています。

■腰部
 基の機体から大きく印象が変わっている部分なので、キットパーツを芯にプラ板工作を行いました。また、仮組みしたところ全体的に幅広で詰まった印象になってしまったので、太モモの取り付け位置変更や腹部の底上げなどを行い、プロポーションを調整しています。

■腕部
 肩アーマーが大きく、腕が長くなるよう製作しています。前腕はモールドが複雑なのでレジンで複製して左右をそろえました。両肩のスラスターユニットはとにかく複雑で難しく、各パーツのつながり等はある程度想像で製作しています。出来映えとしては、接続スペースの確保やディテールの盛り込みで全体的にやや大きいかなという印象で、特に正面から見たときの厚みが気になったもののこれ以上小さくできず…、ということで腰部の調整で全高を上げて多少なりとも違和感を軽減できるよう試みました。

■脚部
 設定画では大きく力強く描かれていますので、それに近付けるべく縦横ともに大型化しています。靴部はもっと幅を出してもよかったかもしれません。足首関節を市販パーツで二重関節化したことで、さらに全高を上げています。

■武器類
 ビーム・ショット・ランチャーは見るからに難易度高そうで、後ろの筒形状はどうしたものか…と思っていたら、なんと愛用しているガイアノーツの瞬間カラーパテのキャップがまさにその形状をしておりました! ということでこれをレジンに置き換えて市販パーツと組み合わせ、周りにパネルラインごとに切り出したプラ板を貼って塗装したら思いのほか設定形状に近くなりビックリしました(笑)。

■塗装
 銀色外装はグレー→ムーンストーンパールの重ね塗りに挑戦しました。各パーツの色をそろえるのが難しく、塗料がダマになってパーツに飛んだり表面処理不足がバッチリ出たりと、一番大事な工程でつまずいた感はありますが、何とか塗りきりました。また本体グレーに関しては、設定上細かく色分けされているようなので、内部フレーム・頭・胸・コックピットハッチ・スネ・肩スラスター・バーニアで塗り分けました。これらはブルーとレッドの混合量を変えて違いを出しています。
シルバー=ウイノーブラック+クールホワイト→ムーンストーンパール
本体グレー=セミグロスブラック+MSホワイト+MSブルー+レッド+クリアーパープル
バーニア内部=メカサフ ヘヴィ
武器グレー=セミグロスブラック+MSホワイト+MSブルー
 マーキングに関しては、腰部左フロントアーマーのものは設定資料のカラーイラストをハイキューパーツの水転写式デカール自作用用紙に縮小コピーしたものです。他はRG サザビー用のものがドンピシャだったので、これを各部に貼って完成です!

BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット“ハイグレードユニバーサルセンチュリー” ヤクト・ドーガ(クェス・エア専用機)改造

JW-001 ヤクト・ヴァイゼ

製作・文/田中康貴


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田中康貴(タナカヤスタカ)

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