HOME記事工具・マテリアルプラモデル製作でまず手に入れたい工具ってなに?【いまさら聞けないプラモデルの基礎:ニッパーの選び方】

プラモデル製作でまず手に入れたい工具ってなに?【いまさら聞けないプラモデルの基礎:ニッパーの選び方】

2024.11.16

初めてでも安心!プロモデラー「ノモケン」と学ぶプラモデルの入り口!! File.01

お店で見かけたんですが“ゲートカット用”のニッパーってどんなニッパーですか?

ゲートの切断により適したニッパーです

 ランナーとパーツをつなぐ“ゲート”の切断をより重視したもので、隙間に差し込みやすい刃先、切れ味を高めた薄刃なのが特徴。刃を痛めないよう、厚めの切断は避けましょう。写真は先細薄刃ニッパー(ゲートカット用)/タミヤ 3960円。

先細薄刃ニッパー(ゲートカット用)の画像
ゲートカット用ニッパーでランナーを切断している画像
▲ “ゲートカット用”は名前の通り“ゲート”を切ることに特化した製品で、先に紹介したプラモデル用の特徴に加え、より“先端形状が狭いところに入れやすい”、そして切り口のゆがみをおさえる“薄刃”となっています。また、刃の角度に違いを持たせた製品もあります

汎用タイプのニッパーとゲートカット用ニッパーの刃先の比較

汎用タイプのニッパーとゲートカット用ニッパーの刃先の比較画像
▲ 汎用なタイプは刃の断面を比較すると鈍角よりで、耐久性もあるものとなっています。ゲートカット用は刃の断面が鋭角で、鋭く切り込むことで、切り口のゆがみを抑えています。先端を細く、薄くすることで、ゲート周辺が狭い場合にもあてがいやすいようになっています

汎用タイプのニッパーとゲートカット用ニッパーの切り口の比較

汎用タイプのニッパーとゲートカット用ニッパーの切り口の比較画像
▲ パーツ裏のゲート跡に注目。どちらも平らに切れていますが、汎用タイプ(左)は力が掛かった歪み跡「白化」がみられます。ゲートカット用(右)は鋭く切られてそれがありません

最近はやりの片刃ニッパーの特徴が知りたい

片方にだけ刃が付いていて滑らかな切り味のニッパーです

 ニッパーの片方だけに刃があるニッパーで、ゲートカット用同様にそのほとんどが隙間に差し込みやすい刃先、切れ味を高めた薄刃で構成されています。写真はアルティメットニッパー5.0/ゴッドハンド 5940円。

アルティメットニッパー5.0の画像
片庭ニッパーの図解のイラスト
▲ 片刃ニッパーは一方が薄刃、反対側はそれを受ける“面”。ゴッドハンドではその様子を「包丁とまな板」と表現しています。アルティメットニッパーは特に薄刃でナイフで削ぐように切れます
ランナーの切り口の比較
▲ ランナーの切り口での比較。両刃(左)は左右から切り込むので刃が合わさるところに跡が残ります。片刃(右)は一方から切り込むので切断面はほぼ均一になります

切り刃が逆側に付いている片刃ニッパーもあります!

 片刃ニッパーでは「パーツフチに板側を沿わせて切る」使い方ができるのですが、ゲート配置によっては片刃が逆側なのが欲しいこともあります。これら製品は左利きに限らず活用できます。写真は匠TOOLS 極薄刃ニッパー/グッドスマイルカンパニー 3520円(左)、ブレードワンニッパーL 左手用/ゴッドハンド 5610円(中央)、凄!高級薄刃ニッパー(片刃)左利き用/童友社 4620円。

匠TOOLS 極薄刃ニッパーとブレードワンニッパーL 左手用と凄!高級薄刃ニッパー(片刃)左利き用の画像

ほかにも特徴的なニッパーがあったら教えてほしい

グリップに特徴のあるニッパーを紹介します

 グリップに指掛けがついたニッパーは、自然と持つ位置や向きが定まり、作業中の保持も安定します。写真はプロ絶ニッパー/ボークス 4070円(黒)、 HG ファインニッパーSP(ゲートカット用)/ウェーブ 3080円(青)。

プロ絶ニッパーの画像
HG ファインニッパーSP(ゲートカット用)の画像
ニッパーの持ち方の画像
▲指掛けがあるニッパーは保持や動作が安定するだけでなく、切る力を微調整しやすかったり、開く側にも動かしやすいというメリットがあります

色々あって迷っちゃう! 初心者におすすめのニッパーを1本を教えてください!

まずはコレ!なオススメの1本

 1本を選ぶなら、汎用性のある両刃タイプで使い勝手と切れ味をを重視したモノがおすすめです。ゲートカット用ニッパーの説明でも登場した、タミヤの先端薄刃ニッパー(ゲートカット用)はそうした条件にあっていて、丸みを帯びたグリップはしっかり持つにも、向きを変えるにも扱いやすいです。模型店で入手しやすいのもポイント!

先細薄刃ニッパーの画像

先細薄刃ニッパー (ゲートカット用)

●発売元/タミヤ●3960円


今回のまとめ

 プラモデル用ニッパーは安価なものでもパーツを切り離す役目はこなせます。より繊細な切り出しや切ったままの仕上がりにこだわると、今回紹介したような特徴を持つタイプが欲しくなってきますが、そこは使い方でも変わってきます。次回はニッパーの扱い方や、実際の切り方について学んでいきましょう。切り口の仕上げはナイフやヤスリでも補完できるので、どこまでをニッパーに求めるかは使う人しだいでもあります。


記事中の模型用語をピックアップ簡単解説!

■プラモデル(プラモ、プラキット)
プラスチック(主にポリスチレン樹脂)の部品で構成される組み立てモデル。

■ランナー
プラモデルの部品(パーツ)がつながった枠(ワク)のこと。プラモデルの金型内での樹脂の通り道。

■ゲート
ランナーとパーツをつなぐ細い部分。切断してパーツ表面に残った跡を「ゲート跡」、それを整えることを「ゲート処理」と呼ぶ。


「ノモケン」こと野本憲一著書好評発売中

 当連載の著者「ノモケン」こと野本憲一のベストセラー「NOMOKEN」シリーズが絶賛発売中。連載をご覧になって、更にステップアップしたい方はこちらの書籍もぜひご覧ください。


解説・文/野本憲一

 多くのユーザーから愛される模型製作ガイド「NOMOKEN 野本憲一モデリング研究所」の著者・プロモデラー。当連載『いまさら聞けないプラモデルの基礎』では、令和最新版“プラモデル製作の基礎”を解説します。現在では数多くの選択肢があるプラモデル製作の道具やテクニック。「名前は知っているけどどんなものなんだろう?」「いまさら聞くのもなぁ…」と思うものもあるはず。そんな“ギモン”を改めて学んでみましょう。

©あまとき ASSORT ASSEMBLY

1 2
この記事が気に入ったらシェアしてください!

野本憲一

オススメの書籍

NOMOKEN 野本憲一モデリング研究所 新訂版

ご購入はこちら

NOMOKEN3 ガンプラ完全攻略ガイド

ご購入はこちら

ノモ研特別編 極上カーモデルの作り方

ご購入はこちら
PAGE TOP
メニュー