ラッカー塗料による特殊な筆塗り法「スタンプブレンディング」でクァドラン・ローを塗装!彫刻家・大森記詩のテクニックを見よ
2024.08.15ラッカー塗料だからこその「溶け合う」楽しさ/クァドラン・ロー“マックス”(劇場版)【ハセガワ 1/72】 月刊ホビージャパン2024年9月号(7月25日発売)
暗い色からメインカラーまでの立ち上げ
スタンプブレンディングで塗面の表情を豊かにする!
基本塗装を終えた状態
メインカラーとタッチカラーを混ぜる
明るい色をスタンプ
スタンプした色を下の色と馴染ませる
完成!
より細かいタッチは面相筆で
ブレンディング完了
量感溢れる機体を思う存分筆塗りしたい!
そんな想いを叶えてくれるハセガワのクァドラン・ロー。『超時空要塞マクロス』に登場する機体の中でも傑出したデザインですよね。今回は『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』の終盤に登場するマックス機ということで、劇中での時間軸を特に意識しながら塗り進めていきました。そうなると、経年的な汚れやキズ等は控えめがよさそうなところですが、最終決戦の激しい戦いで使用されたのなら…いやしかし、あの天才パイロットであるマックスなのだから……などと、筆を重ねつつ同時にモチーフ作品の背景を思い浮かべられるのも面白いですよね。
筆塗りはその経過まで余すところなく楽しめます。進めていくと、塗り初めから各所に残しておいた下地や、途中段階の色がラッカー特有のツヤ感、青系とグレー系のコントラストも相まってだんだんと際立ってくるので、こういった箇所をキッカケにしながらさらに重ねていくことで、単色系ながらも単調にならない表情と密度感を作り出すことができます。自分の筆致で形が引き締まっていくフィジカルな感覚が味わえるのも筆塗りの醍醐味で大好きです。
青のマックス機があったら、赤のミリア機も塗りたくなります。あとから登場したマックス機よりも、ミリア機は歴戦の機体になるので、対照的に使い込まれた感じになるようにしたいところです。紫がかったグレーの一般兵仕様も捨て難いですね。そんな選択肢も豊富なモチーフであるクァドラン・ロー、その決定版ともいえるハセガワのキットは組み上げてからの部位ごとの着脱もしやすくなっていますから、これから特にキャラクターモデルの筆塗りを始めてみようという方にも最適だと思います。皆さんもぜひ、魅力的なフォルムをラッカーに限らず思い思いの塗料と筆先で触れながら辿ってみてください。
ハセガワ 1/72スケール プラスチックキット
クァドラン・ロー “マックス” (劇場版)
製作・文/大森記詩
クァドラン・ロー “マックス” (劇場版)
●発売元/ハセガワ●6380円、発売中●1/72、約25.9cm●プラキット
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