タミヤ グランプリコレクションよりトヨタ セリカ ターボ Gr.5が丁寧なディテールアップで蘇る
2024.04.19宿敵ポルシェを破ったドイツ育ちのシルエットマシン
サーキットを彩った数々の名車が居並ぶタミヤのグランプリコレクション。そこに25年ぶりの帰還を果たしたトヨタ セリカ LB ターボ Gr.5を畠中浩が製作。畠中氏にとっては、幼少時に一度製作に挑むも完成に至らなかったという因縁もあるこちらのキット、今回はベテランキットに欠かせない丁寧な表面処理と細部のディテールアップで応戦し、空力パーツで固められた迫力あるフォルムを現代に蘇らせた。
■ボディの製作
これ、幼少期に一度作って撃沈したことがあるキットなのですが、それ以来の再会。いかんせん半世紀近く前のキットですから最新のキットのように楽には作れません。まずボディ全体にヒケが多いので面を削り込みつつ、それでも消えないところはパテを盛ってしっかり処理をしましょう。実車はFRP製のボディなので表面はかなりうねっているのですが、あくまで模型ですのでね。で、フロントカウルは取り外せるのでシャシー側、エンジン前方のフレームB26、27をさっさと接着してしまい、A8はテープで仮固定。シャシー後方に歪みが出る可能性があるので後方の元電池ボックスのフタ、B30とボディ側のグリル部品、A7もテープで仮固定し、ボディをシャシーに固定出来るようにしておきます。この状態でフロントカウルとボディをすり合わせました。作例ではフロントカウルが若干、前に寄り気味だったのでB26、27を削り込んで後方にずらしています。リアウイングはキットのままでもいいのですが、ゾルダーの68号車の資料を確認するとE10、11が少々小さい気がしたのでプラ板で作り直し、翼端板側面の穴を埋めつつ実車のようにいくつかの穴を開口しています。この翼端板、実車ではリアゲートと一体構造になっていますが、研ぎ出しが大変そうだったので別パーツのまま組み立てています。また、リアウインドウ後方のコの字型のダクトとドアノブも同様の理由で事前にシリコーンゴムとレジンで複製しておき、研ぎ出し後に接着しています。
■内装
ここも最低限の構成ですが資料がとても乏しいのでネット上で見つけた白黒写真から判断して塗装を行いました。ドア内張のパーツはバスタブと若干隙間があり、完成時にボディ左右の隙間から見えてしまうのでバスタブとの隙間をプラ板で埋めています。コンソールに貼り付けるメーターのデカールはそのままだと寂しい雰囲気だったので市販のディテールアップパーツを利用してメーターリングを作り立体感を出しておきました。
■車高の調整
あくまで自分の好みということでアップライトの上部を削り込み、下はプラ板でかさ上げをして1mmだけフロントの車高を低くしています。ウェッジシェイプのマシンはやはり前傾姿勢が似合いますからね。
■塗装のお話
タミヤのサーフェイサーで下地を仕上げた後、Mr.カラーのスージーブルーを基本に色ノ源マゼンタと少量の黒を混ぜ、月刊ホビージャパン2024年5月号の誌面でどう映るか分かりませんが少々紫の雰囲気を纏ったブルーを調合して塗装しました。デカールは高品質のカルトグラフなのですが大人の事情からか、いくつかのロゴが行方不明に。このご時世致し方ないのでデータを作り、アルプスプリンターで自作したデカールで追加してあります。仕上げはウレタンクリアーで。リアウイングなどのシルバーはメッキ調塗装と悩みましたが今回はMr.カラーの8番で。エンジン周りですが、実車の写真を見ると各パーツ、あまり変化のない色味だったので少々汚しを入れてあります。出来上がってみるとすごくカッコイイエンジンですねこれ。
■最後に
このキット、1/20のF1と同じグランプリコレクションなんですよね。完成してみると24より20のほうが迫力のある佇まいでとてもカッコいいです。幼少期のリベンジも出来ましたし、古いキットは楽しく作れて大好きですねぇ。
タミヤ 1/20スケール プラスチックキット
トヨタ セリカ LB ターボ Gr.5
製作・文/畠中浩(ももふく模形舎)
トヨタ セリカ LB ターボ Gr.5
●発売元/タミヤ●5060円、発売中●1/20、約24cm●プラキット
畠中浩(ももふく模形舎)(ハタナカヒロシ)
年末からのりしおのポテチにハマり2日で1袋を食べ続けている2024年です。