LEOPARD 2 A7V

　アメリカのM1エイブラムスと並び世界最強クラス戦車に数えられる、ドイツ連邦軍の主力戦車レオパルト2の最新型、A7Vをタミヤが完全新規でキット化。タミヤのMMシリーズではA6型以来20年ぶりとなる新生レオ2の登場である。今回はそんな本キットの魅力を本誌が誇る現用戦車モデラー、井上賢一の製作でご覧いただこう。

　こんにちは！ 今回のお題目は2021年9月より運用が開始された、ドイツ連邦軍“レオパルト2”の最新バージョン“A7V”型であります。
　“レオパルト1”の後続車として70年代後半に誕生した“レオパルト2”、登場当初“走攻守が揃った最強の戦車”と言われてきましたが、強力なライバルの登場や世界情勢変化、テクノロジーの進化に合わせ進化を繰り返してきました。
　本型では車体前部は新たにモジュール式の装甲パッケージを装備、さらに車体下面には対地雷用の装甲が追加される等、生存性を高める最新装備が目立ちます。
　砲塔でもSAAB社製の“ステルス”バラキューダ用ホルダーとして、砲塔両側面へ追加された、空間装甲を兼ねたバスケットが目を惹きますね。
　こんな魅力的な本車を、これまでA5/A6型を発売してきたタミヤさんが製品化♪ 従来品に対し変更部を追加した仕様と思いきや、なんと完全新金型で対応！
　タミヤさんの気合いを感じますね♪ 今回は別売りの“メタル砲身”を準備して楽しんでみました。

■車体
　従来は箱状の一体成型品だった車底部品は各面のディテールを追求するためか、パネルごとに成型された部品を箱組みする構造に変化しています。
　本車の基本となる部分なので、擦り合わせをシッカリして歪みがないように組み立てましょう。
　また履帯も従来のベルト式から、連結式と一体型を組み合わせたモノへ変更されています。起動輪・誘導輪部の曲線部は1コマずつの連結式で、底面･天面部の直線部は一体式で再現されており、組み立てやすさとリアルさの両立を狙った優れた構造となっています。

■砲塔
　本車の主砲“ラインメタル120㎜L/55”は、前記の通り別売オプションとしてNC加工されたアルミ製の砲身部品が別売りで準備されています。大変シャープな本品を組み込むことで、全体の印象がキリっと締まりますね。
　増設バスケットは付属のエッチング部品を曲げて作るのですが、微妙な曲げを再現させるため、本キットには“曲げ治具”が付属しており、だれでも簡単に加工できるようになっています。
　各部に装備されたペリスコープも以前の型では“透明樹脂シート切り出し部品”でしたが今回は“透明インジェクション部品”が準備されており、よりリアルに仕上げることができ、マスキングテープまで準備されているという“至れり尽くせり”な内容ですね。

■塗装
　本キットではフルカラーのカラーリングガイドが付属しており、大変見やすく塗り分けが楽になりましたね。今回はキット付属デカールより、チェコ国境に近いバイエルン州のアンベルグに駐屯する第12装甲旅団 第104戦車大隊所属車を選択しました。

■あとがき
　完成～!! タミヤさんの歴代レオパルト2を製作してきましたが、各部で進化していることを実感します♪　ハイディテールながらストレスもなく組み立てでき、誰にでもお勧めできちゃう本当に良いキットに仕上がっていますね♪
　現用車両ファンとしては、次回作にも大いに期待しています。それじゃまた！

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