ウルトラQ空想特撮シリーズ
「恐怖のネロンガ」――透明怪獣ネロンガ登場――
2021.06.09
円谷プロとしっかりタッグを組んで
大人が真剣に作ったものはダイレクトに子供に伝わります。僕自身、ウルトラシリーズを観て大いに胸をときめかせ、作家となり、ついにはフィギュアメーカーまで立ち上げてしまいました。ウルトラからいただいたものを次の世代へ。コモリプロジェクトでは売り上げの一部を小児医療に寄付します。円谷プロとタッグを組んで、無限の想像力とモノ作りの楽しみを未来の作り手に伝えていけたらと思っています。
小森陽一(コモリヨウイチ)
1967年生まれ。大阪芸術大学芸術学部映像学科卒業後、東映に入社。その後、コラムや小説、漫画原作や映画の原作脚本を手がける。大阪芸術大学映像学科客員教授。『海猿』『トッキュー!!』『S-最後の警官-』『BORDER66』『ジャイガンティス』など著作多数。
円谷プロダクション会長がオフィスにお越しくださいました。
円谷プロダクション 代表取締役会長兼CEO
塚越隆行氏
コモリプロジェクトの小児医療への
支援に心から感謝いたします。
東京医科歯科大学小児科 寄附講座准教授
今井耕輔
幼なじみの小森くんからの、病気と闘う子どもたちを応援したい、との気持ちをもらい、小児科医のひとりとして大変ありがたく思います。私たちが、九州の田舎の大自然を体感しながら、大自然を体現した怪獣で遊んだように、子どもたちに、そのエネルギーを伝えることができればと思います。
ここらでもう一度、モノを作る楽しみ方を提示したい。
そんな想いにふたりの達人が腕を揮ってくれました。
土井眞一氏はディオラマです。山から這い出てきた巨獣、それを迎え撃つ戦車、その攻防を静かに見守る高圧鉄塔という黄金のトライアングルです。自然光で撮影された写真は被写体との間に空気の層が挟まり、まるで本物と見紛うような迫力に満ちています。ネロンガの塗装もあえて生物に寄り、黒目の大きな優しい瞳が実在感を増して迫ってきます。
kaz氏のほうは正反対に着ぐるみへのオマージュに溢れています。本編やムック本の写真を紐解いて徹底的にリサーチするだけでなく、高山良策氏のタッチや現場スタッフの修正までも想像しての色の読み取りはkaz氏の真骨頂です。大角の閃光や瞳の輝きを再現するためにクリアーパーツに置き換え、配線を通して電飾までしてしまうのですからまったく恐れ入ります。
ネロンガ特撮ディオラマ
フライトギアの土井です。本職はCMや映画の美術ディレクターをやってます。スタジオセットから特殊造形などさまざまなモノを作るのですが、模型を使ったディオラマの楽しさは最高です。
いくつものスケッチをしながら妄想を最大限に広げるのですが、ネロンガでイメージするのは「発電所」「地底」「戦車」…などでした。
発電所のディオラマを最初に考えましたが、このボリュームのネロンガからすると畳1枚分くらいの大きさになります。なんとか両手で持てるくらいのサイズで調整すると岩山から突如登場した地底怪獣の設定になりました。
ベースはウレタンや発泡スチロール、ポリエステル樹脂や焼き石膏などで仕上げますが、最大の難点は、鉄道模型の樹木用スポンジを貼っていく工程です。コツコツと忍耐の続く限り貼っていきます。
鉄塔はPCで図面を描いてレーザーで切って製作しますが、ディオラマにしたとき鉄塔が立っていてもケーブルの行方を考えると悩んでしまいます。最終的には森林部分に倒れた状態にする予定です。
陸上自衛隊との対決はやはり昭和感満載の61式戦車が最高ですね。
Kazバージョン 電飾ネロンガ
コモリプロジェクトのカラーリストkazこと田中一成です。
このキットのレジンは光を通します。口の中の上の歯から口内が別パーツになっていますので取り付け前に目の裏側にLEDのスペースをルーターで削り、パーツごとに配線のラインをドリル等で開口してやると原型師さんが作り上げた表面のモールドには一切ダメージを与えずに目を電飾できます。あまり薄く削らなくてもレジンは光を通すので慌てずゆっくり削ってLEDで光具合を確認しながら作業するのがコツです。くれぐれも誤って表まで突き破らないでください! 破損が怖い方はあらかじめ目の部分を簡易シリコーン(ブルーミックス等)で型を取っておけばタミヤの速硬貨タイプのエポパテも薄くすると光を通すので失敗しても再チャレンジできます。
応用編で自分はさらにツノをクリアーレジンにして光らせました。点滅回路を仕込んでますのでダイヤルで点滅スピードも自由に変えられます。コモリプロジェクトの2月1日のブログにも公開されてますので、ご参考までに。
コモリプロジェクト第二弾
ティグリス テストショットアップしました!
モデリングプラカ レジンキット
透明怪獣 ネロンガ
製作・撮影/フライトギア 土井眞一
透明怪獣 ネロンガ
●発売元/モデリングプラカ●35200円、発売中●約53cm●原型/山脇隆●レジンキット
©円谷プロ